『ママ綺麗になったね』子どもからの言葉でポジティブに 行き先のない化粧品を困窮家庭に配る 佐賀県が自治体初の取り組み
RKB毎日放送 / 2025年2月4日 17時53分
化粧品産業の集積をすすめている佐賀県が、経済的に困窮している家庭に化粧品を無料で配布する新たな取り組みを始めます。
提供されるのはアイシャドウやマスカラ、口紅など化粧品メーカーが抱える行き先のないコスメ。
廃棄ロスを減らし、笑顔を届けるプロジェクトです。
「コスメは節約の対象」と話すシングルマザー
40代のシングルマザー
「一番は子供たちの学費。節約をしないといけない部分にコスメは入ってしまう」
佐賀県に住む40代のシングルマザー。
子供の学費がかさみ、化粧品を十分に買えない中、去年、ひとり親家庭の支援団体から化粧品のプレゼントが届きました。
40代のシングルマザー
「化粧水から乳液、基礎のものから口紅、チークとかハイライトとか。もらった時めちゃくちゃ嬉しくて本当にありがたい。お化粧は続けたい。必要だと思っているので。仕事をするうえでも」
季節の変わり目や新商品で廃棄されてしまう化粧品
経済的に困窮している世帯に化粧品を無料で届けようと新たなプロジェクトが佐賀県で動き始めました。
佐賀県 山口祥義 知事
「みんなもっといいんだよ、コスメもっと使ってって」
佐賀県が始めたのは、全国の化粧品・日用品メーカーなどが抱える行き先のない化粧品を困窮家庭に配る「佐賀県コスメギフトプロジェクト」です。
県によりますと製品に問題がないものの、季節の変わり目や新商品の登場などで廃棄されてしまう化粧品は、生産量のおよそ2割。年間5000億円分にも上るということです。
こうした化粧品の廃棄ロスを削減し、経済的に困っている家庭の支援につながる”ウィンウィン”のプロジェクト。都道府県が主体となって取り組むのは、全国で初めてということです。
「化粧品はポジティブの塊」
佐賀県と連携するのは、2021年からこの仕組みでおよそ3万世帯の困窮世帯に化粧品の配布を行ってきた東京の一般社団法人です。
バンクフォースマイルズ 北澤恒夫 理事
「化粧品はポジティブの塊だと思うんですね。アンケートの中にもお子さんが『ママ綺麗になったね』という言葉があって、その言葉で癒やされたり前向きになったり家庭が明るくなったり、そういう風にするわけです」
「貧困世帯の5%にしか配布できていない」
一方で、ギフトの梱包作業はボランティアで行われているため必要としている多くの人に届けられていないのが現状だといいます。
バンクフォースマイルズ 北澤恒夫 理事
「全国の貧困世帯の5%しか配布できていない、まだまだやらなければいけない。ボランティアで活動をやっていますのでやっと応えているのが現状。全部は応えきれていないんですけれど行政が入って認知が進めば専任の人も増やしたりして日本の一つのスタンダードになればありがたいなと思います」
化粧品の梱包を障害者に委託
こうした課題を解消し、持続可能な取り組みにするため、佐賀県は化粧品の袋詰めの作業をボランティアではなく、障害のある人たちが働く就労継続支援施設に委託することにしました。
小城市にある施設では早速、段ボールいっぱいの化粧水やマスカラ、アイシャドウなどを袋に詰め、第1弾のギフトの準備が進められていました。
多機能型就労継続支援事業所 ユニーズ 東島周子さん
「工賃を稼ぎたいという気持ちでされているので、家に引きこもっている方も頑張って出てくるということが今回出来ていると感じています」
当分の間、県が施設に委託する形で行いますが、将来的には公益財団法人が市民や企業などから寄付を募り、就労継続支援施設での委託費などにあてる予定です。
佐賀県で生産した化粧品を届けたい
これまで唐津市や玄海町を中心に化粧品産業を集積させ、「コスメに強いまち」として関連事業に力をいれてきた佐賀県。
今後は、佐賀県でつくられた化粧品で困窮世帯に笑顔を届けられないか検討をすすめています。
佐賀県 コスメティック産業推進室 東泰史 室長
「我々コスメ構想に取り組んできた佐賀県だからこそ、始められたことかなとは思っていますが、この仕組み自体は佐賀県だけではなくて支援や寄付をいただければ県外の団体に対してもお渡しできる可能性があります。佐賀県発の取り組みというのが全国いろんなところに広がっていけばと思います」
配布は2月末に始まり、ひとり親の支援団体などを通して佐賀県内の1000世帯に届けられる予定です。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「多くの人から愛情」「気持ちが嬉しい」続く子育て家庭への支援
日テレNEWS NNN / 2025年2月3日 18時52分
-
DV、生活に困窮するシングルマザー・・・ 家庭環境に問題抱える女性たちに「住まい」と「仕事」を 支援する福岡のNPO法人
RKB毎日放送 / 2025年1月31日 20時10分
-
トランプ大統領の長女イヴァンカさん、山火事で被害受けたロサンゼルス訪問し物資届ける
日刊スポーツ / 2025年1月30日 13時32分
-
一般社団法人グラミン日本×株式会社オリィ研究所共催『移動困難者のインパクト雇用の解決策を共に考えよう!』
PR TIMES / 2025年1月28日 11時45分
-
ヴァーチェのマルラオイルが「サステナブルコスメアワード」にて3年連続受賞
PR TIMES / 2025年1月17日 18時45分
ランキング
-
1八潮道路陥没の復旧工事、埼玉県補正予算案に40億円…再発防止へ下水道局定員を10人増
読売新聞 / 2025年2月5日 12時12分
-
2東大阪市切断遺体 大阪市内のマンション敷地で頭部を発見
日テレNEWS NNN / 2025年2月5日 13時51分
-
3【速報】”画期的な判決”が確定 交通事故死した聴覚障害の女の子に「健常者と同額」の逸失利益を認めた大阪高裁 双方上告せず
MBSニュース / 2025年2月5日 14時10分
-
4高級シャンパンのラベル貼り替え“ドンペリ偽装”の狡猾手口…72本を買い取り店に持ち込み580万円ダマし取る
日刊ゲンダイDIGITAL / 2025年2月5日 9時26分
-
5万博、「当日券」導入へ=前売り券伸び悩みで―石破首相
時事通信 / 2025年2月5日 12時44分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください