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交通量推定用振動センサシステムに関する英語論文誌掲載のお知らせ~奈良先端科学技術大学院大学との産学共同研究の成果~

PR TIMES / 2021年2月5日 16時15分

当社グループは、長年培ってきた音に関する技術とAI(人工知能)を融合させた技術の開発を積極的に行っております。オンキヨーホームエンターテイメント株式会社の子会社であるオンキヨー株式会社は、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市、学長:横矢 直和、以下「奈良先端大」といいます。)との間で産学連携した共同研究に関する協定の締結を行い、AIを活用した新事業の創出に向けて技術開発に取り組んでおりますが、この度、奈良先端大ユビキタスコンピューティングシステム研究室との共同研究にて行った、交通量推定用振動センサシステムの研究成果について、センサー技術分野の英語学術論文誌である、”Sensors and Materials” ※1に掲載されましたのでお知らせいたします。



1. 背景
道路交通調査は、整備計画の立案やスムーズな道路活用によるCO2の削減を目的として、道路における交通量の実態調査と課題把握のために行われています。日本においては5年に1度、大規模な国土交通省による全国道路・街路交通情勢調査が行われていますが、人手によらない機械計測による調査については、高速道路においてETC2.0プローブ等を活かした機械計測が活発に行われている一方で、一般道路においては機械計測が普及していません。「平成 27 年度全国道路・街路交通情勢調査一般交通量調査結果の概要」(国土交通省)によると最新の平成27年の調査でも50%以上は人手による交通量の調査が行われており、機械化をいかにして早急に行うかが議論されています。この要因としては、現状のトラフィックカウンタが高価であること、装置の規模が大きいため設置と調整に時間と手間がかかること、またカメラを使用する場合はプライバシー対策が必要であることや、夜間で照明の少ない道路における車両検知が困難である等といった課題がありました。
そこで当社は、音に関する技術を活用し、プライバシーへの侵害が少ない振動センサシステムを奈良先端大と開発し、車両通過時の道路の振動を採取、機械学習で分析し判定する技術研究を行ってまいりました。本論文はこのセンサシステムの実用化に向けた構造検討と振動音採取に関する研究の詳細や原理、ML-based LDAをもちいた車両分析の検討について述べています。

[画像: https://prtimes.jp/i/27644/313/resize/d27644-313-186577-0.jpg ]

図出典: Sensors and Materials, Vol. 33, No. 1 (2021) 1–16
https://doi.org/10.18494/SAM.2021.2999 Published on January 15, 2021

2. 奈良先端大ユビキタスコンピューティングシステム研究室との共同研究について
奈良先端大ユビキタスコンピューティングシステム研究室は、センサ・デバイス・ネットワークが連携し、センサから取り込まれる実世界データを処理・集約・解析することで、高度なサービスを効率良くユーザに提供するシステム―ユビキタスコンピューティングシステム―の実現に向けた研究に取り組んでいます。※2当社と奈良先端大ユビキタスコンピューティングシステム研究室は、モノを伝わる振動(音)データを機械学習によって分析をすることで、様々な分野での各種分析、判断へ応用することを目的に共同研究を行っております。
当社が培ってきたオーディオ技術を用いて、微弱な振動(音)に含まれる特徴的な信号を忠実に増幅することによって得られたデータを使用して、機械学習・分析を行う奈良先端大ユビキタスコンピューティングシステム研究室と連携することにより、今後もこれまでにない幅広いニーズに対応するための研究を進めていく予定です。

3. 論文概要※3

論文名:
Traffic Census Sensor Using Vibration Caused by Passing Vehicles
概要:
Traffic census data are essential for investigating traffic volumes and vehicle movements, and
count mechanization is currently the most efficient way to obtain and utilize advanced traffic
census data. However, efforts to mechanize traffic censuses have not progressed significantly
in Japan owing to the price of such systems, the size of the necessary equipment, and privacy
issues. In this paper, we propose a novel vehicle-counting sensor system that is inexpensive
and easy to set up. Our system is based on a piezoelectric vibration sensor that senses road
vibrations from passing vehicles. More specifically, the system consists of (i) a vibration sensor
device that we designed and prototyped in-house and (ii) a passing vehicle estimation method
that determines the number of passing vehicles from the vibration sensor data. Our system,
which achieves high accuracy owing to the use of machine learning (ML), makes it possible to
conduct traffic censuses by simply placing the sensor on sidewalks next to the road that is being
surveyed. To demonstrate the utility of our system, we conducted an experiment in which the
vibration sensor was placed on a sidewalk, and then linear discriminant analysis (LDA) was
used to estimate the number of vehicles that were traveling on the adjacent road using only the
data collected from the vibration sensor. Our results showed that the number of passing vehicles could be estimated with an accuracy of 98.3%.
投稿論文※3より引用

※1 Sensors and Materialsについて
Sensors and Materialsは、センサ技術や、関連材料、センサを応用したシステムについて、学術的な内容を掲載する査読付きの英語学術論文誌です。1988年より実験や理論分野の独創的な研究を紹介しており、インパクトファクターのある論文誌です。
(インパクトファクターとは自然科学分野等で学術雑誌の影響度を数値化するために用いられる指標です。)

※2 奈良先端大ユビキタスコンピューティングシステム研究室HP「研究室の概要」より

※3 出典:Sensors and Materials, Vol. 33, No. 1 (2021) 1–16
https://doi.org/10.18494/SAM.2021.2999 Published on January 15, 2021

【関連リンク】
◆11 月より「Onkyo AI」 を活用したコールセンター業務開始のお知らせ~奈良先端科学技術大学院大学との産学共同研究を実施~(2019年11月5日付): https://www.jp.onkyo.com/news/information/topics/20191105_PR_Onkyo_AI_callcenter.pdf
◆オンキヨー、振動(音)を利用した人の行動認識技術の開発と論文発表のお知らせ~奈良先端科学技術大学院大学との産学共同研究を実施~ (2019年11月15日付):
https://onkyo.com/news/information/topics/20191115_NAIST.pdf
◆路側設置振動センサによる交通量推定システムの開発と論文発表のお知らせ
~奈良先端科学技術大学院大学との産学共同研究を実施~ (2020年11月17日付):
https://onkyo.com/news/images/20201117_PR_NAIST-kyodoukenkyu.pdf

以上

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