日本は「働けるうちはいつまでも」働きたい割合が最も高い 働き続けるモチベーションを維持すべく、年齢に関わらない評価を
PR TIMES / 2024年3月26日 15時45分
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株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘)は、弊社で実施した調査を基に、ミドル・シニア層の求職者の現状や雇用課題についてまとめましたので、お伝えいたします。
■世界11カ国中、日本は「働けるうちはいつまでも」働きたい割合が最も高く、
「51~65歳まで」働きたいと考える割合は最も低い
世界11カ国(日本含む)において、「何歳まで仕事をしたいか」と質問したところ「働けるうちはいつまでも」と回答した人の割合は、日本が最も高く20.1%、次いで韓国15.3%、カナダ5.6%と続きました。全体の7.4%と比べても高い割合で、世界の中において日本は、年齢に関わらず働けるうちは働きたいと考えている人が多いようです。具体的な年齢をイメージできている人で、「51~65歳くらいまで」仕事をしたい(※「51~60歳くらいまで」と「61~65歳くらいまで」の計)と考えている人の割合は、フランスが最も高く75.3%、次いで中国72.4%、ドイツ65.2%と続き、アメリカや西欧諸国などでも半数を超えていました。それに対して日本は最も低く43.9%となりました。ライフスタイルの変化や定年など、セカンドキャリアを考え始める年齢において、各国と日本の間で差異が見られる結果となりました。
Q:「何歳まで仕事をしたいですか?」 (2023年10月調査_11カ国:日本、アメリカ、中国、フランス、ドイツ、イギリス、カナダ、韓国、オーストラリア、スウェーデン、インド。対象者:直近2年以内に転職を経験したフルタイム勤務者。年齢は20~59歳。下グラフにおいて回答の「わからない」は非表示。「働けるうちはいつまでも」の降順)
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出所:リクルート・Indeedの「グローバル転職実態調査2023」
■日本のミドル・シニア層求職者における仕事探しは活発化
(Indeed Hiring Labの分析結果より引用)
リクルートのグループ会社であるIndeedの調査・研究機関「Indeed Hiring Lab」が、「シニア」に関する仕事検索割合を算出・分析した結果を以下に引用します。
<Indeed Hiring Lab エコノミスト青木 雄介によるコメント>
ミドル・シニア層における就業・転職への関心は年々高まっています。総務省「労働力調査」によると転職等希望者数全体に占める55歳以上の割合は増加しています。同時に、Indeed上の全仕事検索におけるシニア関連のキーワードでの仕事検索割合も全体の2%を超えており高水準であることに加え、増加傾向にあります。Indeedで仕事探しをする際、雇用形態や職種等に関連するキーワードを入れたり、キーワードを入力せずに検索したりするケースが大半を占める中、「シニア」に関するキーワードを用いた仕事を含む求人が増加傾向にあることは、ミドル・シニア層の就業・転職への関心の高まりを表しています。
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出所:(左図)総務省「労働力調査」。2023年の値は四半期平均。(右図)Indeed。データは3カ月移動平均
50~64歳の転職動向においては、2017年と比較すると7倍以上に転職決定数が増加しています。転職のパターンとして最も多いのは「異業種×同職種」で、職種はそのままで新たな業種にチャレンジするケースが多いようです。転職者側には「自身の専門性を生かし、興味のある分野や業種にチャレンジしたい」という思いがあるようです。また、採用する側の企業においても、年齢に関わらず、個人のこれまでの経験や能力を評価するようになっていることが見受けられます。
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出所:リクルート【セミナー動画配信のお知らせ】“働く”のこれから 企業と個人の変化と2024年以降の展望 ”
■再就職後に仕事内容や就労時間に変化はないが、待遇が下がってしまう実態も
シニア雇用における企業の努力も進み、60代以上の従業員への取り組みとして「継続雇用」の導入が進み始めています(60代以上の従業員がいる企業に、シニア層従業員について対応していることのうち、積極的に行っているものを聞くと75.1%が「継続雇用」と回答※)。お互いに理解がある上で働けること、定年前の経験やスキルを生かせることなど、企業・個人双方にメリットがあると考えられます。一方で、定年前と比べて、仕事内容や働く時間に大きな変化がないにもかかわらず、もろもろの待遇が下がり、働くモチベーションが下がるケースがあることも指摘されています。5年以内に仕事探しをして仕事が見つかった人に、仕事探しをする中で感じたことを聞くと、約4割の人が「年齢の制限が低い/幅が狭い」(40.1%)、「給料が安い」(37.2%)と回答しています。働く時間や働き方など柔軟な「働きやすさ」への対応だけでなく、スキルや経験などに応じた評価や待遇に変えていく等、「働きがい」について考慮していくことも必要なのではないでしょうか。
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※リクルート 『ジョブズリサーチセンター』【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査2023―企業編―
Q. 仕事探しをする中でお感じになったことについて次の中からあてはまるものをいくつでもお知らせ下さい。(複数回答)(n=837)
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出所:リクルート 『ジョブズリサーチセンター』【基本報告書】 シニア層の就業実態・意識調査 2023 ― 個人編 60~74歳 ―
■年齢に関係なく、スキルやパフォーマンスに応じた評価を
転職市場においては、人材の市場価値や、業界における賃金水準などの外部環境に合わせて報酬制度を柔軟に変更することで、必要な人材を積極的に取り入れようとする企業の動きが見られ始めてきました。賃金・報酬制度の見直しが必要と感じている理由については「従業員のパフォーマンスを引き出すため」と答えた企業が最多(57.3%)でした。賃金は従業員の一定のモチベーションを維持することにもつながります。今後、これまでよりも長く働いてもらうことも想定し、年齢に関わらないスキルやパフォーマンスに応じた報酬制度の導入も必要になってくると考えられます。
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出所:リクルート 企業の人材マネジメントに関する調査2023「人材の評価」「賃金・報酬」「昇進・昇格」制度編
■長く働き続けようと考えている人を応援できる人事制度へ
高齢化率世界トップクラスの日本ではありますが、先進国地域においても高齢化は課題となっています。「働けるうちはいつまでも」と考えている人が多いことや、今後の日本の労働力を見据えても、シニア層の労働参加は必要になっています。人手不足の現状も後押しし、シニア層への採用門戸は少しずつ開き始めていますが、無理なく働き続けてもらうためにも、今まで以上に「働きやすい環境の整備」が必要になります。そして、求職者の働き続けたいというモチベーションの維持のためにも「年齢に関わらない、スキルやパフォーマンスに応じた評価・報酬制度に変えていく」ことも検討していくことが必要です。従来の雇用慣行が変化していく中で、これまでの賃金カーブも変わっていく可能性があります。求職者・企業がお互いを理解し、多様な人材がイキイキと働くためには、企業は、シニア層に引き続き活躍してもらうという選択肢を持つこと、そしてあらゆる世代の人がモチベーション高く働ける雇用制度になっているか見直しをすることが必要です。本レターがそのきっかけになれば幸いです。求職者の皆さまも、今後のキャリアの選択権は自分自身にあると考え、自身の希望に合ったセカンドキャリアが築ける環境を選んでほしいと思います。
<解説>
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リクルート HR 横断リサーチ推進部 マネジャー/研究員 津田 郁
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リクルート ジョブズリサーチセンター センター長 宇佐川 邦子
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本、アメリカ、中国、フランス、ドイツ、イギリス、カナダ、韓国、オーストラリア、スウェーデン、インドにおいて、直近2年以内に転職を経験したフルタイム勤務者。年齢は20~59歳
有効回答数:9568人調査
実施期間:2023年10月
調査機関:マクロミル
▼リクルートについて
https://www.recruit.co.jp/
▼本件に関するお問い合わせ先
https://www.recruit.co.jp/support/form/
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