専門家が読み解く「トランプ当選後の世界」の経済金融の情勢-台湾メディア
Record China / 2024年11月3日 19時30分
台湾メディアの中時新聞網はこのほど、米大統領選ではトランプ氏が勝利する見込みとした上で、経済や金融の変化を読み解く金融専門家の曾炎裕氏による文章を掲載した。
台湾メディアの中時新聞網はこのほど、米大統領選ではトランプ氏が勝利する見込みとした上で、選挙後の経済や金融の変化を読み解く金融専門家の曾炎裕氏による文章を掲載した。以下は、その主要部分を日本人読者向けに再構成したものだ。
世界は米国の大統領選に注目している。世論調査によると、投票を目前に控えてトランプ氏が再びリードしている。各国政府はすでに「対応案」を用意している。株式市場でもトランプ勝利効果が出はじめている。すでにトランプ氏勝利は「想定内」で、ハリス氏勝利は「想定外」の情勢だ。
トランプ氏の政策の影響を受ける産業は主に、軍需産業、鉄鋼業、バイオテクノロジー、石油関連などだ。米国で注目されている暗号資産(仮想通貨)関連の株式には、「トランプ勝利を予想して買い、勝利後に売る」という短期利益確定の売り圧力が発生することが予想される。選挙の不確実性が解消されると、リスク回避のため市場から引き上げたり様子見だった資金が市場に戻ってくるだろう。最近では日本株が衆議院選挙後に大幅上昇し、台湾株も選挙後に上昇する傾向が見られた。「トランプ効果」に便乗して銘柄を追うよりも、米国のハイテク株、例えばヌビディアの株価動向を注視する方が賢明だろう。
トランプ氏は、大統領選に勝利した場合にはイーロン・マスク氏に政府支出の監査を主導させ、大規模な改革を実施させる意向を示した。マスク氏は、予算を2兆ドル(約306兆円)以上削減できると公言した。彼の企業であるテスラやスペースXは、数十億ドル相当(50億ドルは約7700億円)の連邦政府との契約を獲得しており、また連邦政府は電気自動車(EV)の税制優遇措置やインフラ投資を優遇している。マスク氏は減税や規制緩和を支持しており、この政策が実現すればマスク氏が設立した人工知能を手掛けるxAIや宇宙関連のSpaceXといった新興産業に有利に働くと考えられる。マスク氏は、トランプ氏の当選によって規制圧力が緩和されれば、自分の企業が最大の利益を得られると期待している。
フェイスブックを運営するCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、言動が目立たない状態だ。マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏も控えめな言動を余儀なくされている。エリート主義の拠点だったニューヨーク、カリフォルニア州のシリコンバレーやロサンゼルスは本来ならば民主党の牙城だが、大統領選での支持は拮抗するようになった。このことが、9月以降にハリス氏の勢い後退した大きな要因になった。
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