酒類業界の景況感、猛暑の恩恵を受け4カ月ぶりに改善 酒類大手4社、通年で増収の見通し
PR TIMES / 2024年8月19日 12時15分
酒類業界の最新景況レポート(2024年7月)
[画像1: https://prtimes.jp/i/43465/919/resize/d43465-919-497672-pixta_98147928-0.jpg ]
記録的な猛暑が続くなか、季節需要による商品・サービスの販売が消費を押し上げている。酒類業界でもインバウンド需要に加えて、猛暑や夏イベントによるアルコール飲料の販売が好調だ。
長期にわたったコロナ禍によるライフスタイルの変化で「家飲み」の需要も定着している。健康志向の高まりなど消費者の嗜好が多様化していくなか、酒類業界の景況感はどのように変化しているのか。取り巻く環境や景気DIの動きを分析した。
<調査結果(要旨)>
- 酒場DI、猛暑による影響で全産業の景気DIを上回る
- 酒類大手4社が増収傾向、ビールの販売好調
酒場DIは、「果実酒製造」「ビール製造」「清酒製造」「蒸留酒・混成酒製造」「酒類卸売」「酒小売」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「酒場,ビヤホール」の景気DIから算出
調査期間:~2024年7月31日
調査機関:株式会社帝国データバンク
酒場DI、猛暑による影響で全産業の景気DIを上回る
帝国データバンクが毎月実施しているTDB景気動向調査で算出した酒場DI[1]の推移をみると、2020年にコロナ禍が始まって以来、感染拡大による行動制限とその解除が度々行われ、景況感は悪化と改善を繰り返しながらも上向きで推移していた。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43465/919/43465-919-f536654885bd49472333005857e8d4f3-809x589.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
その後、新型コロナの5類移行への期待が高まった2023年から反動増の要素を含みつつも、酒場DIは急激に回復。2023年3月には47.3、同年8月には52.3を記録した。
2024年以降は、ビヤホールなどの小売店では年末の宴会需要や3月の歓送迎会需要などのプラス材料があった一方で、メーカーでは原材料高騰による値上げで販売数量が減少したことが影響し、おおむね40台前半で推移した。このようななか、直近の2024年7月は猛暑が追い風となり、酒場DIは44.4(前月比4.4ポイント増)と4カ月ぶりに改善し、全産業の景気DI(43.8)を上回った。
足元の動きに対して、企業からは「暑い日が続いて、飲料の売れ行きが良い」(酒小売)、「売り上げがコロナ前の90%まで回復したが、酒類消費の多様化により100%への回復は厳しい。販売価格へ転嫁したくとも、簡単には行かない」(清酒製造)などの声が聞かれる。
酒類大手4社が増収傾向、ビールの販売好調
日本国内での酒類消費は縮小傾向にあり、酒類メーカーは海外市場での成長を目指している。財務省の「貿易統計」によると、2023年の日本産酒類の輸出金額は約1,344億円に達し、コロナ前の2019年に比べ倍増した。2024年1月から6月の輸出金額では、中国経済の低迷の影響を受け前年同期から減少傾向で推移したものの、ビール品目は韓国への輸出が増加したため、前年同期比35.2%の増加となった。
8月13日までに判明したアサヒグループホールディングス(HD)など酒類大手4社の2024年12月期(予想)の連結売上高は、4社とも前期比で増収となる見通しだ。利益面ではサントリーHD以外の3社が増益予想となる。サッポロHDの中間決算では24年4月、東京・恵比寿に「ヱビスビール」のブランド体験施設をオープンしたほか、顧客接点の拡大や新規顧客の獲得などを行ったことでビールの販売数量は前年同期比10%増となった。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43465/919/43465-919-422da83c734384ed2f74f52d20ef8934-720x544.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/43465/919/43465-919-328e1b183ae7280d5ef0ee8e2fea6591-604x508.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
酒類メーカーでは、原材料価格の高騰によるコストアップのほか、これまで好調だった「第3のビール」の酒税引き上げによる販売数量の伸び悩み、物流の2024年問題によるドライバー不足での輸送費の高騰などが懸念される。各社は、26年10月に控える3度目のビール減税を見据え、ビール新ブランドや低アルコール飲料の投入による顧客層の開拓、鉄道や船舶によるモーダルシフトなどに注力する。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
10社に1社が「猛暑」で売り上げアップ 『エアコン』『食品』が好調 「ガソリン」にも波及 9割が猛暑対策を実施、「グッズ支給」「クールビズ」「設備・備品の充実」も上位に
PR TIMES / 2024年8月15日 11時45分
-
街角景気7月は0.5ポイント上昇、インバウンド需要堅調 猛暑は好悪両面に影響
ロイター / 2024年8月8日 15時15分
-
国内景気は4カ月ぶりに好転 金融市場は大きく揺れ動いたものの、猛暑やインバウンド消費が押し上げ
PR TIMES / 2024年8月5日 15時15分
-
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年8月1日 20時59分
-
8月の食品値上げ642品目 チョコレート・アイスの値上げ続く 秋は半年ぶり値上げラッシュへ
PR TIMES / 2024年7月31日 10時45分
ランキング
-
1セブン&アイ、カナダの小売大手が買収提案 「初期段階」と関係者
ロイター / 2024年8月19日 17時56分
-
2「1000円カット」も今は昔 再値上げもありそうなQBハウスから考える「デフレビジネス」の限界
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月17日 6時15分
-
3「パパは全然面倒みてくれない」「ママがいい」は何が悪かった? しまむらの“残念”すぎる対応を見過ごせないワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月19日 6時15分
-
4ドル覇権崩壊の序曲「1ドル=70円」の超円高に備えよ 「基軸通貨としての地位は着実に弱体化」未曽有の危機の恐れ
zakzak by夕刊フジ / 2024年8月19日 6時30分
-
5大波乱後の日経平均は9月以降最高値をとれるか 外国人投資家は割安な日本株をスルーできない
東洋経済オンライン / 2024年8月19日 10時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください