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乱気流による機内死傷事故が連続、「地球温暖化の影響」との指摘―中国メディア

Record China / 2024年6月2日 11時0分

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5月下旬には、旅客機が乱気流に巻き込まれて搭乗者が死傷する事故が連続発生した。乱気流発生は確実に増えており、その背景には地球温暖化による大気の状態の変化があるという。

5月21日には英国のロンドンからシンガポールに向かっていたシンガポール航空機が、同月26日にはカタールのドーハからアイルランドのダブリンに向かっていたカタール航空機が乱気流に巻き込まれて、乗客乗務員ら多数が負傷した。シンガポール航空機では死者も発生した(発生日付はいずれも現地時間)。中国メディアの東方財富網は、このところ目立つ乱気流絡みの航空機の事故について、状況などを紹介する記事を掲載した。専門家によると、背景には地球温暖化があるという。

事故を起こしたシンガポール航空機は英国のロンドンからシンガポールに向かう途中で、ミャンマー上空を飛行中の21日に激しい乱気流に巻き込まれた。同機は高度1万1300メートルを飛行中だったが、高度が9400メートルにまで急低下した。同機はその後、タイ首都のバンコク近郊のスワンナプーム空港に緊急着陸した。負傷者の大部分は頭部または脊椎を損傷し、十数人は手術が必要だったという。

カタール航空機は同国のドーハからアイルランドのダブリンに向かっていた。トルコ上空を飛行中の26日に乱気流に巻き込まれ、乗客6人と乗務員6人の計12人が負傷した。

香港に拠点を置くグレーター・ベイ航空は5月30日になり、乗客に対してシートベルト着用指示灯が消えていても全行程においてシートベルトの着用を求める声明を発表した。シンガポール航空は規則を改正して、全行程においてシートベルトの着用を求めることにした。同社は、シートベルト着用指示灯の点灯は、乗務員による飲食サービスの停止を意味するものであり、点灯中には乗務員も全員が着席し、シートベルトを使用するよう求めた。

航空専門家の間では、事故を起こした2機は、現在の技術ではほとんど検知できないCAT(乱気流)に遭遇した可能性があるとの指摘が出ている。つまり航空機は、何の前兆もなく突入したことになる。

中国気象学会動力気象学委員会の李国平委員によると、CATは突発的に発生し、発生範囲は狭いが強力だ。また、CATを誘発する特徴的な気象条件も見当たらないという。李委員は大気の物理学的な性質や運動の特性を探る動力気象学の研究を40年にわたり続けてきたベテラン研究者だ。

李委員によると、今後は数値パターンの解析能力の向上や観測ネットワークの完備、気象ビッグモデルの応用によって、CATの監視と早期警戒能力はある程度向上するとみられるが、正確な探知はそれでも難しいという。

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