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円安、コスト上昇の影響はミニカーの世界にも 注目は「レジン」…第62回 静岡ホビーショー

レスポンス / 2024年5月10日 17時0分

5月8日から12日までの5日間、静岡で恒例の「静岡ホビーショー」が開催。今年は62回目の開催で、海外からのバイヤーたちもすっかり戻ってきた印象だ。


初日から2日間は業者並びにメディアの招待日。そして中日の10日は小中学生の招待日。週末の2日間が一般公開日とされているが、4月の時点ですでに一般公開日の事前受付が終了するほどの人気を博しているから、すっかりかつての活況が戻ってきたという印象である。


とはいえ模型業界の厳しさは変わらずなのか、3月には精巧なミニカーやプラモデルを作るブランドである「エブロ」が自己破産に陥ったという衝撃的なニュースも流れた。ホビーショーを取材し始めて今年はちょうど10年目。途中コロナによる開催中止もあったが、この10年で模型業界もだいぶ変わってきたように感じるのだが、少なくとも自動車の模型という視点でとらえると、従来から大きな変化はない。


◆円安、コスト上昇の影響は「ミニカー」の世界にも


前半の今回は「ミニカー」を題材として取り上げよう。会場で取材して一番切実な声として聴かれたのは、円安による価格の上昇である。製品を輸入して販売するところはもろにその影響を受けるのは当たり前として、オリジナルブランドを作るメーカーもその生産の多くを中国に頼っている関係で、ここも円安の影響に加え、生産国でのコスト上昇のためにどうしても価格を引き上げざるを得ない状況となっているのは模型ファンにとっては悩みの種と言えよう。


相変わらず、ミニカーはレジンボディのモデルとダイキャストのモデルがほぼすべてであるが、どうも旗色的にはレジンに傾く傾向が強くなってきているような印象である。年の大半を中国との往復で過ごすというイグニッションモデルのディレクター、梶原康弘氏はレジンの品質がここ数年で大きく向上していると話す。


もう一つは3Dによる生産が可能になってきていることで、生産そのものの精度も上がり始めていることによると思われる。3Dで作れば、元型の心配がなくなることに加え、人的労力も省かれるから、初期投資のみで安定的に商品を作り出せることに加え、多少の変更を加えることで、多くのバリエーションを生み出すことが可能なこともレジンの大きな魅力である。


◆車体の「背面」もリアルに再現


そのイグニッションモデルのブースで真っ先に目に飛び込んだのは、クレイジーケンバンドの横山剣さんの決めポーズのフィギュアと彼の愛車、「ブルーバード510」のモデルである。2ドアセダンという珍しい車種ではあるが、これが有名になった背景はアメリカでピートブロックが立ち上げたBREというレーシングチームのモデルが大活躍したことによる。そのBREモデルの生産予定を聞いたところ、梶原さんから「もちろんです」という返事が返ってきた。


ENIFの自社ブランドを持つキッドボックスの柴田社長も長年レジンのモデルを送り出しているが、今年の注目は車体下部。普段ディスプレイすると見ることのない、車体背面をリアルに再現していた。柴田社長曰く、「モデルを見せると多くの人がまず裏を見るんだよ。だから構造が良くわかるようにしたんだ」と話していた。新作は「トヨペット・コロナマークII GSS」をはじめ数種。リアルな背面を持つ「スバルレオーネ」や「スカイラインGT-R」、さらには前期型の「サニーKB110」も登場を控えている。


ミニカーの大いなる魅力は現物が手に入らないクルマを所有できる悦びにある。そんな究極のモデルがお金を積んでも手に入らないコンセプトカーで、精緻なモデル作りで定評のあるMakeUpには何と「マツダ・ヴィジョンクーペ」の18分の1モデルが展示されていた。登場時期などを聞きそびれてしまったが、思わずこれは欲しいと思った一台である。また、ディスプレイには如何に塗装をしていくかの過程や3Dの制作過程モデルの展示もあって、興味は尽きなかった。


◆「ダイキャストの雄」国際貿易は復活した「エクゾト」展示


ダイキャストの雄ともいえる国際貿易のブースには、復活した「エクゾト」が登場。その1作目は18分の1の「ロータス25」である。リアカウルを外してエンジンを眺めることができるあたりがダイキャストモデルの大きな魅力だ。この葉巻型フォーミュラの作品と少し新し目の1990年代頃のフォーミュラの作品がシリーズで出るとのこと。次の次あたりは「ロータス49」かな?とは国際貿易の方のお話し。


驚いたことに国際貿易ではルマンミニチュアのスロットカーと同じくスケーレックストリックのスロットカーが展示されていて、今後導入していく予定だと国際貿易の矢田社長が話されていた。とりわけスロットカーについては大きな広がりはないだろうけど、32分の1というサイズでディスプレイに耐えうる出来の良さを持つモデルで、文化として残していきたいと説明してくれた。


元来、ミニカー趣味は富裕層に向けたものだったようで、てっきり子供のおもちゃ的な感覚でいた考えを円安がいみじくも教えてくれた印象である。


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