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日中自動車産業、「中国」「東南アジア」「欧州」3大決戦の行方は混沌

Record China / 2024年4月10日 7時30分

新エネルギー車トップのBYDは22年9月にタイのWHA工業団地との契約を発表した。179億バーツ(約740億円)を投資し、年産15万台規模の工場を建設する。23年3月に基礎工事を終え、24年中の生産スタートを目指している。

国有自動車企業トップの上海汽車は23年4月、「上汽正大新能源産業園区建設項目」を発表した。標準的な工場、倉庫、コンテナヤード、発電所などを12万平方メートルの敷地に建設し、EVの基幹部品の現地生産を実現し、23年10月の稼働を見込む。

その他、広州汽車傘下の広汽埃安は23年3月、64億バーツ(約265億円)を投資してEV工場を建設すると表明。長安汽車も同年4月、98億バーツ(約405億円)を投資して世界的な右ハンドル車の生産拠点を作ると発表した。

今年3月には、日系メーカーのショールームが次々に中国系に替わっていると伝えられた。タイ市場の日系シェアは22年の90%から23年には78%に低下し、中国系は5%から11%へと倍増した。タイでの成功は東南アジア全域からオセアニアまで波及効果が大きい。命運のかかる戦場だ。

欧州での戦い

欧州では基本的に地元メーカーが強い。しかし日系も50年間、市場の深耕を続けてきた。トヨタは23年に82万8000台を販売し、フォルクスワーゲンに次ぐ2位に付けた。中国は輸出世界一になったとはいえ、欧州市場のシェアは3%程度にすぎず、トヨタ1社にも遠く及ばない。

5000台以上のBVDの海豚(ドルフィン)、元PLUSを載せた船が2月26日にオランダ、ドイツ、ベルギーに寄港した。欧州メディアはこれを「東方の怪獣」と表現した。黒船来襲である。

海豚はAクラス(小型車)純EVの王者で、元PLUSはAOクラス(コンパクト)の王者だ。この2車種を皮切りに、東南アジア、中東、アフリカ、南米に続き、欧州市場浸透を狙う。記事は、日本車は欧州で利益を挙げているが、ここでも重大な挑戦を受けるはずだとしている。

失うものが大きいのはどちらか

記事は中国、東南アジア、欧州の3大決戦地で激戦が展開されるだろうとし、これは内燃エンジン車を極めた日本とEVの新技術で挑む中国との世界自動車史に前例のない変化の瞬間だと指摘。そして日本は「失われた30年」以上のものを失うかもしれないと一方的な結論へ導いている。

米国や欧州の既存メーカーは元気がなく、日中の争いが「前例のない変化」における焦点なのは間違いない。しかし、このところ世界的にEV優遇策が廃止され、目標の下方修正が進み、トヨタの言う「EVシェアの上限は30%」が現実味を帯びてきた。そうなれば競争の位相も大きく変化する。失うものが大きいのはどちらになるのか、混沌としてきた。

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