日本の「被団協」のノーベル平和賞受賞、衝突が絶えない世界への警告か―香港メディア
Record China / 2024年10月13日 8時0分
香港メディアの香港01は、ノーベル平和賞の受賞者が日本原水爆被害者団体協議会に決まったことについて「衝突が絶えない世界への警告か」と論じる記事を発表した。写真は広島市内の原爆ドーム。
香港メディアの香港01は11日付で、2024年のノーベル平和賞が日本原水爆被害者団体協議会(被団協)に与えられることに決まったことについて「衝突が絶えない世界への警告か」と論じる記事を発表した。以下は同記事の主要部分を再構成したものだ。
日本の個人または団体がノーベル平和賞を受賞するのは1974年の佐藤栄作元首相以来、半世紀ぶりだ。核兵器廃絶を訴える被団協は、ロシア・ウクライナ戦争、中東での衝突、スーダン内戦など破壊的な争いが横行する世界において、まさに「人々の目を覚まさせる警鐘」を鳴らし続けている。皮肉なことに、被団協のノーベル平和賞受賞のニュースが流れて間もなく、イランが核拡散防止条約からの脱退を検討しているとの報道があり、今の世界が直面する核戦争への懸念が決して杞憂ではないことが示された。
ノーベル平和賞の授与を決めるノルウェーのノーベル委員会は、被団協は広島と長崎の原爆生存者により設立された草の根活動団体であると指摘し、被団協は目撃者の証言を通じて、核兵器は2度と使用されるべきではないと強調し、核兵器のない世界の実現を目指していると紹介した。
しかし、われわれ置かれている現状は、この美しい目標からますます遠ざかっている。まず、ロシアの侵攻によって引き起こされたウクライナ戦争は3度目の冬に入る。双方の死傷者は数十万人と推定されるなど、すでに驚くべき数の犠牲が発生している。
中東でも、2023年10月7日に武装勢力のハマスがイスラエルに対する血なまぐさい攻撃を実施して、ほとんどが民間人の約1200人が死亡した。暴力はエスカレートし、数千人の子供や女性を含む数万人が犠牲になった。そして戦争はより広い地域に広がった。ガザ保健当局によると、ガザでの戦争では4万2000人以上が死亡し、その半数以上が女性と子供だ。イスラエル軍がヒズボラに対する攻勢を大幅に拡大した2024年9月中旬以降、レバノンでは1400人以上が死亡し、数千人が負傷し、約100万人が難民になった。
アフリカでは、スーダンで内戦が17カ月にわたって続いており、これまでに2万人以上が死亡し、800万人以上が家を離れさることを余儀なくさせられた。同国では、この内乱が始まる前に、約200万人が難民化していた。
10月1日にはイランがイスラエルに180発以上の弾道ミサイルを発射し、ヒズボラの指導者だったハッサン・ナスララ師の殺害に報復した。イスラエル側の猛烈な反撃をするかどうかを、中東の多くの国が注視している。さらにイスラエルの右翼勢力からは、ネタニヤフ政権はイランの核施設を狙うべきとの声も出ている。イスラエルのイラクの核施設攻撃は、これまでも、戦略上の最も深刻な脅威と見なされてきた。
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