「悲劇を繰り返すな」、日本人男児殺害事件の再発防止を訴える―シンガポールメディア
Record China / 2024年9月22日 7時0分
シンガポール華字メディアの聯合早報は20日付で、深セン市内での日本人男児殺害事件を受けて、類似の事件の再発防止を訴えるコラムを掲載した。
2シンガポール華字メディアの聯合早報は20日付で、広東省深セン市で日本人男児が登校中に襲われて死亡した事件を受けて、事件が発生した背景への分析を加えた上で、類似の事件の再発防止を訴えるコラムを掲載した。
男児は18日朝、保護者と登校中に日本人学校から200メートルほどの位置で44歳の男に腹部を刺され、病院に搬送されて治療を受けたが19日未明に死亡した。犯行に及んだ男は小学校付近にいた警察官にその場で身柄を確保された。
記事は、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件が起きた、中国では「国辱を忘れてはならない日」とされる9月18日に事件が発生したことに着目し、「容疑者の鍾(ジョン)という男が犯行に及んだ動機はいまだ明らかにされていない。だが、犯行時間や場所などさまざまな要素から、動機を歴史的な背景を含んだ反日感情に求める人は多い。18日は中国各地で毎年、抗日記念館の見学イベントなどが組まれる。また、東北地方の遼寧省では、14都市で午前9時18分に防空警報が鳴らされ、交通機関は運行を停止し、公共メディアはSNSを通じて屈辱を忘れるなと強調する。政府は『9・18』が毎年来るたびに国民の愛国精神に訴え、強くあるべしと強調する。だが日中の歴史的因縁が、たった10年しか中国で暮らしていない日本人の子どもと何の関係があるというのか? 寸鉄も帯びぬ子どもを手にかけることが愛国の表れだというのか? この子が何をしたというのか? 6月の蘇州での事件も、そのわずか3カ月後の2件目の事件も、犯人は凶悪かつ残忍な手段により、明確な殺意を持って犯行に及んだ。蘇州の事件では胡友平(フー・ヨウピン)さんという中国人女性が身をていして守り、胡さんは亡くなった。日本メディアによると、深センの男児の母親は中国人だという。犯行現場でわが子の鮮血にまみれた両手で『うちの子が何をしたっていうの? 助けて』と泣き叫んだのだ。心に重くのしかかる暴力事件が続くことは、日中関係にとっても決して良い兆しではない」と論じた。
記事は次に「中国政府や各メディアは、抗日ものの映像作品などを使って、毎年日本が中国を侵略した出来事を繰り返し思い出させる。その目的は歴史を風化させないこと、そして民族の団結と自立を促すことのはずで、一般市民に現在の日本政府や日本人に過去の報復をしろと言っているわけではない。だが、これらの歴史や現実の衝突を促す素材は、ひとたびネット上にアップされてしまうと、閲覧回数やフォローの多さを追い求めるインフルエンサーの利益追求の動機が加わって、違った局面を作り出してしまう」と指摘した。
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