【観察眼】中国の犬型ロボットが登山に成功、新たな国際協力の可能性を示す
Record China / 2024年10月27日 8時0分
中国の会社が開発したこの犬型ロボットは、このほど険しい山道を登り荷物を運ぶテストを受け、通常、人間では4時間以上かかる山頂までの道をわずか2時間で踏破した。
中国東部に位置する名山・泰山を登った犬型ロボットが最近話題になっている。中国の会社が開発したこの犬型ロボットは、このほど険しい山道を登り荷物を運ぶテストを受け、通常、人間では4時間以上かかる山頂までの道をわずか2時間で踏破した。また、重さ約40キロの荷物を背負い速いスピードで登山することが可能であり、かつ安定性も高いことが検証された。この犬型ロボットは、将来的に泰山の荷物やゴミの運搬への利用が期待されている。
実は、ロボットはすでに中国人の日常生活に広く普及している。中国のホテルでは、配送ロボットがエレベーターに乗って各フロアを行き来し、宿泊客が注文したデリバリーなどを部屋まで運ぶ姿がよく見られる。一部の都市の繁華街では、人型ロボットがチラシを配る姿も日常となった。アリババ、京東集団(JD)、順豊(SF)エクスプレスなどのネット通販・配達大手の物流センターで忙しく運搬、積み込み、仕分けをしているのは人間ではなく、物流ロボットだ。
さらに、人と音声でコミュニケーションする「盲導犬ロボット」や、家事をこなしつつ、高齢者に物語や笑い話を語り、高齢者の健康状態をモニタリングする「介護ロボット」などの新型ロボットの研究開発も急速に進められている。その背景には中国の人工知能(AI)、デジタル産業の発展がある。中国のロボット関連企業の数は2014年の1万3300社から2023年には17万8500社に増え、10年間で13倍になった。また、中国は11年連続で世界最大の産業用ロボット市場となっており、ここ3年間の新規設備台数は世界の半分以上を占めている。スマート製造における世界最高レベルの先進的工場「ライトハウス」は、現在中国で72カ所が認定されており、世界の42%を占めている。
中国は自国のAI関連産業の発展にとどまらず、BRICS諸国を含む各国と積極的に経験を共有し、交流、協力を深めている。例えば、中国は南アフリカの複数の技術学校の講師を対象にビッグデータ、AI、クラウドコンピューティングなどに関する研修を行い、イノベーションセンターを設立して最新のデジタル技術とソリューションを提供している。アラブ首長国連邦のドバイのリゾート地では、中国企業が開発したロボットが観光客の間を巡回している。これは、自転車や電動スクーターなどのグリーンな交通手段の利用状況を記録しつつ、交通違反の有無を監視するためだ。また、中国の提唱による「BRICS新産業革命展」は、これまでに4回開催され、AI分野などの最新成果の展示を通じて、BRICS諸国および「BRICSプラス」協力パートナーとの交流と協力を促進した。そして今月、中国-BRICS人工知能発展・協力センター運営基地が正式に稼働し始めた。これにより、各加盟国の医療、スマートシティ、農業などの分野におけるAI技術の活用がさらに加速することが予想されている。
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