震災から3年、あらためて人権状況の改善を求める

PR TIMES / 2014年3月11日 14時19分

アムネスティ・インターナショナル日本声明

東日本大震災から丸3年。アムネスティ日本は、福島原発事故に対する政府の不十分で無責任な対応により、今でも人びとの生きる権利や健康に暮らす権利が守られていないことを憂慮し、日本政府に対して、復興政策等において、被害に遭っている人びと、とりわけ女性や障がい者などを政策決定に参加させるとともに、政府内に横断的な人権担当部署を設置するよう、あらためて要請する。





本日、1万8千人(不明者を含む1)を超える多くの尊い命を奪った東日本大震災から丸3年を迎えた。地震と津波によって引き起こされた福島第一原発事故は、除染や汚染水の処理の問題、新たに発覚した高濃度汚染水の漏えいなど、収束どころか未だに出口が見えない状況が続いている。依然として多くの人びとが生まれ育った故郷を離れ、経済的基盤を失い、避難生活を強いられている。

2011年12月、当時の野田首相は「原子炉冷温停止」になったとことを受け、「福島第一原発事故収束」を宣言した。また現政権の安倍首相は、昨年9月の国際オリンピック委員会総会で、汚染水漏えい問題について「まったく問題はない。汚染水の影響は、港湾内で完全にブロックされている」と強調した。しかし現実は政府の発表とはまったく違う状況が明らかになり、福島原発で働く作業員も含め、未だに多くの人びとが放射性物質による健康被害を心配し、困難な生活を余儀なくされている。

このような大規模な原発事故と、その後の政府の不十分で無責任な対応は、人びとの基本的人権である、「生命、自由及び身体の安全への権利(世界人権宣言第3条)」、「すべての人間が保有する生命に対する固有の権利(自由権規約第6条)」、「到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利(社会権規約12条)」を脅かすものである。政府は、人びとの生きる権利や健康に暮らす権利を守る第一義的な責務を負っているが、被災された人びとの生活を守り、被害者への十分な補償を行ってきたとは言い難い状況が続いている。

一方、情報開示という点でも、政府の対応は十分とは程遠い。地震以前の発電所の安全性のみならず、事故後の原子炉の状況や汚染水ついても事実とは違う情報を発表するとともに、問題が起きても情報開示を先送りし、事態を過小評価してきた2。

自由権規約第19条第2項は、「すべての者は、表現の自由についての権利を有する」と定めており、その表現の自由の根幹に、情報へのアクセス権(知る権利)が位置づけられている。政府は、すべての者が原子力施設事故に関する情報にアクセスすることを妨げてはならないし、市民に対し、自己決定の前提として、危険の有無を適切に判断するために、正確で、タイムリーな情報を提供する責務がある。しかし震災直後から今日まで、政府は的確な情報開示を行わず、政府の判断もしばしば遅れ、住民の不安は増すばかりとなっている。

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