中国、高速鉄道の建設にも求められる「質の高い発展」
Record China / 2025年1月7日 8時30分
高速鉄道の登場で一部都市の経済が急速に発展
高速鉄道は地域間の地理的隔たりを小さくし、沿線の一部の都市に「一体化効果」をもたらし、都市の経済発展を促すことができる。
14年ごろから行われている京津冀地区(北京・天津・河北省)を一体化した都市圏の建設がその典型だ。京津冀共同発展に向けた一体化改革は不動産価格の低下を狙ったものでもあるが、高速鉄道で3都市が結ばれるという効果もある。
例えば、河北省廊坊市は北京・上海間や北京・天津間の高速鉄道によって北京への通勤時間が短縮されるため、多くの北京出身者がそこで住宅を購入して住むようになった。廊坊市の24年1~7月の1人当たりの消費額は6402元(約13万4400円)に達し、省都の石家荘市の5936元(約12万4600円)を上回った。
河南省鄭州市は「米」字型の高速鉄道網によって周辺都市との関係が強化された。鄭州市の09年の国内総生産(GDP)が全省のGDPに占める割合は17%だったが、23年には23%に上昇した。高速鉄道が同市の経済発展に一定の役割をしたといえる。
地域間交流の活性化が都市間格差を拡大
しかし、高速鉄道の登場は良いことだけをもたらすものではない。地理的隔たりが感じられなくなる一方で、人口の移動が活性化することから、一部都市で人口流出が見られるようになった。これにより、地域の中心都市と周辺小都市の格差が拡大し、都市間の発展のアンバランスが顕在化した。
中国メディアによると、北京・上海間高速鉄道と上海・漢蓉(上海-武漢-成都)高速鉄道が沿線の36の三、四線都市に与える影響について、人口の集積度を見ると、高速鉄道は三、四線都市の人口の集積にプラスとならず、その中の58%の都市の常住人口比率が低下している。
GDP成長率を見ると、高速鉄道の開通後、北京・上海間沿線の50%の都市、上海・漢蓉間沿線の60%の都市は全省の平均レベルを下回った。
また、湖南省株洲市で最初の高速鉄道駅ができた09年は株洲に新しい時代が来るとみられたが、09年から23年まで、湖南省全体のGDPは286.77%増加し、株洲市のGDPは258.68%増加した。20年から現在まで、株洲の常住人口は減少を続けている。
それは株洲だけに起こったことではない。江蘇省の昆山市、安徽省の全椒県、六安市、湖北省の巴東県などの都市では、高速鉄道開通前の成長率は全省の平均レベルを上回っていたが、開通後は下回るという結果になった。
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