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南スーダン:暴力にさらされる医療施設――MSFが報告書で訴え

PR TIMES / 2014年7月2日 14時15分



武力紛争が続く南スーダンでは、病院の襲撃や医療施設の破壊によって弱い立場にある人びとが医療を受けられなくなっている。国境なき医師団(MSF)は、報告書『南スーダンの紛争:医療への暴力』を発表し、その深刻な状況を国際社会に訴えている。

報告書によると、昨年12月に武力紛争が起きて以来、MSFの活動地や現地での調査を通じて得た情報だけでも、少なくとも58人が病院の敷地内で殺害され、病院への略奪と放火が少なくとも6回起きている。

報告書(英語):http://www.msf.or.jp/library/pressreport/

<病院のベッドの上の患者を銃撃>

「この紛争では暴力が恐ろしいレベルに達した時が何度かあり、医療施設も標的となりました。病院のベッドの上で患者が撃たれ、施設は放火され、破壊されたのです。こうして医療活動は停止し、数万の人びとは医療へのアクセスを失ったのです」。MSFの活動責任者、ラファエル・ゴルジュは語る。

国内のボル、マラカル、ベンティウ、ナーシル、レールといった町では、激戦の際に病院が略奪にあってきた。例えば、ユニティー州南部レールにあるMSFの病院は、町の大部分と共に1月下旬と2月初旬に破壊された。ここは約27万人が住む地域で唯一、外科、HIVや結核治療などを始めとした2次医療を提供していた施設だった。全棟が灰となり、手術器具、貯蔵していたワクチン、輸血業務と検査室業務も失われた。5月、人びとがレールに戻り始めたことを受け、MSFは活動の一部を再開、最初の3週間で1600人以上の栄養失調児を治療した。しかし、以前行っていた定期予防接種や緊急手術といった医療行為は提供できないでいる。

「この危機によって多くの患者さんの消息を失いました。継続治療が受けられなかったために亡くなった人もいるでしょう」とMSFの医療コーディネーターを務めるムハメド・ショアイブ医師は言う。「現在、元の場所で活動を再開しましたが、以前に比べたら提供できる医療はほんのわずかです。例えばユニティー州南部で外科手術ができるところは全くないのですから」

<医療活動の尊重を訴える>

国内の公営病院は最も激しい暴力が起きてきた場所だ。ボル州立病院では、患者14人と保健省職員1人が12月の暴力の最中に撃たれて死亡した。マラカル医学校附属病院では2月、病床で撃たれた患者11人を含む14人が殺害された。ベンティウ州立病院では、少なくとも28人が4月に殺害され、うち少なくとも1人は保健省職員だった。

こうした事態は、人道援助を最も必要な時に提供するという団体としての役割を果たせなくするものとして、MSFは繰り返しこれらの事件を非難してきた。MSFはこの紛争の全当事者に対し、すべての南スーダンの人びとが暴力を恐れずに医療を受けられる機会を保証するよう、呼びかける。

本報告書はこの危機が医療提供にもたらす影響についてより多くの人に伝え、対話を促し、南スーダンの人びとが安全に医療を受けるために必要な変化を促すことを意図したもので、MSFが2013年11月に南スーダンで立ち上げた“攻撃を受ける医療(Medical Care Under Fire)”プロジェクトの一環。この試みは、医療従事者が紛争地で直面している暴力の本質について理解を深めることで、患者・スタッフ・医療施設の安全面を改善しようとする世界的なプロジェクトの一部となっている。南スーダンでMSFは、地域社会、医療人道援助団体、地方行政と中央政府、国際機関と連携して、医療提供のための安全な環境を作り出そうと尽力している。

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