昭和40年、在りし日の東京モーターショーに思いを馳せる【懐かしのカーカタログ】
レスポンス / 2023年10月29日 15時0分
「ジャパンモビリティショー」に生まれ変わった「東京モーターショー」。そこでこの節目に、昭和、平成と続いた同ショーで配布されたパンフレットを振り返ってみたい。
◆昭和40年の東京モーターショー
第1回自動車ショーの開催は1954年。筆者もさすがに生まれる前のこと(!)だが、日比谷公園の会場では、屋外の土や砂利の上にクルマが展示されていたという。東京・晴海に会場が移されたのは1959年から、東京モーターショーに呼称が変わったのは1964年の第11回からで、この時から輸入車も展示されるようになった。
“晴海”は筆者も幼少の時分から親に連れられ(連れて行けとせがんで?)足を運んだ思い出の場所だ。会場で各メーカーが配布しているパンフレットを貰ってくるのは楽しみだった。帰りには集まったパンフレットでズッシリと重たい紙袋を手に、八重洲口行きのバスを待つ長い列に並んだのが懐かしい。
写真はそんな時代のトヨタのパンフレットの一例。ご紹介しているのは、文中の記述、掲載車種の世代から昭和40年(1965年)のものと思われる。「品質と価格で奉仕するトヨタ」の、いかにも質実剛健なタイトルに続き、最初の見開きでは、世界の自動車メーカーのベスト10に入っていることや、国内生産・販売台数ですでに首位であることなどが紹介されている。
本編とも言うべき車種の紹介に目を通すと、乗用車では『クラウン』(2代目)、『コロナ』(3代目)、『パブリカ』(初代)のほかに、何と『トヨタスポーツ800』の姿も。近年のトヨタ車のイメージと比べると車種数はぐんと少ない。
が、国産初のV8エンジンを搭載した『クラウンエイト』や、コロナではハードトップ、や5ドアセダン、ベーシックモデルで“日本の国民車”と言われたパブリカには4人乗りのコンバーチブルが設定されているなど、どの車種も個性があり意欲的で、夢のあるバリエーション展開だったことが改めてわかる。
そのほか商用車のページでは、クラウン(マスターライン)やコロナ、パブリカのバン、ピックアップなどの姿も。さらに『トヨエース』『ダイナ』『スタウト』といったトラックや初代『ランドクルーザー』なども掲載。この1冊のパンフレットで、当時のトヨタ車のすべてが把握できた。
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