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「脂質ゼロの油」「脂質・糖類ゼロのクリーム」を生成する研究を明治大学 総合数理学部 宮下芳明研究室が発表

PR TIMES / 2024年9月2日 12時15分



【本研究のポイント】
・味溶液混合し任意の味を表現する味覚メディアに食感制御を拡張
・「Virtual Oil Generator」は脂質ゼロの油を生成
・「Virtual Cream Generator」は脂質・糖類ゼロのクリームを生成



明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 宮下芳明研究室は、脂質ゼロの油、および、脂質・糖類ゼロのクリームを生成する「Virtual Oil Generator」「Virtual Cream Generator」を発表します。本研究成果は、2024年9月2日(月)~9月4日(水)に北海道情報大学(北海道江別市)で開催される学会 Entertainment Computing 2024 でデモンストレーションが行われます。

● Virtual Oil Generator: 多様な油を脂質ゼロで生成する装置実現に向けて
小平 乙寧, 宮下 芳明
● Virtual Cream Generator :多様なクリームを脂質・糖類ゼロで生成する装置に向けて
宮下 芳明, 千田 知佳, 奥野 達也

宮下研究室はこれまで、複数の味溶液を混合し様々な味を提示する味覚メディアを開発してきました。口臭を伴わないニンニクや、甲殻アレルギーでも食べられるカニクリームコロッケなど、これまでの食品の常識を覆す成果を実現してきました。2023年は、20タンクを0.02ml単位で混合し、10の60乗(1那由他)通りの味の組み合わせが出力できる調味装置「TTTV3」を発表し、ワインやカカオにおいて産地や品種による味の違いまで表現し、多くの学会受賞・報道がなされました。2024年はこの味覚メディアを発展させ「食感」も制御することによって、従来では難しかった、油やクリームの表現を可能にしました。

Virtual Oil Generator
「Virtual Oil Generator」の研究は、明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科3年の小平 乙寧さんと宮下教授によるものです。口に残る食感や粘性、脂質感をイヌリン(水溶性食物繊維)で調整し、滑らかさを低強度寒天で調整することによって、脂質を全く使用せずに油の食感を口内でもたらしています。この溶液をTTTV3に搭載することで、5種類のブランドのオリーブオイルを表現して出力できます。



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/119558/140/119558-140-cfc3f3185fa39f1ee40e275ebc31f8cf-446x611.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 「Virtual Oil Generator」の装置(TTTV3に味溶液の他にイヌリン水溶液、低強度寒天溶液を入れることで油の食感を制御)



サラダやパスタ、ささみ肉にかけることで、パサパサ感が軽減され、見た目も光沢感が付与されます。また、油の摂り過ぎやその健康被害を気にすることなく好きなだけ油を味わえるようになります。


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/119558/140/119558-140-4356e54a2898e4b16b9aaeb134829983-602x401.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 「Virtual Oil Generator」で生成したオリーブオイルをかけている例。色、粘性、光沢感も油に近い。




Virtual Cream Generator
「Virtual Cream Generator」の研究は、明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科の宮下教授と、同学科3年の千田 知佳さん、奥野 達也さんによるものです。ゲル化や気泡をゼラチンで調整し、粘性をサイリウムで調整することによって、クリームの食感を口内にもたらしています。特定のメーカーのカスタードクリームに食感や口どけの良さを合わせることができます。レオメーターで動的粘弾性測定を行った結果、流動点が近く、特に口どけが類似していることを裏付けています。生成装置には、溶液混合だけでなく「粉末混合」の機能を初搭載し、ミキサーによって撹拌する機構も備えています。

[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/119558/140/119558-140-8adf48a761665e0d43783d7931b43a7b-602x401.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 「Virtual Cream Generator」の装置。粉末混合機能、および撹拌機構も搭載している。



さらに、甘味の調整には糖類ではない甘味料を用いることで、脂質も糖類もゼロのカスタードクリームやホイップクリームが生成されます。卵も牛乳も不要であるため、アレルギーのある方でも安心して食べることができます。また、油や糖の摂り過ぎやその健康被害を気にすることなく、好きなだけクリームを味わうことができます。

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/119558/140/119558-140-bd03f0a67f03466e98b67aa93d3697b4-602x347.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図4 「Virtual Cream Generator」で生成したホイップクリーム、カスタードクリームで作ったシュークリーム(右)と本物(左)。見た目は完全には一致しないが、口どけを含む食感はかなり類似している。




研究紹介動画
- 「Virtual Oil Generator」

Virtual Oil Generator: 多様な油を脂質ゼロで生成する装置実現に向けて
小平 乙寧, 宮下 芳明
https://youtu.be/u5WXksPzF1w?feature=shared
- 「Virtual Cream Generator」

Virtual Cream Generator :多様なクリームを脂質・糖類ゼロで生成する装置に向けて
宮下 芳明, 千田 知佳, 奥野 達也
https://youtu.be/vhkXbqqttj4?feature=shared

この記事に関連するページ
- 宮下芳明研究室ホームページ

https://www.miyashita.com/
- 明治大学 総合数理学部 宮下芳明教授らがイグ・ノーベル賞(栄養学)を受賞(2023年09月15日)

https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2023/ignobelprize.html
- AIに味を推定させ、産地の違いも再現する調味装置「TTTV3」を明治大学 総合数理学部 宮下芳明研究室が発表(2023年08月31日)

https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2023/mkmht000000j96ss.html
- 飲食物の味と見た目を変える装置「TTTV2」を明治大学総合数理学部 宮下芳明教授が開発 甲殻アレルギーでも安全に体験できるカニクリームコロッケ味を再現(2022年7月8日)

https://www.meiji.ac.jp/koho/press/mkmht0000001905p.html

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