スマートコンタクトレンズ製造のための先進的オープンソース・プラットフォームを公開
PR TIMES / 2025年2月5日 14時40分
コンタクトレンズの製造販売を行う株式会社シード(本社:東京都文京区、代表取締役社長:浦壁 昌広、東証プライム市場:7743)とイギリスとスイスの連結子会社(以下、シードグループ(注1))は、共同で電子デバイス内蔵型コンタクトレンズ(スマートコンタクトレンズ(以下、スマートCL))の開発並びに製造加速化のための、先進的な汎用プラットフォームを2025年2月4日付にて公開いたしました。
このプラットフォームは、制御LSI(大規模集積回路)*1の受託設計をRAMXEED株式会社(注2)が、フレキシブル基板やチップ実装プロセスを株式会社センチュリーアークス(注3)が手掛ける等、多数のマイクロエレクトロニクスメーカーとの連携で構築されており、各種スマートCLに必要な内蔵電子機器や周辺機器のシステム全体をパッケージ化する共通アーキテクチャを提供します。
本プラットフォームへご参加いただく企業、大学等研究機関は、本機能を極めて広範な目的に利用できるようになり、通信、エンターテインメント、教育といった様々な分野において、スマートCLを用いた革新的なサービスや製品の社会実装をもたらすことが期待されます。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/38735/127/38735-127-8654c3564fc7a0a43134fdce3f4e2b80-550x434.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 プラットフォームの概略図
近年、スマートCLの開発には、多種多様な技術領域の融合が必要であり、開発投資額が多額となるため、一社では開発を持続させることが困難になっています。そこで、シードグループは、あらゆる新しいアプリケーションの開発の起点として、コンタクトレンズ、周辺機器、外部情報端末(スマホ等)をパッケージ化した共通アーキテクチャの開発を進め、あらゆる外部企業や大学等へ提供していくことを目指してまいりました。
シードグループは、図2cに示すように、本共通アーキテクチャのフレキシブル基板上にLED チップを実装・封止し点灯することに成功しております(図1参照)。これは一つの活用事例に過ぎませんが、本プラットフォームへご参加いただく方々は、アプリケーションのための新たなアイデアを導入し、共通アーキテクチャにおけるスマートフォンのアプリや、スマートCLからメガネやヘッドマウントディスプレイ等の非接触データ送信のための新しい設計にもとづく周辺機器を開発することができます(図1参照)。
シードグループは、半導体・エレクトロニクス技術とレンズ内への電子部品埋め込み技術の融合に成功し、これがプラットフォームの形で結晶化しておりますが、最終的な目標は、スマートCLが単なる知能 (AI等) としてだけでなく、人間の知識とともに機能する世界を作り出すことです。汎用プラットフォームの提供により、スマートCLの将来には無限の可能性が生まれます。
シードグループは、これからも常に技術革新を追いかけ、それを取り入れるために必要に応じてスマートCLのバージョンアップに努めてまいります。そして、世界中の先進技術企業、研究機関にアイデアや共同開発の提案を募り、進められるこの提携が新たなビジネスの創出を促進し、スマートCL市場の活性化ができることを強く期待しています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/38735/127/38735-127-d3899cc69536f90f98e2700351c1b286-1910x1357.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 スマートCLの基盤となる共通アーキテクチャ a: 試作品例写真 b: 部品構成 c:中央部のLEDを点灯させた例
■ 早稲田大学大学院情報生産システム研究科 教授 三宅 丈雄氏のコメント
スマートコンタクトレンズは、拡張現実ディスプレイ、ヘルスケア、薬剤治療、視力自動補正、生体認証など新たな市場を創発する可能性を秘めているが、医療機器であるために開発コストが高くなってしまいます。そのため、多くのスタートアップ企業が開発を中止してしまっています。このプレス発表のように、電子素子を共通化し、またレンズは既に医療承認されたモノを活用できれば、プロトタイプを試作するコストを大幅に削減することができ、スマートコンタクトレンズ市場を勢いづける魅力的な取り組みだと感じました。
■ 株式会社シード 代表取締役社長 浦壁 昌広のコメント
新しいプラットフォームの公開に大変に期待しています。本プラットフォームは、スマートCLの開発を加速し、お客さまとパートナーに前例のない価値創造への参加機会の創出をもたらすように設定されています。この画期的な取り組みは、新しい市場の成長を促進するだけでなく、すべてのステークホルダーに優れたバリューチェーンを提供します。この変革の潮流にぜひご参加いただき、今後のスマートウェアラブル機器の発展を共にしていただきたく存じます。
【共通アーキテクチャの概要】
プラットフォームのアーキテクチャは、1.04mm角のLSIチップ(RAMXEED社による設計委託)を中核部品として採用しています。このLSIは、RFID技術*2を使用したレンズと非接触の周辺機器とレンズ間の通信、センサなどの複数部品を制御することが可能です。センサを搭載する際に、16ビットADC(アナログ-デジタルコンバータ)チップを搭載することも標準としています。 またLSIのprimary/standby*3構成によるCPUを内蔵することも可能です。
また、共通アーキテクチャには、10~20μm幅Au配線、各種チップを実装するためのアイランド領域、ボンディング*4パッド*5を備えたフレキシブル基板(図2:センチュリーアークス社製)が内蔵されています。あらゆるチップやデバイスの電極を実装エリアに自由に接合できるため、プラットフォーム参加者のご要望に応じてさまざまな機能を実現できます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/38735/127/38735-127-a56d3b5a724fc04b3d5a5ea2f6147aee-3900x2156.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
表1 プラットフォームのエレクトロニクス関連仕様
【以下用語解説】
*1 LSI(大規模集積回路): 半導体チップに多数の素子や配線を集積した電子回路。
*2 RFID技術: Radio Frequency Identificationの略で、リーダーから電波(電磁波)によってRFIDタグのアンテナに電力を伝送するとともに、タグ内の情報がリーダーに送信される、非接触のモノや人の間の情報通信技術。
*3 primary/standby方式: 複数のデバイスが協調動作する際、primary機が命令を出し、standby機が命令に従い動作する主従関係の動作方式。
*4 ボンディング: 電気的接合の意。フレキシブル基板上に用意されている金のボンディングパッドに金属間結合を形成してチップの電極と結合する。
*5 アイランド領域とボンディングパッド: フレキシブル基板上のデバイスチップを実装するエリア。前者はフレキシブル基板上に完全にマウントする領域で、後者はデバイスチップに依らず給電のためにデバイスを電気的接合ができる金属領域のこと。
*6 SPI通信: Serial Peripheral Interfaceの略。コンピュータ内部などで利用されているデバイス間を接続するシリアルバス規格の一つ。
*7 センシング: 「何らかの物理量を計測すること」の意味。スマートCLの場合は、眼圧の計測、涙液含有物質濃度の計測、レンズ内部に実装されたデバイスの状態、出力値の計測などを意味する。
*8 ADCチップ: Analog-to-digital converterの略。電気信号をアナログからデジタルに変換する、センシングデバイスからの情報通信に必須のデバイス。
注1:当社の完全子会社である、Sensimed S.A.(スイス)、 Contact Lens Precision Laboratories Ltd. およびUltraVision International Ltd. (共にイギリス)と株式会社シードの4社を統合的に表象して「シードグループ」と本文中ではしております。
注2:RAMXEED株式会社 (本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:曲渕 景昌)
注3:株式会社センチュリーアークス(本社:東京都港区、代表取締役社長:齋藤 武志)
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/38735/127/38735-127-3033ff749d063c93841390a46625a722-1340x737.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]株式会社シード 会社概要
代表:代表取締役社長 浦壁 昌広
本社:〒113-8402 東京都文京区本郷2-40-2
電話:03-3813-1111(大代表)
設立:1957年10月9日
資本金:35 億 3,231 万円(東京証券取引所プライム市場:証券コード7743)
事業内容:(1)コンタクトレンズ事業 (2)コンタクトレンズケア事業(3)その他事業(医薬品・眼科医療機器等)
ホームページ:https://www.seed.co.jp
シード企業 X (公式):https://x.com/SEED_koho
シード広報 TikTok(公式):https://www.tiktok.com/@seed_koho
シード YouTube(公式): https://www.youtube.com/channel/UCOCIN1Lb3yq6T_LiHDB4YVA
シード LinkedIn(公式) : https://www.linkedin.com/company/seedcontactlens
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