クリーンエネルギー利用技術で南極の「グリーンな観測」をサポート―中国
Record China / 2024年9月21日 0時0分
南極の過酷な環境におけるクリーンエネルギーシステムは、電気・熱・石油などのエネルギー資源をメインとする典型的なマルチエネルギーフローシステムだ。これは各種エネルギーフローを集め、効率的な利用を実現する複雑なエネルギーシステムで、各種エネルギー形式間の相互補完と切り替えにより、全体的なエネルギー利用効率を高めている。薛氏によると、国内外の多くの研究機関が近年、このシステムの研究を広く行っているが、依然として数多くの挑戦に直面しているという。
薛氏は、「南極クリーンエネルギーシステムの発展は、安全で効率的、グリーンで便利、信頼できる設備、マルチエネルギー相互補完、スマート融合という五つの重要な特徴を兼ね備える必要がある。南極環境におけるエネルギー設備の信頼できる運転と、南極エネルギーシステムのマルチエネルギー相互補完を物理的基礎とし、南極の環境における情報物理システムのスマートな融合をデジタルサポートとし、南極エネルギーシステムの建設から運転、さらには運用保守までの安全で効率的な管理を実現し、南極科学観測基地と野外観測基地、南極交通システムのエネルギー構造を最適化する必要がある」とした。
では現在の南極クリーンエネルギー利用の技術的な難題に解決策はあるのだろうか。
太原理工大学の孫宏斌学長は、「南極クリーンエネルギーシステムの発展はまず、南極クリーンエネルギーの共通的な技術発展の流れを模索し、個別の技術の発展方向と重点を整理するべきだ。次に、南極におけるエネルギー需要の特徴に対する踏み込んだ分析が極めて重要だ。また、地熱や太陽熱などのその他の新エネ技術の、南極クリーンエネルギー技術の発展に対する潜在的な影響についても評価すべきだ。さらに風力発電と太陽光発電は南極環境と結びつけ技術イノベーションを行うべきだ。風力・太陽光発電によって生まれるグリーンな電力の長期的な貯蔵についても、さらに考慮していく必要がある」とした。
綱要は、南極クリーンエネルギー発展の全体目標を達成するため、2025年までにクリーンエネルギー設備とシステムの南極の過酷な環境における適応性の難題の全面的なブレークスルーを果たすとした。また、2030年までに中国南極観測基地のクリーンエネルギー利用のモデル転換と高度化を全面的に完了し、安全で効率的、グリーンで便利、信頼できる設備、マルチエネルギー相互補完、スマート融合の目標をほぼ達成する。さらに2035年までに整った南極科学観測基地クリーンエネルギー供給技術体制を形成し、中国の南極観測事業を新たな段階に押し上げるとした。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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