外交・安保や通商分野で「対中タカ派」が勢ぞろい=「忠誠」重視で迅速起用―トランプ次期政権の陣容、課題も多く
Record China / 2025年1月3日 17時20分
トランプ氏は、ホワイトハウスの取りまとめ役となる大統領首席補佐官になるスージー・ワイルズ氏の手腕に期待し、主要人事への反対や懸念の広がりは抑えられるとみているようだ。史上初の女性大統領首席補佐官となるワイルズ氏は大統領選でトランプ陣営の共同選対本部長を務め、組織の運営や危機管理では抜群の能力を持っており、米有力メディアや民主党からも一定の評価を受けている。
外交・安保のかじ取りはルビオ氏とウォルツ氏
次期政権の安保・外交について具体的な立案と実行にあたるのはいうまでなく、国務長官に就任予定のルビオ氏と国家安全保障担当の大統領補佐官になるマイク・ウォルツ氏。ルビオ氏はフロリダ州選出の上院議員で16年の大統領選の共和党予備選でトランプ氏と大統領候補指名を争い敗北、その後関係を修復した。両親が共産党政権下のキューバから米国への亡命者でもあり、左派政権嫌いで有名。米上院外交委員会などを舞台にこれまで10年以上にわたり中国、キューバ、イランなどを厳しく批判する言動を繰り返してきた。「中国は最大かつ最先端の敵国」などと述べ、対中敵視発言を繰り返す。中国・新疆ウイグル自治区での人権問題を問題視し、同自治区での強制労働に関係した製品の輸入を禁止する「ウイグル強制労働防止法」の成立を主導したこともある。中国からは入国禁止の対象とされている。
ロシアのウクライナ侵攻を巡っては早期終結に向けて交渉が必要だとする点でトランプ氏と同じ考え。一方、ウォルツ氏もフロリダ州出身で、米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の元隊員。18年に下院議員に初当選して以来、米議会での対中強硬派の代表人物の一人と目されてきた。中国の覇権主義的行動を強く批判し、米国の大学での中国の影響を排除する法案の策定にも携わり、22年北京冬季五輪のボイコットを呼び掛けたことでマスコミの注目を集めた。ウクライナ支援に関しては「米議会は白紙の小切手は切らない」と消極姿勢を見せる。外交・安保問題ではこの2人に加え、バンス次期副大統領も大きな発言力を持つとの見方もある。
次期財務長官は財政規律派、大統領令で対中高関税強行か
経済チームの陣容も整った。財政・経済政策運営の要の財務長官には投資ファンド経営者のスコット・ベッセント氏が指名された。著名投資家ジョージ・ソロス氏にかつて師事し、ソロス氏のファンドの投資部門の最高責任者を務めたこともある。ベッセント氏は一部米メディアに対し「関税は収入増を図る方策であり、戦略的に重要な産業を守る手段だ」と述べている。トランプ氏の減税政策にも賛同しているが、財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に抑制することを目指す「財政規律重視派」というのが大方の見方。
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