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南スーダン:茂みに隠れた人びとを追い詰めるユニティー州レールの情勢不安

PR TIMES / 2014年2月13日 15時23分



不安定な情勢が続く南スーダン。ユニティー州では、レールをはじめとする南部地域の治安悪化が茂みに身を隠した大勢の人に深刻な影響を及ぼしている。

約2週間前、国境なき医師団(MSF)の現地スタッフ240人が治安の悪化を受けて、レールの病院から退避し、重傷患者数十人および多数の地元住民とともに茂みに逃れた。治安はそれからも悪化の一途をたどり、日常的に人命が脅威にさらされている。現地スタッフは今も患者のケアに全力を注いでいるが、薬が尽き始めている。物資不足のため、治療継続中の外科患者15人の包帯交換もできない状況だ。

<茂みの中で治療続ける>

現在、レール郊外の茂みに隠れているMSFスタッフによると、レールから逃げて来た大勢の人びとが、食糧と水もなく、皆空腹で汚れた川の水を飲んでいるという。また、日中は身を潜めることしかできず、移動するのは夜間に限られている。

南スーダンにおけるMSF活動責任者のラファエル・ゴルジュは、「現地の状況は混とんとして、敵意がまん延しています。民間人の避難先もなかなか把握できません。連絡のとれたスタッフの話からは、大勢の避難民とともに、病気、脱水症状、栄養失調、襲撃のリスクにさらされた状況に置かれ、大変な窮状にあることがうかがえます」と話している。MSFでは現在、3分の2のスタッフの消息がつかめていない。

<一刻も早い治安の回復を>

スタッフからの報告によると、人びとは治安の悪化を受け、ブッシュのさらに奥深くに追いやられている。MSFは、襲撃の危険を減らすため、少人数のグループに分かれ、薬も分け合っている。特に命の危ない患者だけは治療できるよう確保している薬だ。あるMSFチームは1日平均45人以上の重病患者を治療。最もよく見られる病気は、過酷な生活環境や住居・蚊帳の不足に直接関連する水様性下痢、呼吸器感染症、マラリアで、性暴力に起因する症例数も深刻だという。

ゴルジュは「現地スタッフの危うい身の上と、彼らがユニティー州南部で最善を尽くし提供中のわずかな医療においてさえ物資が尽きかけているという報告に胸が痛みます。地域の民間人と接触し、スタッフに薬を補給する必要がありますが、戦闘の続く現状では、それもあまりにも危険なのです。スタッフと人びとが持ちこたえられるか否かも、もう見通しがききません」と現状を嘆いている。

MSFのレールにおける活動は25年におよび、小児・成人向けの外来・入院診療、外科・産科医療、HIV/エイズ・結核治療、集中治療を提供してきた。最後までとどまっていたMSFスタッフも1月30日に待避し、以後のレール病院の状況は把握できていない。27万人を対象とする同病院は、ユニティー州南部で完全に機能を維持していた唯一の2次医療施設だった。MSFは一定の治安が回復され次第、レールとユニティー州南部での医療提供を全面的に再開する構え。

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