BEVで存在感を増す中国勢、背景には補助金による低価格政策…バンコクモーターショー2023
レスポンス / 2023年3月24日 7時30分
第44回バンコク国際モーターショー(バンコクモーターショー2023)が3月22日から4月2日まで約2週間の会期で、バンコク郊外の大型展示施設インパクト・アリーナでスタートした。日本車が9割近くのタイ市場において、注目は電気自動車(BEV)をてこにして一気に攻勢をかける中国ブランドの存在だ。
ジェトロが発表した資料によれば、タイでの2022年の新車販売台数は 84万9388台で前年比11.9%増となり、前年を上回るのは4年ぶりのこととなった。これまで新型コロナウイルス流行や半導体不足の影響を受けて前年比ダウンが続いていたが、その状況が改善したことでプラスに転じた。とはいえ、19年の100万7552台には届いておらず、23年も予測を90万台程度と見込むにとどまる。コロナ前までの完全復活にはもう少し時間がかかりそうな状況だ。
そんな中で日本車の販売シェアは9割弱と依然として高い。中でも好調ぶりを発揮しているのがトヨタで、22年の販売台数は20.5%増の28万8809台を記録。前年を上回る市場シェア34.0%を確保し、目標としていた28万4000台も上回った。
しかし、全体としては非日系の販売が拡大しており、トヨタ以外の日系メーカーがシェアを奪われる展開になっている。特に存在感を増しているのが中国メーカーだ。BEVをてこに販売攻勢を強めており、今年のモーターショーでは日本でも販売を開始したBYDをはじめ、GWM(長城汽車)、MG(上海汽車)が日系メーカーをしのぐ規模でブースを構えた。
背景には、本国の中国が世界最大のEV市場である上に、タイではBEVの完成車輸入税がゼロとなる利点を最大限に活用していることがある。たとえばMGが2019年に発売したBセグメントのSUV『ZS EV』は190万バーツという低価格に抑えたことで、初期受注が2000台に達したほど。しかも、今年は中国からNETAという54万9000バーツ(約210万円)という低価格を武器にした新ブランドが登場。中国勢は揃ってBEV攻勢に打って出た格好だ。
モーターショー事務局長のジャトロン・コモリミス氏にこのあたりの事情を聞いてみた。
それによると、「昨年はBEVだけで約1万5000台が販売された」といい、「これは補助金による低価格が実現できたからだ」という。また、タイ国内での充電インフラが不足しているのは事実で、「休日に郊外で出掛けて3時間の充電待ちが発生することもよく聞く話だ」とする。その意味で、「BEVは近所を走行する2台目需要の領域を出ておらず、来年の政局で補助金政策によって需要は大きく変化しそうだ」と回答した。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
2024 バンコク国際モーターショーレポート Changan編
CORISM / 2024年5月18日 7時7分
-
2024 バンコク国際モーターショーレポート MG編
CORISM / 2024年5月15日 12時5分
-
2024 バンコク国際モーターショーレポート概要& BYD編
CORISM / 2024年5月14日 12時12分
-
日系3社の中国新車販売が2桁減に 日産は2か月ぶり 値下げ競争激化し日本勢苦しく
産経ニュース / 2024年5月9日 17時36分
-
中国自動車企業のプレゼンス高まる=日本車、中国IT大手と提携―世界最大の北京モーターショー
Record China / 2024年5月1日 8時0分
ランキング
-
1ワークマンの「機能的なサンダル」3選 2000円前後で買える、アウトドアでも活躍する優秀アイテム
Fav-Log by ITmedia / 2024年5月18日 9時55分
-
2煮物だけじゃない!スーパーフード並みの栄養価「切り干し大根」の意外な食べ方
週刊女性PRIME / 2024年5月18日 8時0分
-
3ヤマトHDを苦しめる「2024年問題」…大幅減益で株価も大幅下落(小林佳樹)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月18日 9時26分
-
4有毒植物の“誤食”に要注意 死亡例も 農水省が注意喚起
オトナンサー / 2024年5月18日 20時10分
-
5紫式部に好意をもっていたからではない…10年無職だった紫式部の父・為時を藤原道長が大抜擢したワケ
プレジデントオンライン / 2024年5月12日 17時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください