新疆ホータン、砂漠の温室で稲を水耕栽培―中国
Record China / 2024年10月28日 4時0分
新疆ウイグル自治区ホータン地区の黄砂の中に温室がずらりと建っている。
新疆ウイグル自治区ホータン地区の黄砂の中に温室がずらりと建っている。近づいてみると、中ではさまざまな植物が光熱資源を吸収し、発芽、成長、開花、結実と活気あふれる光景が目に入る。人民日報が伝えた。
ここは約666.7ヘクタールの砂漠施設農業産業パークの植物工場だ。3層の栽培棚では垂直立体多層空間水耕栽培技術を採用した稲が「マンション」に住むようになり、単位面積当たり生産量が大幅に増加。さらにここの稲は定植から収穫までわずか2カ月で、中国の120~150日の平均的な稲成長期間をはるかに下回っている。
中国農業科学院都市農業研究所の王森(ワン・セン)研究員は、「今回植えているのは現地の稲品種『新稲1号』で、高速育成技術を採用した。うち育苗期間は15日間で、苗を立体栽培槽に定植した後の全成長期間は60日間しかない」と説明した。
成長期間を大幅に短縮できたのはなぜか。同研究所の楊其長(ヤン・チーチャン)チーフサイエンティストは科学研究チームを率い、高速成長技術手段により稲の成長期間を半分に短縮した上、季節を問わず一年中連続成長という技術のブレークスルーを達成した。
植物工場内には多くのLED照明がある。これは稲の高速成長の「魔法の武器」だ。科学研究チームのメンバーである史大煒(シー・ダーウェイ)氏は、「稲の異なる成長期間の光合成の需要に基づき光の配合を持続的に調節し、正確な補光を実現することで、稲そのものの成長期間を大幅に短縮した」と説明した。
楊氏は、「植物工場は温度、湿度、光、二酸化炭素、根際の栄養をコントロールできる。4月には初めて試験栽培を行った高速成長稲が収穫を迎えた。1ムー(約6.7アール)当たり生産量は1051.5キロに上った。5月以降はさらに2回の収穫を迎え、1ムー当たり生産量がいずれも1000キロを超えた。現在は4期目を栽培中だ」と述べた。
楊氏は「将来的にゴビ砂漠でも砂漠温室と新技術の応用により、食糧作物の効率的な生産を模索できる。1年で5回収穫するなら、1ムーの年間生産量は5000キロ前後になり、食糧の安全をサポートすることができる」と述べた。
高速成長稲の苗はどこから得られるのか。科学研究チームのメンバーである楊俊(ヤン・ジュン)氏は立体循環式育苗装置を見せてくれた。「装置は持続的に回転し、光がすべての株に十分に照射され、均等に成長する。育苗は15日で完了する。1台の装置の敷地面積は10平方メートルほどしかなく、約3.3ヘクタールの稲に必要な苗を供給できる」と話す。
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