インド:子どもの栄養失調治療が一歩前進

PR TIMES / 2014年3月4日 13時30分



インド・ビハール州の資金管理団体「ステイト・ヘルス・ソサエティ」は3月1日、深刻な合併症を伴う重度急性栄養失調の子どものための栄養失調集中治療室(MICU)を、州内のダルバンガ医大病院に開設した。運営は国境なき医師団(MSF)と同医大の保健省スタッフとが共同で担っていく。

MICUの目的は、ダルバンガ地区の合併症を伴う最重度栄養失調児の治療拡大だ。MSFの活動責任者ジェフロワ・デュケは、「MICUの開設によって、ビハール州が合併症を伴う栄養失調治療に向けて一歩前進するとともに、重度の急性栄養失調は公的保健医療システムの中で特別な注意と管理が求められる病気だということが示されました」と語る。

<インド最貧州の1つ、重度の急性栄養失調児は2万7000人以上>

重度栄養失調の子どもの治療は下位行政区の地域レベルでも可能だが、合併症を伴う症例には入院治療が必要だ。MICUは、そうした合併症を伴う子どもの重度急性栄養失調治療施設となる。MICUは、同種の施設としてはインド国内初であり、重病で命の危険の高い子どもを対象に専門的な入院治療と栄養ケアを行う。

MSFはダルバンガ医大病院との密接な協力関係のもと、2015年まで医療スタッフを育成し、同施設の機能拡大と業務の持続性の徹底を図る予定。

ダルバンガ医大学長のS.N.シンハ医師は、「当院が、栄養失調児に3次医療を行う国内最初の施設となることを光栄に思います。皆でMICUの維持に努めるとともに、この施設によって、ビハール州における栄養失調対策の規範が確立されることを期待しています。そしてそれがダルバンガ地区から栄養失調をなくす一助になると確信しています」と述べている。

MICUの開設で栄養失調対策に向けて一歩前進したビハール州だが、2005~2006年に行われた第3次インド全国家族健康調査(NFHS-3)の推計によると、5歳未満児の8.6%が重度の栄養失調に罹患している。より控えめな3.5%の推計をみても、ダルバンガ地区だけで2万7000人以上の子どもが重度の急性栄養失調に罹患していることになる。

MSFは1990年からインドで活動を続けてきた。ビハールのステイト・ヘルス・ソサエティとは、栄養失調対策のほかに、同州の顧みられない風土病であるカラアザール(内臓リーシュマニア症)治療にも従事。同国ではさらに、アンドラプラデシュ州、チャッティースガル州、ジャンムー・カシミール州、マハラシュトラ州、マニプール州、ナガランド州でもプログラムを展開している。

【参考資料】

MSFは40年余りの活動の歴史を通じて、世界各地で栄養失調対策に取り組んできた。インドでは、季節的な栄養失調に見舞われる子どもの多いビハール州で重度の急性栄養失調児を治療。急性栄養失調に重点を置いた理由は、それが最も危険な形態の栄養失調であり、同州では難しい“迅速な治療”が必要だからだ。

重度の栄養失調患者は、特に子どもの場合、筋肉量が減少する。やせて、やつれたように見えるのはそのためだ。重度急性栄養失調となると、免疫系が衰え、感染症への抵抗力が低下。それが原因で、子どもが重度の栄養失調になると、呼吸器感染症や下痢といった一般的な小児疾患で命を落とすリスクが大幅に高まる。

ビハール州ダルバンガ地区ビラウル郡においてMSFは、1次医療のレベルで重度栄養失調児の大半を治療できるよう、「コミュニティを基盤とした急性栄養失調の管理(CMAM)」の呼称で広く知られる地域基盤型のアプローチを採用。これまでに約1万3000人の重度急性栄養失調の子どもが治療を受けている。このアプローチは、患者とその家族にケアと治療を身近なものにし、受益者を増やし、治療プログラムからの離脱リスクを低減するものだ。

MSFはインド政府、医療業界、市民団体と協力し、重度の急性栄養失調治療に取り組んでいる。その第1歩は、インドの重度急性栄養失調児には医療が不可欠だと認識することから始まる。

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