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中国が定年退職を段階的に引き上げへ、その背後にある四つの動向とは?

Record China / 2024年9月15日 11時20分

中国が定年退職を段階的に引き上げへ、その背後にある四つの動向とは?

第14期全国人民代表大会常務委員会第11回会議において、国務院の法定定年退職年齢の段階的な引き上げに関する決定の審議要請を審議し、注目を集めている。写真は上海。

10日に開かれた第14期全国人民代表大会常務委員会第11回会議において、国務院の法定定年退職年齢の段階的な引き上げに関する決定の審議要請を審議し、注目を集めている。新華社が伝えた。

専門家は、法定の定年退職年齢を引き上げるのは、現時点での人口の発展動向に対応し、高齢化という課題に効果的に対処するためであることが大きな原因の一つとの見方を示している。

動向その1:中国の平均寿命がすでに78.6歳まで伸びている

中国はすでに長寿の時代に突入しており、人々の人生において「老年期」が占める長さがより長くなっている。最新データによると、中国人の平均寿命はすでに78.6歳にまで伸びている。

中国人口・発展研究センターの賀丹(ホー・ダン)主任によると、「2030年までに、中国人の平均寿命は80歳を超える可能性がかなり高いと予測されている」としている。

また、中国人口学会の副会長を務める南開大学経済学院の原新(ユエン・シン)教授は、「寿命が急速に伸び、平均寿命が大幅に伸びているということは、定年退職後の人生が大幅に伸びており、今後さらに伸びる見込みであるということだ。それに対して、現時点で中国の定年退職年齢は男性が60歳、女性が55歳または50歳で、70年以上調整されていない」と指摘する。

そして、「現行法の定年退職年齢は1950年代に決められた。当時の平均寿命は50歳未満だった。定年退職年齢を引き上げることは、総合的な社会改革であって、経済や社会の発展の多方面のニーズに対応することができる。平均寿命が延びているのに対応するというのも、そのうちの重要な検討要素だ」と説明する。

動向その2:人口資質が向上、新規労働者が受けた教育の平均年数は14年以上に

中国が世界最大規模の教育体系を作り上げたことで、その人口資質も大幅に高まっている。生産年齢人口が受けた教育の平均年数は、1982年の8年程度から、2023年には11.05年にまで高まっている。特に、新規労働者が受けた教育の平均年数だけを見た場合、14年以上になっている。

中国社会科学院・世界社会保障研究センターの鄭秉文(ジョン・ビンウェン)主任は、「現在、高等教育の粗就学率は60%を超え、大学生の数が目に見えて増加している。高等教育を受けた人口は2億5000人以上となっている。20歳くらいで社会に出ていた過去と比べると、今の若者は、修士課程を修了した時点で25歳くらい、博士課程を修了した時点で30歳近くになっている」とするデータを基に、「労働市場に出て来る労働者の年齢が高まっているのに、定年退職年齢が変わらなければ、ヒューマンリソースを十分に活用することが難しい」との見方を示す。

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