「島根県立美術館 写真コレクションの30年」開催のお知らせ
PR TIMES / 2025年1月16日 15時15分
島根県立美術館の写真コレクションの30年を約100点の作品で振り返ります。
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ジュリア・マーガレット・キャメロン《フローレンス》1872年 島根県立美術館蔵
島根県立美術館では、1月16日(木)より「島根県立美術館 写真コレクションの30年」を開催いたします。
1995年、島根県の大事業として島根県立美術館の準備が本格的にスタートし、建設室が開設されました。それから30年が経とうとしています。
コレクション収集の5つの柱のひとつは「国内外の写真」です。ダゲレオタイプから今日までの、写真史上重要な作品群を収集していきました。また、国際的にも高い評価を受ける島根ゆかりの重点作家として、奈良原一高(1931-2020)と森山大道(1938-)のコレクション形成を始めています。
近年多くのご寄贈を受け、当館のコレクションの3分の1以上が写真コレクションとなり、また評価も格段に上がっており、充実したコレクションとなりました。この展覧会では、写真コレクションの30年を約100点の作品で振り返ります。
1.開催概要
展覧会名/島根県立美術館 写真コレクションの30年
会期/2025年1月16日(木)~4月14日(月)
休館日/火曜日(ただし2月11日は開館)
料金/一般300円、大学生200円、高校生以下無料
会場/島根県立美術館 コレクション展示室4
時間/【1~2月】10:00~18:30【3~4月】10:00~日没後30分(展示室への入場は閉館時刻の30分前まで)
2.みどころ (ポイントなど)
・30年間で収集してきたコレクションの全容をコンパクトに概観する展覧会。
・新収蔵品も紹介します。
・多くの寄贈をいただくことになった企画展などの紹介。
●第1章 海外の写真コレクション
海外作家のコレクション紹介は、「フランス19世紀の写真」、「アメリカの世紀」、「モダン・フォトグラフィ」、「ベルナール・フォコン」など、各回テーマを決めて開催してきました。また企画展では、「写真の歴史160年 ダゲレオタイプから今日まで」(2001)を開催し、他館のコレクションも交えて、写真の通史を展観しました。
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モホイ=ナジ《神の背後で》1925年 島根県立美術館蔵
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アドルフ・ブラウン《装飾のための花の習作集成》 1853年 島根県立美術館蔵
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アンセル・アダムズ《冬の嵐が去って》1944年 島根県立美術館蔵
●第2章 日本の写真コレクション
明治・大正・昭和各時期を代表する写真家たちの作品を収集しています。そのなかで、津和野藩主亀井家13代・亀井茲明(1861-1896)は、ドイツ留学中に写真術を学び、帰国後日清戦争に私設写真班を仕立てて従軍しました。小企画展「伯爵カメラマン 亀井茲明」(2004)を開催しています。
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亀井茲明《明治宮殿》1894年 島根県立美術館蔵
●第3章 塩谷定好コレクション
芸術写真を代表する写真家・塩谷定好(1899-1988)は、島根半島や松江など島根を舞台に重要な作品群を残しています。2014年度には、塩谷定好の作品729点、資料361点をご遺族よりご寄贈いただきました。100年を経ているとは思えない美しいプリントの数々です。企画展「愛しきものへ 塩谷定好1899-1988」(2017)で約300点お披露目しています。また『夢の翳 塩谷定好1899-1988』(2019)を出版し、広くご好評いただきました。
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塩谷定好《河岸》1929年 島根県立美術館蔵
●第4章 植田正治コレクション
生涯にわたり、山陰を自らのスタジオとして撮り続け、世界的な写真家となった植田正治(1913-2000)。島根半島や斐川平野をはじめ、島根は植田の重要な写真の舞台となっています。作家が撮影した当初に自らプリントしたヴィンテージ・プリントは、表現性が高く貴重なプリントです。この貴重なヴィンテージ・プリントを多く含む、植田正治コレクションとなっています。
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植田正治《童暦》1955-70年 島根県立美術館蔵
●第5章 奈良原一高コレクション
奈良原一高(1931-2020)は、2020年1月19日、88歳の生涯を閉じました。戦後日本の写真を牽引した奈良原は、国際的にも高い評価を得ています。
1995年に美術館建設室を設立して以来、松江高校の卒業生でもある奈良原一高を重点作家として、作品の収集や展覧会開催を進めてきました。2010年には、最大規模の回顧展「手のなかの空 奈良原一高1954-2004」を企画・開催しました。その後、このときの出品作を中心にご寄贈を
受け、総数780点を超える奈良原一高の全体像を見通せる世界最大のコレクションとなりました。
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奈良原一高《振鈴(神奈川県鶴見)〈ジャパネスク〉より》1969年 島根県立美術館蔵 (C) Narahara lkko Archives
●第6章 森山大道コレクション
島根県邇摩郡仁摩町宅野(現・大田市)に代々続いた森山家。森山大道(1938-)自身も幼年期と少年期を過ごしています。森山大道の最大規模の回顧展「光の狩人-森山大道1965-2003」(2003)、「森山大道 光の記憶」(2023)を企画・開催し、大きな反響をいただきました。この間、作家はフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章、続いて写真のノーベル賞といわれるハッセルブラッド財団国際写真賞を受賞し、まさに世界の最高峰に立ちました。多くのご寄贈をいただき、貴重なヴィンテージ・プリントを多く含む、約250点の作家の全体像を見通せるコレクションになりつつあります。
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森山大道《hysteric no.4》 1993年 島根県立美術館蔵 (C)Daido Moriyama Photo Foundation
●第7章 杉本博司コレクション
フランス芸術文化勲章オフィシエほか数々の賞を受賞し、国際的にも高い評価を受ける杉本博司(1948-)。
ニューヨークの自然史博物館で、剥製の動物を写真に写すことによって、新たな生命を与えた《ジオラマ》シリーズ。映画1本分の時間を封じ込めた空洞が、その光に照らし出された劇場の装飾を額縁として浮かび上がる《劇場》シリーズ。その後、太古から変わることのない空と海のみを映し出した《海景》を生み出しています。
53点を誇る当館の《海景》シリーズは、海に包まれる空間を味わうことのできる稀有なコレクションとして知られています。世界中の海を写した杉本は、国内では隠岐の海を選んで撮影しています。
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杉本博司《日本海 隠岐〈海景〉より》1987年 島根県立美術館蔵 (C)Hiroshi Sugimoto
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