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中国、高速鉄道の建設にも求められる「質の高い発展」

Record China / 2025年1月7日 8時30分

これは経済力の低い地域から高い地域へ人の移動が活発化したことによるものだ。つまり、経済交流が活性化した「副作用」ともいえる現象だ。

高速鉄道停車駅が過剰になった理由

都市間の発展がアンバランスになると、経済力の低い都市への人の移動が活発ではなくなり、不必要な高速鉄道駅が出てくる。

中国の経済メディアによると、湖南省株洲市の九郎山駅は16年12月26日に営業を開始したが、初期の利用客は100人未満で、21年には10人にも満たず、電気料金も払えない状況に陥ったという。

広西チワン族自治区桂林市には高速鉄道駅が9駅あるが、それぞれの距離がさほど離れておらず、利用客が著しく不足するという現象が起きている。そのうちの1駅は22年に旅客輸送業務を中止し、大きな駅舎は「幽霊屋敷」と化し、駅前広場は地元農民の穀物干し場となっているという。

中国には建設後に何年も稼働していない、または閉鎖している高速鉄道駅が少なくとも20カ所あるといわれている。南京、武漢、瀋陽、大連、合肥などの大都市でもこうした現象が見られるという。

どうしてこのようなことが起こるのか。次の三つの原因があると考えられる。

一つ目の原因は、一部地域の人の流れがわずか数年で大きく減ったため、駅が建設された時点で、実際の利用客数が計画時の数字をはるかに下回っていたことだ。

二つ目の原因は、高速鉄道駅の多くが利用者目線に立っていない配置になっていることだ。高速鉄道の沿線都市は地元での駅設置に熱心で、中国国家鉄路集団(国鉄集団)はしばしばいくつかの都市の要請に配慮して駅を置いた。同集団が決めた位置は、都市の中心部から離れた場所にあり、人々の移動に不便だ。都市の中心部から50キロ以上離れた場所に位置する駅もあるという。

三つ目の原因は、高速鉄道建設ブームに乗った「やみくもな投資」だ。前述のように、08年に中国政府が行った大型景気対策によってインフラ投資が拡大し、各地はこぞって高速鉄道建設に取り組んだが、結果として、地域の状況やニーズからかけ離れていたため、「無駄な投資」となった。インフラ投資は一時的には効果を生むが、完成後に使われなければ、維持費だけかかり、経済効果を持続させることができない。

21年以降、経済減速などの影響を受けて、地方財政が逼迫し始め、建設後の駅運営への支出の縮小を余儀なくされた。また、期待通りのリターンがないため、駅運営の補助金も減らした。

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