業界最薄(※1) の10μmを実現した「PGSグラファイトシート(10μm品)」を製品化
PR TIMES / 2012年9月11日 10時10分
パナソニック株式会社デバイス社は、スマートフォンなど高機能携帯端末の熱対策に最適な、業界最薄(※1)の10μm[1]と業界最高(※1)の熱伝導率[2] 1950W/mK[3]を実現した熱伝導シート「PGSグラファイトシート[4](10μm品)」を製品化しました。
(※1)2012年9月10日現在 熱伝導シートとして(当社調べ)
▼技術商品紹介/PGSグラファイトシート
~時代が求める最先端素材。高熱伝導素材が未来を拓く~
http://panasonic.net/id/jp/r-and-d/approach/sp01/
スマートフォンなどの高機能携帯端末は、より小型、薄型、軽量化が進み、また電池の大容量化に伴い、半導体や電池などからの発熱をいかにして逃がすかが大きな課題になっています。このような中、搭載される熱対策部品には、さらなる小形、薄形、軽量化が要求されています。当社では、薄膜、軽量で優れた熱伝導率の「PGSグラファイトシート」を量産し、市場から高い評価をいただいておりますが、この技術を展開し業界最薄(※1)の10μmと業界最高(※1)の熱伝導率1950W/mKを実現した「PGSグラファイトシート(10μm品)」を製品化、量産を開始します。あわせて製品ラインアップの拡充を図りました。
■PGSグラファイトシート (10μm品)の特長
1.業界最薄(※1)(10μm)で、各種機器の小型、薄型、軽量化に貢献
厚み:10μm、比重:2.15g/cm3
「PGSグラファイトシート」は、特殊な分子構造の高分子フィルムを高温で熱分解し、単結晶に近い結晶構造を平面方向に高配向させる超高温焼成を行うことにより高い熱伝導率を有し、熱対策、ノイズ対策を行う上で重要な役割を果たします。スマートフォンなど高機能携帯端末の高機能化、小型、薄型化、軽量化などを背景に熱対策部品には、さらなる薄形化、軽量化が要求されています。グラファイトシートを薄くするために、原材料の高分子フィルムを薄くすると、柔軟性が損なわれ、熱対策シートとして使用するのは難しい状況でした。本製品は、特殊な分子構造の高分子フィルムの採用と、独自の熱分解プロセス設計技術を用いた焼成条件を確立する事により、柔軟性を損なうことなく、業界最薄の10μmを実現しました。これにより、スマートフォンなどの高機能携帯端末の小型、薄型、軽量化に貢献します。
2.業界最高(※1)の熱伝導率(1950W/mK)で、各種機器の熱対策に貢献
熱伝導率:1950W/mK(10μm)(アルミの約10倍、銅の約5倍)
特長1で述べた特殊な分子構造の高分子フィルムの採用と、独自の熱分解プロセス設計技術を用いた焼成条件を確立することにより、グラファイトシートの高密度化と、シート内のグラファイト構造の配向性をより高めることに成功しました。この結果、業界最高の熱伝導率1950W/mKを実現しました。さらなる小型、薄型化、軽量化が求められる高機能携帯端末の熱対策やノイズ対策に貢献できます。
3.幅広いバリエーションでお客様の各種ご要望に対応
新たに10、40、50μm品を追加
(当社従来:17、25、70、100μmをラインアップ)
市場からは、熱対策設計の面から、シートの厚みバリエーション拡充の強い要望があります。当社では既に17、25、70、100μm品を量産化していますが、今回、業界最薄の10μm品を製品化、さらには、40、50μm品を追加ラインアップしました。これにより、厚み10、17、25、40、50、70、100μm品のバリエーションの充実を図りました。用途に合わせ、様々な形状や接着性、絶縁性を有した加工処理品など、お客様の各種ご要望にお応えしてまいります。
■生産計画
・量産開始時期:2012年9月
・サンプル価格:1,000円(90×115mm)
・月産:500,000m2 /月
■基本特性
・厚み:10±2(μm)
・熱伝導率:1950(W/mK)(※2)
・引張り強度:XY方向 40(MPa)(※2)
・耐屈曲性試験(MIT試験機を用いた当社試験):3万回以上(※2)
(※2)当社測定方法による測定値であり、保証値ではございません
■用語説明
[1]μm
長さの単位で、1μmは1mの1/100万の長さ(1mmの1/1000の長さ)。
[2]熱伝導率
物質中の熱の伝わりやすさを示す値。数値が大きいほど、熱は伝わりやすくなる。
[3]W/mK
熱伝導率の単位であり、その意味は1m幅の物質の両端面に1度の温度差がある場合に1m2 の面積を通して伝わる熱量となります。
[4]PGS(R)グラファイトシート
熱分解により生成したグラファイトシートのことで、「PGS」はPyrolytic Graphite Sheetの略であり、パナソニックの登録商標です。高度な雰囲気制御、温度制御を行う超高温炉を用い、特殊な分子構造の高分子フィルムを熱処理することによって高配向性のグラファイト構造を得る技術で実現している。熱伝導性、耐熱性、耐薬品性などに優れた性質をもつグラファイト材料である。1998年に100μm、熱伝導率700W/mKのPGSグラファイトシートを熱対策用シートとしてノートPCのバッテリー冷却用に使用されたのを皮切りに、携帯電話、デジタルカメラ、パソコンなどの様々なセットの熱対策用に採用され、現在ではスマートフォン、タブレットPCなど電子機器の高機能化、小型、薄型、軽量化に伴い、熱対策には欠かせない部品となっている。
▼本件に関するお問合せ先
パナソニック株式会社 デバイス社 経営企画グループ 広報・調査チーム
TEL:06-6904-4732
ホームページURL:http://panasonic.net/id/jp/
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