“人馬一体”とは? ロードスター35周年:マツダの名車の軌跡
レスポンス / 2024年8月17日 7時0分
マツダのライトウェイトスポーツカー『ロードスター』が誕生35周年を迎えた。1980年代中盤に企画されたこの車は、1989年にユーノス『ロードスター』として初めて市場に登場。以来、2代目「NB」、3代目「NC」、そして4代目「ND」型へと進化を遂げ、累計生産台数は100万台を超える。
新刊『マツダロードスターの30年』(著者:三浦正人、発行:三樹書房)では、開発者の証言や進化のプロセスを詳細に解説している。特別仕様車の変遷やイベント記録も網羅されており、海外から届いた美しい写真も多数掲載されている。これにより、ロードスターが世界中でどのように活躍しているかが一目でわかる。
「ロードスター」という名称は、2座席のオープントップスポーツカーを示す一般名詞である。また、海外市場での車名『MX-5』の「MX」は、マツダのレシプロエンジン搭載スポーツカーを表す記号であり、北米でのペットネーム『ミアータ』は「ご褒美」や「報酬」を意味するドイツ語の古語に由来している。
本書によると、初代NAロードスターの開発主査を務めた平井敏彦氏は、「人馬一体」という開発テーマを掲げた。この言葉は、日本古来の伝統武術「流鏑馬(やぶさめ)」からヒントを得たもので、車と人が一体となる感覚を追求したものである。平井氏は、「クルマと人の一体感、適度な緊張感、Fun to Driveな走り感、ダイレクト感が“人馬一体”であり、それが人々の心に訴える“感性”の問題である」と述べている。
この「人馬一体」哲学は、2代目NB、3代目NC、そして4代目NDロードスターにも継承されている。さらに、SKYACTIV技術と魂動デザインを取り入れ、マツダブランド全体を象徴するフィロソフィへと発展している。
本書は書名が示す通り、ロードスター誕生30周年を記念して刊行された。35周年を迎え、これを記念してしたカバー装丁が施された新装版が刊行された。
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