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男児殺害や日本産水産物問題、日中双方には今こそ慎重な外交努力が必要―香港メディア

Record China / 2024年9月23日 17時0分

日本および日本人への反感が高まった一つのきっかけが、日本側が23年に福島第一原発の処理廃水の海洋放出を始めたことを、中国政府が「太平洋を下水道にしている」と非難したことだった。

中国では日本人学校に石や卵が投げられ、ネット上では反日的な動画や画像が次々に投稿された。例えば広東省在住の女性がまだ箱を開けていない日本ブランドのエアコンを返品する様子を投稿したり、日本風の居酒屋の経営経営者が店内の壁に貼られていたアニメのポスターを引き裂いたり酒の瓶を割ったりして、日本風の店はやめて中国風の酒場に変える考えを披露したことだ。

中国政府は、一貫して法に基づいて中国にいる外国人の安全と合法的権益を保障していると主張する一方で、同時に日本側の原子力発電についての行為が、反日の風潮が高まる事態を招いたと主張した。

事件の数日前に、深センの日本語学校を非難する動画投稿

深センでの日本人男児襲撃事件の数日前には、深センの日本人学校を撮影して、現地警察に「中国からの追放」を呼びかける動画がSNSに投稿された。同様の動画はそれ以外にも多く投稿されている。多くの動画は中国の日本人学校がスパイを養成していると示唆しており、日本人学校を「新植民地」と呼び、日本の中国侵略に対する中国人の歴史の記憶と憎しみをかき立てることを意図している。政府あるいは共産党系のメディアは「一部の人が愛国を利用してアクセスを稼いでいる」と批判したが、反日感情を完全に抑制することはできなかった。

習近平国家主席と岸田文雄首相は23年11月に米国で会談した際に、両国が共通する利益を追求する「戦略的互恵関係」を再確認し、その後は両国の議員の交流が進められるなどで、日中関係は改善の兆しを見せていた。しかし深センでの日本人男児殺害事件は、中日関係に影を落とすと分析されている。

日本の外務省の岡野正敬次官は深センでの日本人男児襲撃事件を受け、呉江浩駐日本中国大使を外務省に呼び出し、「在中日本人の安全と安心を保障できなければ、日中関係の根本に影響を及ぼす」と強く指摘した。日本での対中感情が悪化すれば、日中の対話は進めにくい状況に戻り、両国間の懸案問題の解決も遠のくとされる。

日中両国には数多くの懸案で妥協点を見出す外交努力が必要

日中間に歴史を通じての恩讐が存在することは事実だ。また、第2次世界大戦から残された歴史問題のほかにも、釣魚島(日本側の呼称は尖閣諸島)の領有権紛争など多くの未解決問題がある。また、日米が同盟を強化して中国を包囲し、日本の政治要人が台湾関連に介入する意向を表明し、日本政府がアジア太平洋にNATOを招き入れようとしていることは、いずれも日中関係の緊張を高めている。8月に日本が初めて中国軍機の日本領空進入を確認し、最近になり中国海軍の空母の遼寧と駆逐艦2隻が日本の接続水域に初めて進入したことも、間違いなく両国の緊張高めている。

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