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JLL、「2024年版グローバル不動産透明度インデックス」を発表

PR TIMES / 2024年9月5日 17時45分

日本の透明度は11位、前回に続き透明度「高」を維持、サステナビリティの項目で大きく改善

東京 2024年9月5日 - 総合不動産サービス大手JLL(本社: 米国シカゴ、CEO & プレジデント: クリスチャン・ウルブリック、NYSE: JLL)とラサール インベストメント マネージメント(本社: 米国シカゴ、グローバルCEO: マーク・ガベイ、以下 ラサール)は、「2024年版グローバル不動産透明度インデックス」を発表しました。
https://www.joneslanglasalle.co.jp/ja/trends-and-insights/research/global-real-estate-transparency-index



不動産透明度インデックスは、世界80ヵ国で事業展開するJLLと、グループ会社で不動産投資運用を担うラサールが世界の不動産市場に関する情報を収集し、各市場の透明度を数値化した独自の調査レポートです。第13版となる2024年版は世界89の国と地域の151都市を対象に、256項目を6つのサブインデックスで分析しています。

ハイライト
【グローバル】
透明度「高」市場の国でさらに透明度が改善、英国が透明度1位を維持 - 2024年版では透明度「高」市場でさらに透明度が改善した。過去2年間で世界の商業用不動産直接投資の80% 超となる1.2兆米ドルを超える投資が透明度「高」グループの国々に集まっている。これらの市場は、リスクの低さ、成長不動産セクターにおける需要と価格関係の透明度の高さから、投資市場が活発化する過程でいち早く流動性が回復している。透明度「高」の上位国は前回と変わらず1位 英国(スコア1.24)、2位 フランス(1.26)、3位 米国(1.34)となり、英国は前回に続きトップを維持した。

2022年以降、透明度が最も向上したアジア太平洋地域 - インド(2.44)は世界全体でも透明度が最も改善した市場で、透明度「中高」に入った。同国の透明度の改善を後押ししたのはデジタル・インディア政策で、テクノロジーの活用によりインダストリアルからデータセンターまでコア市場とニッチ市場の両セクターにおいてデータの網羅性と質の向上が見られた。さらに、積極的な金融当局の介入により、新たな気候変動リスク開示ガイドライン、建築規制の簡素化、土地登記のデジタル化など市場の制度化が進み、透明度が改善した。また、シンガポール(1.92)は、サステナビリティやデジタルサービスが改善したことで初めて透明度「高」市場に入り、同地域で「高」市場に入る国は、日本(1.83)とシンガポールの2市場となった。

生成AIの普及が透明度向上に大きく貢献する一方で、懸念されるリスクも - 2022年の調査以降、テクノロジーにおける最も顕著な変化は生成AIの急速な進歩で、膨大な法的文書の検証や要約、物件管理の自動化、インタラクティブな都市・ 建築デザインの推進など、かつてない速度で詳細な評価や分析が可能となった。生成AIの活用は生産性と透明度を高める一方で、AIに関連する規制やコンプライアンスリスクが指摘されている。

高まるサステナビリティ透明度の重要性 - 今回の調査で最も改善したサブインデックスは「サステナビリティ」で、1位 フランス・パリ(1.27)、2位 日本・東京(1.91)、3位 米国・ニューヨーク(2.00)となった。日本・東京は前回の6位から順位を大きく上げた。主要市場では、企業に対する排出量の情報や気候変動リスクなどの開示を規定または厳格化が進んでいることから、今後2年でサステナビリティの透明度はさらに改善すると見込まれる。

新興不動産セクターの透明度の改善と拡大する投資 - 機関投資家が分散投資を進める中、新たな投資アセットクラスへの投資が増加している。インダストリアルやリビング(賃貸住宅)セクターへの投資は、世界の不動産投資の50%を占め、ヘルスケア、冷凍冷蔵倉庫、研究施設などの新興不動産セクターへの投資は2024年版調査の3分の2以上の市場で行われた。一方で、これらのセクターのデータが十分に蓄積されているのは透明度「高」の市場に限定され、透明度「中高」以下の市場ではデータが欠如しているため、改善が求められている。



【日本】
前回に続き透明度「高」を維持 - 日本の透明度は11位(1.83)で透明度「高」を維持し、2020年版の16位、2022年版の12位から着実に透明度の改善が進んでいる。サブインデックスは、「サステナビリティ」で2位(1.91)、「パフォーマンス測定」で7位(1.59)、「規制と法制度」で12位(1.47)、「市場ファンダメンタルズ」、「上場法人のガバナンス」、「取引プロセス」では20位圏外の結果となった。

サステナビリティの分野で大きく改善 - 2022年版の6位から2024年版では2位となり、フランスに次いで高い評価を得た。日本は、建築環境におけるネットゼロカーボンの明確な目標設定、建築物の効率性と排出量のベンチマーク、企業に対するより堅牢な気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD) に準拠した気候リスク報告の義務付けにおいて一貫した進歩を遂げている。

さらなる透明度向上に向けた改善点 - 日本の取組みが評価されている一方で、サステナビリティ以外の項目では日本独自の課題もみられる。具体的には、詳細な不動産取引データの開示、投資戦略報告、株主に向けたオープンなガバナンスと説明責任(上場法人のガバナンス)、冷凍冷蔵倉庫などのニッチ市場に関するデータの充実や品質の向上(市場ファンダメンタルズ)、日本独自の賃貸借契約や共益費の情報開示(取引プロセス)などで今後の改善が求められる。



JLL日本 リサーチ事業部 シニアディレクター 大東 雄人は次のように述べています。

「前回調査からの2年で世界はコロナ禍から脱却し、金融市場は緩和的な状況から金利のある世界へと移行しつつあります。この変化に伴ってこれまで注目されてこなかった借入市場のデータは重要度を増しています。また、オフィスに従業員が戻る過程で、データの鮮度も投資判断に影響を及ぼしています。これまで月次、四半期ベースで把握されてきた市場データはより詳細な市況を反映することが求められ、投資家は『オフィス回帰率』といった、『空室率』以上にリアルタイムな情報に基づいて投資を行っています。
世界的に利回りが低下した反面、資金調達コストが上昇することで、投資家はより広範な機会を模索しており、従来のアセットクラスであるオフィス、住宅、商業、物流、ホテルだけではなく、オルタナティブアセットと呼ばれるシニアハウジング、データセンター、R&D(研究施設)といった新たなセクターにおいても充実したデータを求めています。
2022年版調査で初めて透明度『高』の市場に加わった日本は、今回の調査でも順位を上げ、引き続き世界で最も透明度が高い上位13ヵ国の『高』グループに位置しています。しかし、ランキングトップの市場と比べると改善する余地はまだ残っています。
サステナビリティの分野では、その取組みだけでなく、実際に環境不動産に投資、所有した際のパフォーマンスを客観的に測るベンチマークの設置や、ビルのエネルギーコストを把握するための共益費の開示、オルタナティブアセットクラスのデータ拡充などの課題があります。さらに、テクノロジーの活用では、AIの導入にともないリアルタイムでの的確なデータおよびサービスの提供が求められています。
日本は気候変動やサステナビリティの分野で世界的に高い評価を得ており、グローバルなルールや枠組みの構築を有利に進めるチャンスでもあります。そのためには国内のみならず、海外にもわかりやすいデータ開示や規制の取組みや発信が不可欠と言えるでしょう。」

「JLL グローバル不動産透明度インデックス」
JLLとラサールが有するグローバルネットワークを活用して収集した定量的データとアンケート調査を対象項目ごとに検証し、数値化した調査レポートです。1999年から調査を開始し、2年ごとに発表。不動産投資家やデベロッパー、事業会社、また政府や業界団体にとっても国際的なベンチマークとして重要な指標となっています。
第13版となる2024年版では世界89ヵ国151 都市を対象にしています。調査項目256要素は14のトピックスにグループ化したうえで6つのサブインデックスに分類し、ウエイト付けしています。サブインデックスの内訳は、パフォーマンス測定(25%)、市場ファンダメンタルズ(16.5%)、上場法人のガバナンス(10%)、規制と法制度(23.5%)、取引プロセス(15%)、サステナビリティ(10%)で構成されています。
不動産透明度インデックスのスコアは1から5の範囲で採点され、スコアが満点の「1.00」の国・市場が最も透明度が高く、スコア「5.00」は最も透明度が低い国・市場を示します。
レポートの詳細はこちらをご覧ください。

JLLについて
JLL(ニューヨーク証券取引所:JLL)は、不動産に関わるすべてのサービスをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。オフィス、リテール、インダストリアル、ホテル、レジデンシャルなど様々な不動産の賃貸借、売買、投資、建設、管理などのサービスを提供しています。
フォーチュン500(R)に選出されているJLLは、世界80ヵ国で展開、従業員約110,000名を擁し、2023年の売上高は208億米ドルです。企業目標(Purpose)「Shape the future of real estate for a better world(不動産の未来を拓き、より良い世界へ)」のもと、お客様、従業員、地域社会、そして世界を「明るい未来へ」導くことがJLLの使命です。JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。jll.com

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