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<日本人の忘れられない中国>上海での結婚式に着物で出席したら…

Record China / 2025年2月1日 14時30分

翌朝、再度訪問するとその店で一番上手だというカリスマ感漂う男性美容師が担当してくれた。日本では必ず「多いですね」と言われる毛量の私の髪を、スプレーだけでアップにしてくれる技量を発揮し、見たことのないカラースプレーで髪が彩られた。ちょっと派手かな、と心配したがホテルに戻り着物を着てみると意外と悪くなく、お礼を言うためにもう一度その美容室に戻った。着物姿に大変喜んでくれ、皆で写真撮影をし、彼らが呼んでくれたタクシーで無事に会場に向かうことが出来た。

挙式は、数年前まで一般人は立ち入りが出来なかったという立派な迎賓施設の美しく整えられた庭で、人前式の形式で行われた。すっきりと晴れた青空とどこまでも続きそうな緑の芝生のコントラストは鮮やかで、シンプルなデザインながらも質の良さが際立つウエディングドレスの白に生花のフラワーシャワーがくっきりと映える様子は、まるでドラマを観ているようだった。お人形のようにきれいな新婦と、お人形のように固まった新郎の対比の微笑ましさももちろん印象的で、それを優しく見守る両家の親族の穏やかさも伝わってくる幸せな時間だった。

午後6時6分に始まった披露宴は600人を超える大所帯で、それでも「呼びきれなかったから明後日もう1回、300人くらいを呼んでやるんだよ」と当人たちは笑っていたが、3時間を超える披露宴のなかでカラードレス、チャイナドレスなど何回もお色直しをして登場する彼らはどれも目を見張る美しさで、まるでファッションショーのようだった。また2人が中座している間、私の着物姿を見た他のゲストが何人も話しかけに来てくれ、温かに歓迎してくれている雰囲気がとても嬉しかった。

その後、彼らには可愛い女の子が産まれた。昨日のことのように上海での結婚式のことを覚えている私をよそに、その子ももうあの頃の私たちの歳に近づいてきている。時の流れのあまりの速さに慄きながらも、温かく美しいあの時間は私の大切な経験として輝いている。

■原題:上海での結婚式

■執筆者プロフィール:小山 真理(こやま まり)国会議員事務所職員

1982年水戸市生まれ。茨城大学人文学部在学中に中東、ヨーロッパ、東南アジアを歴訪。大学四年次に同じゼミに所属していた中国人留学生の帰省に合わせ中国・上海に初訪問する。卒業後、彼らの結婚式への参列を含め、中国訪問は2回。大手証券会社・損害保険会社での勤務を経て、結婚・出産。現在は小学生の子ども2人の育児の傍ら、参議院議員の茨城事務所で働く。

※本文は、第6回忘れられない中国滞在エピソード「『香香(シャンシャン)』と中国と私」(段躍中編、日本僑報社、2023年)より転載したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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