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中国から提供されたトキの子、日本が間もなく半数を中国に返還―中国メディア

Record China / 2024年10月29日 6時30分

中国から提供されたトキの子、日本が間もなく半数を中国に返還―中国メディア

日本政府の環境省は31日、中国から提供されたトキのつがい2組の計4組の子のトキ16羽を、提供時の取り決めに基づいて中国に返還する。

日本政府の環境省は31日、中国から提供されたトキのつがい2組の計4組の子のトキ16羽を中国に返還する。提供時の取り決めで、子は産まれた順に、所有権が日本と中国に交代で割り振られることになっていた。16羽のうちメスは9匹、オスは7匹だ。中国メディアの新華社はこのほど、中国と日本のトキの歴史と、さらに韓国も含めた関連する交流と協力を振り返る記事を発表した。

中国語にはトキを示す漢字表記がいくつかあるが。よく使われるのは「朱䴉」の文字だ。しかし日本では「朱鷺」と書かれることが多い。日本語の「朱鷺」の文字は、中国におけるトキの古い名称だ。南朝の陳の最後の皇帝だった陳叔宝(陳後主、在位:582-589年)は詩の一節で「朱鷺戯苹藻、徘徊渓流曲(トキは浮草や藻の間で戯(たわむ)れ、渓流をさまよい行く)」と、水辺にいるトキの情景を描写している。

トキはかつて東アジアに広く分布し、中国、日本、韓国の人々はトキを「縁起のよい鳥」として愛してきた。しかし20世紀になると開発が進み、さらには農薬の使用などでトキの餌である小型淡水魚やカエルなどが激減したことで、トキは急速に個体数を減らした。

日本ではトキが野生の状態で個体数を増やすことは不可能と判断した。1981年に新潟県の佐渡島に残っていた野生のトキ5羽を捕獲し、それ以前から能登半島で飼育されてた1羽と合わせて飼育することにした。日本は野生トキがいなくなったと宣言した。

中国ではその時点で、トキはすでに絶滅したと考えられていた。ところが同じ81年に、陝西省の洋県で野生のトキ7羽が生息していることが確認された。

日本ではトキが佐渡トキ保護センターで飼育され、人工繁殖が試みられたが成功せず、2年間で3羽が死んだ。日本は85年に中国からオスのトキの「ホワンホワン(歓歓)」を借りて、日本生まれメスのトキの「キン」とペアにしたが、子を作ることはできなかった。「キン」が高齢だったためと考えられている。

日本では人工繁殖に何としても成功しなければ、トキが「完全絶滅」の状態になってしまう。中国側も日本に協力し、トキを貸与するなどした。しかし人工繁殖はなかなか成功しなかった。中国側は94年10月にオスの「ロンロン(竜竜)」とメスの「フォンフォン(鳳鳳)」のトキ2匹を佐渡に貸したが、ロンロンは2カ月後に死んでしまった。この時点で、日本生まれのトキはオスの「ミドリ」と「キン」の2羽だけで、いずれも老齢だった。そこでやむを得ず、95年4月に「フォンフォン」と「ミドリ」を同じ檻の中に移した。すると「フォンフォン」は卵5個を続けて産み、日本側は大いに喜んだ。しかし数日後に「ミドリ」は突然死亡し、「フォンフォン」が産んだ卵は全て無精卵と分かった。「フォンフォン」はその後、中国に戻された。佐渡保護センターには、老いた「キン」だけが残った。

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