ファーウェイがAIなどの開発方針を発表、キーワードは「オープン」
Record China / 2024年12月24日 8時30分
14日に開催された昇思人工知能枠組みサミットでは、2024年の中国における人工知能(AI)フレームワークの新規利用ではファーウェイが提供するマインドスポールが30%を占めるとの予測が発表された。
華為技術(ファーウェイ)はこのほど、中国紙の人民日報に自社の今後の開発方針を紹介する全面広告を掲載した。重要なキーワードの一つは「オープン」あるいは「開放」という。文章を主体とする広告で、かなり詳細に説明した。以下はその主要部分の要約だ。
14日に開催された昇思人工知能枠組みサミットでは、2024年の中国における人工知能(AI)フレームワークの新規利用ではファーウェイが提供する昇思(MindSpore、マインドスポール)の利用が30%に達するとの中国科学院科学技術戦略諮問研究院による予測が発表された。このことは、ファーウェイが開放的なコンピューティング産業の生態を構築してきた過程の中で達成した大きな成果の一つだ。
ファーウェイは19年に計算戦略を発表して以来、鯤鵬(Kunpeng、クンポン)、昇騰(Ascend、アセンド)、オープンオイラー(openEuler)、昇騰を利用して複数の計算リソースを組み合わせて効率化を目指すCANN、マインドスポール、オープンガウス(openGauss)の6つの基本技術を中心にハードウェアやシステム、クラスターなどの分野への投資を続けて革新を達成することで、計算産業の発展のための堅牢な基盤を築いてきた。そして開放的なエコシステム戦略を堅持し、パートナーと共に計算力分野でのエコシステムを構築し、パートナーの事業の発展を支援し、ビジネス面での勝利の共有を達成してきた。
ファーウェイはまた、全面的なスマート化の「オールインテリジェンス(All Intelligence)」戦略を打ち出し、鯤鵬や昇騰を利用して堅牢な計算力の基盤を構築し、あらゆる産業に発展の力を付与してきた。ファーウェイはモジュール、ボード、部品などの基礎ハードウェアの利用を開放することで、パートナーが専門シーンを満たす多様な製品を構築できるようにし、基礎ソフトウェアを開放することで、パートナーの開発者が独自の革新により開発できるようにしている。
ファーウェイはオープンソース化を積極的に採用し、オペレーティングシステム、データベース、AIフレームワークなどの分野における自社技術を開放し、オープンソースの形式で産業界とオープンオイラー、オープンガウス、昇思、オープンUBMCを共有し、パートナーと共同で自社の商業配布版やAI大モデルを発表させ、デジタル化モデルチェンジのプロセスを加速させている。
鯤鵬と昇騰に関連するパートナーは5年間をかけて次第に増え、現在では参加する企業数は7600社、開発者は635万人に達した。開発されたソリューションは2万600種以上で、鯤鵬と昇騰はインターネット、金融、電信、エネルギー、交通、公共事業などの分野で広く応用されるようになった。
デジタル化時代の技術の進歩と応用の革新を担う存在は開発者だ。ファーウェイは大学における人材育成の分野で20年、中国政府教育部と共同で「スマート基盤産業教育融合協同育成プロジェクトに着手し、試行大学72カ所で同プロジェクトを順次展開してきた。23年9月には同プロジェクトの「2.0版」が始まった。ファーウェイは同プロジェクトで得られた成果と経験をより多くの大学と共有し、大学と企業の共同による計算産業の人材育成を展開している。
ファーウェイは大学との研究分野の協力で、鯤鵬昇騰科学教育イノベーション卓越センターとインキュベーションセンターを活用して、計算産業の最前線課題研究、カリキュラム体系の構築、研究者の育成などに取り組んでおり、このことで「中国発」の世界レベルの研究成果達成を後押ししている。また、鯤鵬や昇騰を活用する技術路線に基づいて、大学の設備整備をけん引し、教師と学生が鯤鵬と昇騰による技術路線に基づいてソフトウェアの転換や革新開発、人材育成などにおいて、未来の応用シーンに向けたソフトウェアや技術革新を展開するよう指導している。
ファーウェイは今後3年間、毎年10億元(約210億円)を鯤鵬と昇騰のエコシステムの構築と人材の育成に投入する。100万人の人材の出現と1000のオリジナルプロジェクトの立ち上げを支援し、企業1000社における新たな革新を出現させる計画だ。
ファーウェイは「今後も開放を堅持し、産業界と手を携えて共に進み、世界の計算産業生態を共同で構築し、デジタルの未来を共に勝ち取っていく」として文章を結んだ。(翻訳・編集/如月隼人)
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