EVバッテリー向け「ラスタン(R)」新グレードの販売開始について
PR TIMES / 2024年9月19日 14時15分
~耐炎性・耐ブラスト性によりEVの安全性能向上に貢献~
旭化成アドバンス株式会社(本社:東京都港区、社長:八神 正典、以下「当社」)は、電気自動車(EV)向けに開発した耐炎性・耐ブラスト性*1を備えた耐炎化繊維素材「ラスタン(R) TSシリーズ(以下、「本製品」)」について2024年10月1日より販売開始することをお知らせします。
本製品は、特殊アクリル繊維を原料とした通常グレードのラスタン(R)に特殊な難燃剤を添加することで、高い限界酸素指数*2(以下、「LOI値」)や優れた加工性などの従来品の強みを保持しながら、耐炎性や耐ブラスト性を向上させています。これにより、EVバッテリーが熱暴走*3した際に温度上昇や延焼を抑制し、EVの安全性能向上に貢献します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/79452/147/79452-147-8f5eaf06b2b7e5c68481e38932ecc56d-2447x1634.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ラスタン(R) TSシリーズ
EVの普及が進む中、熱暴走は安全上の重大な懸念事項の一つとして注目されています。EVバッテリーの熱暴走対策素材の市場規模は2024年以降も年平均約15%の成長*4が予測されており、今後は需要がさらに拡大する見込みです。その中で、熱暴走が発生した場合の対策として、EVバッテリーのカバー用途において優れた耐炎性や耐ブラスト性、絶縁性を持つ素材の需要が高まっています。現在、EVバッテリーの熱暴走対策として、主に鉱物系の素材が使用されています。しかし、これらの素材は重く、割れやすいため作業者に負担がかかり、さらにその硬さから設置形状への柔軟な対応が難しいなど、加工性が自動車OEMにおける課題となっています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/79452/147/79452-147-5da7fe8eafccf35bdf27361631d67003-2565x2631.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
EVバッテリーのトップカバー向けシート材 イメージ
当社のラスタン(R)は特殊アクリル繊維を200~300℃の空気中で焼成した耐炎化繊維で、非鉱物系の素材として注目されており、耐炎性・耐ブラスト性・絶縁性に加えて、耐熱性・加工性も非常に高い特性を持っています。その特性をいかし、防災安全関連、及び産業資材分野の最適素材として長年にわたり使用されております。本製品は特にEVバッテリーのトップカバー向けに開発を行い、鉱物系素材の代替品として、複数の自動車OEMによって既に採用の検討が進められています。
ラスタン(R) TSシリーズについて
本製品は、1300℃の炎に対しても、反対側の温度を400℃以下に保つ断炎性を持ちます。さらに、一般的にLOI値が27以上であれば難燃性を有しているとされる中で、本製品はLOI値が50以上と非常に高い難燃性を有しています。このように極めて高い難燃性を持つ本製品は、材料の燃えにくさの度合いを表す指標である難燃性UL94規格*5では最高レベルの5VA*6を取得しています。また、この素材は、1分間1300℃の炎にさらされ、200μ~500μの粒子の高圧衝撃を受けても穴が開かない高い耐炎性と耐ブラスト性を備えています。さらに、この素材は1mmの厚さで最大3.5kVの絶縁性能を持ち、電気的安全性も確保されています。*7
また、ラスタン(R)は最薄0.8mmの薄さで高性能を維持しながら、柔軟性にも優れており、はさみで簡単に切断できるため鉱物系の素材に対して加工面で優位性を持ち、製造工程の簡素化にも寄与します。さらに、本製品は日本での一貫生産を確立しており、今後は米国などでの現地生産も視野に入れています。これにより、素材供給のサプライチェーンの透明化を一層推進し、グローバルな市場においても信頼性の高い供給体制を構築してまいります。
展示会について
新製品の発売開始に合わせ、2024年10月7日~10日に米国において開催される北米バッテリーショー*8にて、旭化成グループのブース内で本製品を展示いたします。
今後の展開について
当社は、繊維事業において培った有機繊維布帛(ふはく)*9の製造技術を活かし、顧客の多様なニーズに対応する製品を提供してまいりました。今後は、欧米での販売体制を強化するとともに、バッテリーセルの間に使用する素材などの他用途向けのグレード開発も計画しており、EVの安全性能向上に貢献していくとともに、今後もさらなる品質向上やグローバルな体制の実現を進めてまいります。
*1 耐ブラスト性:材料や構造物が爆発や衝撃に対して耐える性能を指します。これにより、建物や車両の爆発の影響を最小限に抑え、破壊や損傷を防ぐことができます。
*2 限界酸素指数:LOI値(Limiting Oxygen Index)は、材料の燃焼性を評価するための指標です。具体的には、材料が燃焼するために必要な酸素の最小濃度を示します。
*3 熱暴走:EVバッテリーの温度が制御不能に上昇し、火災や爆発の原因となる現象です。
*4 参考文献:「Fire Protection Materials for Electric Vehicle Batteries 2024-2034」, IDTechEX
*5 UL94規格:プラスチック材料の燃焼特性を評価するための試験方法で、材料の難燃性を評価します。この規格により、材料の燃焼速度、燃焼時間、および滴下特性が測定されます。
*6 5VA:UL94規格の一部で、最高難燃性を示す等級です。この等級は、試験片が5回の点火後に全ての炎が10秒以内に消え、かつ、燃え尽きた後に試験片に穴が開かないことを意味します。5VA材料は非常に高い耐火性を有します。
*7 各数値は自社調べ。
*8 The Battery Show North America 2024 (10/7-10, 2024, Detroit, Michigan, USA)
*9 布帛(ふはく):織物や繊維製品の一種で、特に織り上げられた布地を指します。縦糸と横糸を交差させて織り上げて作られます。
■本製品の詳しい情報はこちら
https://asahi-kasei-mobility.com/products/lastan/
■本製品に関するお問い合わせはこちら
https://asahi-kasei-mobility.com/contact/
■北米バッテリーショーの詳しい情報はこちら
https://tbsm24.mapyourshow.com/8_0/exhibitor/exhibitor-details.cfm?exhid=500
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