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クリーンエネルギー利用技術で南極の「グリーンな観測」をサポート―中国

Record China / 2024年9月21日 0時0分

クリーンエネルギー利用技術で南極の「グリーンな観測」をサポート―中国

各国は近年、南極という「浄土」を守るため、南極クリーンエネルギー発展のさまざまな模索に取り組んでいる。写真は南極。

今年は中国の極地観測40周年となる。数世代の科学技術者の弛まぬ努力により、中国はすでに極地陸海空全方位立体観測体制を形成し、南極科学観測大国になった。エネルギー利用技術は南極の活動を支える上で重要で、長期的な発展と持続的な更新が必要となる。科技日報が伝えた。

南極のクリーンエネルギー設備やシステム、運用保守などの基幹技術の研究開発に方向性と指導を与え、南極エネルギークリーン利用技術体制を構築し、健全化するため、「南極クリーンエネルギー利用技術12年発展綱要」がこのほど、2024中国極地科学学術年次総会で発表された。綱要は中国極地研究センター(中国極地研究所)が組織し、太原理工大学が先頭に立ち、山西省エネルギーネットワーク研究院や中国電子科技集団公司第十八研究所、清華大学などの関連チームと共同で作成した。

南極は地球最大の淡水資源バンクであり、気候環境変動の傾向を示す場所でもある。南極は1000種以上の魚類や220種以上の鉱産物、数百億バレルの石油埋蔵量を擁している。人類の南極活動の範囲の持続的な拡大に伴い、汚染を回避し、手つかずの極地環境を維持することが、各国の南極科学観測活動の重要な関心事になっている。太原理工大学電気・動力工学学院の竇銀科副院長は、「2022年の世界範囲の南極活動において、エネルギー消費に占める燃料の割合は82%だった。燃料メインの南極エネルギー消費構造が引き起こす環境汚染などの問題に注意すべきで、南極でのクリーンエネルギーの利用は極めて重要だ」とした。

各国は近年、南極という「浄土」を守るため、南極クリーンエネルギー発展のさまざまな模索に取り組んでいる。その中でも太陽光と風力が主な開発対象となっている。綱要によると、2022年現在ですでに20カ所以上の南極観測基地でクリーンエネルギー発電装置が設置されており、うち50%以上が太陽光もしくは風力を利用している。中国は現在、泰山基地に80kW風力発電及び60kW太陽光発電施設を設置している。また、中国の秦嶺基地のクリーンエネルギーの割合はすでに基地全体のエネルギー消費の60%に達している。

しかし南極の過酷な環境において、太陽光・風力発電設備は往々にして、安定性と高い効率を維持できない。山西省エネルギーインターネット研究院科学イノベーション部の薛屹洵部長は、「現在は南極環境の特徴に向けたクリーンエネルギー技術の系統的な応用が不足している。南極地域のクリーンエネルギー利用は、安全・安定運転の面で従来のエネルギーには遠く及ばない。そのため、南極のクリーンエネルギー利用は長期間にわたり、模索の段階にある」としている。

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