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リツキサン、既存治療で効果不十分なループス腎炎に対し適応追加承認

QLife / 2023年9月13日 10時8分

全身性エリテマトーデスの主要な臓器合併症であるループス腎炎

 全薬工業株式会社および中外製薬株式会社は2023年8月23日、両者で共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン(R)点滴静注100mg、同500mg」(一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)、以下、リツキサン)について、「既存治療で効果不十分なループス腎炎」に対する適応追加の承認を、全薬工業が厚生労働省より取得したことを発表しました。

 ループス腎炎は、全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う腎臓病変です。主要な臓器病変の中でも高頻度で発現し、SLEの予後を左右する臓器合併症の1つです。SLEは国の指定難病であり、国内の患者数は約6~10万人と推定され、そのうちループス腎炎の発症頻度は45~86%と報告されています。ループス腎炎は、免疫調節機構の異常により、免疫応答の障害が持続して腎障害が引き起こされる病態と考えられています。

 今回の追加承認の経緯として、日本リウマチ学会より「既存治療で効果不十分なループス腎炎」に対するリツキサンの効能又は効果の追加について要望があり、2023年2月15日に開催された第54回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議にて、公知申請に該当すると評価されました。その後、同年3月3日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会において、同効能又は効果の追加に対し、公知申請を行って差し支えないと正式に決定されたことを受け、同2社は3月31日に効能又は効果の追加について公知申請を行い、今回の承認取得に至ったと報告しています。

自己免疫に関与するB細胞を傷害し腎症状を改善する抗体医薬

 リツキサンは、造血幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20抗原に特異的に結合する抗CD20モノクローナル抗体で、標的となるB細胞をヒトの体内に備わった免疫系を用いて攻撃し、細胞を傷害します。ループス腎炎に対して病態の中心となる自己抗体産生や免疫複合体の形成に関与するB細胞を傷害することにより、腎症状を改善します。

 日本リウマチ学会、日本腎臓学会、日本小児リウマチ学会及び日本小児腎臓病学会により、国内47施設を対象に実施されたループス腎炎に対するリツキサンの国内使用実態調査では、リツキサンのループス腎炎に対する使用実態が確認され、当該調査結果を踏まえた「ループス腎炎に対するリツキシマブ(遺伝子組換え)使用に関するステートメント」が公表されています。

 全薬工業および中外製薬は、「既存治療で効果不十分なループス腎炎に対する治療にリツキサンが貢献できるよう、より一層の協力体制で取り組んでいく」と、述べています。(QLife編集部)

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中外製薬株式会社 ニュースリリース

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