FTA活用による関税削減可能額 2019年に約1.1兆円
PR TIMES / 2019年8月19日 17時40分
日本からTPP11や日EU EPAを始めとするFTA・EPAの締結国へ輸出する場合に削減可能な関税額を試算。その結果、2019年に最大約1.1兆円、2025年には最大約1.9兆円に
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(東京都千代田区、代表執行役社長 佐瀬真人)は、当社が提供する「Trade Compass(R)」※を用いて、日本が締結し発効しているFTA(自由貿易協定)およびEPA(経済連携協定)により日本からFTA・EPA締結国へ輸出する場合に削減可能な関税額を試算しました。
試算の結果、MFN税率(WTO(世界貿易機関)加盟国に課される税率)とFTA特恵税率の差分により得られる、関税削減可能額は2019年に最大で年間約1.1兆円、関税削減・撤廃がさらに拡大する2025年には年間最大1.9兆円となることが分かりました。
今回の試算はTPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、日EU EPAなど日本が締結する17のFTA・EPAを対象に、ASEAN10か国、オーストラリア、カナダ、チリ、EU28か国、インド、メキシコ、モンゴル、ニュージーランド、ペルー、スイスの計47か国に対して輸出する貿易品に掛かる関税について行っています。
試算結果の詳細は以下URLのレポートをご覧ください。
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/strategy/articles/cbs/trade-compass04.html
[画像: https://prtimes.jp/i/202/233/resize/d202-233-195796-0.png ]
対象国別の削減額では、日EU EPAを締結する、EU向け輸出が2019年に最大で約1708億円、ついでメキシコ向けが1557億円、マレーシア向けが1456億円となります。
なお、今回行った関税削減可能額の試算は、FTA・EPAを活用することにより得られる最大の削減額であり、企業によるFTA・EPA実際の活用状況によって、関税削減実績とは開きが生じます。
本試算結果の詳細、ならびにFTA・EPA活用における課題について本日公表しているレポートにて解説しております。あわせて是非ご確認ください。
【本試算の計算方法について】
FTAの締結国ごとに品目別(輸出先国側のHSコードのフルコード)のMFN税率とFTA特恵税率の差分を算出し、試算の元となるHSコード6桁ベースの分類内におけるFTA効果の最大値と最小値を導出。それぞれに2016年時点の日本からの輸出額実績(HSコード6桁ベース)を基にした直近輸出想定額(GDP成長率(予測・対2016年比)を乗算)を乗算しFTA活用による関税削減可能額を試算
*貿易額の出所:UN Comtrade、GDP成長予測の出所:The Economist Intelligence Unit(EIU)
FTA特恵税率に従価税以外の条件(従量税等)が含まれる品目(その構成比は日本のFTA締結国のタリフラインベースで国別平均4.5%と限定的)については上記の計算式を適用せず、当該品目群の関税削減効果はその他の従価税の品目群と同等として比例加算。ただし、スイスについてはMFN税率が全て従量税のため、その他の国と同等の関税削減効果があると想定し、FTA締結国全体への輸出額とスイスへの輸出額に応じて効果を試算。同様にモンゴル、カンボジア、ラオス、ミャンマーにおいてもFTA締結国全体の輸出額と各国への輸出額に応じて効果を試算
米国は2016年時点で発表のMFN税率にて作成。ブルネイ、マレーシアは2017年時点で発表のMFN税率にて作成。その他の国は2018年発表のMFN税率にて作成
MFN税率及びFTA特恵税率に関して米国、メキシコはHS2012、その他の国はHS2017を使用
GDPの成長予測のうちEUは、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、英国の値から構成
「Trade Compass(R)」について
デロイト トーマツ コンサルティングが提供する通商課題解決支援サービス「Trade Compass(R)」はクラウドベースの統合データベースです。
多種多様なFTA・EPAに関わる情報をもとにFTAの使い漏れを発見し、関税コスト削減による早期の利益創出、最適なサプライチェーン構築、コンプライアンス強化を支援しています。主な機能としてFTA・EPAの情報を一括マトリックスで表示する機能、関税データの詳細を確認する機能、将来の削減ポテンシャルを分析する機能、最適な調達国を洗い出す機能、実貿易データと関税率の変化を結び付け表示する機能、そして原産性を判定する機能を有しております。
Trade Compass(R)は英語・日本語の二か国語対応。また、クラウド上での稼働のため、ユーザーはネット規制が無い全ての国々からアクセスすることが可能です。
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