トランプ氏が掲げる犯罪撲滅プランの中身「ホームレスや麻薬中毒患者から街を取り戻す」
Rolling Stone Japan / 2023年3月14日 6時45分
2024年の米大統領選挙で政権奪還を目指すトランプ氏が「犯罪撲滅・法と秩序の回復計画」を公表した。
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名目上は「新計画」だが、連邦死刑制度の適用拡大、警察当局が「協力を拒否」した際の軍隊動員、保釈金改正反対を筆頭に、ほとんどが過去の公約――2016年選挙運動や大統領時代――の焼き直しだ。同じ週にはこうした提言を鳴り物入りで紹介する動画も公開されたが、その中で前大統領は――ふたたびホワイトハウスに返り咲いたあかつきには――住所不定者や麻薬中毒者を厳しく取り締まることも匂わせた。
2月20日の発表の終盤、トランプ氏は「ホームレスや麻薬中毒患者、精神病患者から街を取り戻すのだ」と述べた。選挙陣営の書き起こし原稿から判断すると、即興に近い発言だったようだ。同氏はさらにこう続けた。「近日中に計画の詳細をご紹介するつもりだ。以上がアメリカに公衆安全を取り戻す私の計画だ」
前大統領とその部下がこの件について現在どのような計画を立てているのか、何かしら目新しい点があるのかは分からない。トランプ氏は任期中、ホームレス問題の「仲裁役」として連邦職員を全米の大都市に派遣する意向を示していた。2019年には大規模な連邦取り締まりの実施を視野にいれ、カリフォルニアに政府高官を派遣している。
元トランプ政権関係者がローリングストーン誌に語った話によると、トランプ氏が大統領任期中盤に、「リベラル派」の支配する大都市で連邦政府を介入させ、ホームレス――特に依存症や精神疾患を抱えたホームレス――を弾圧することに固執していたが、その理由はトランプ氏本人がTVやケーブルニュース局に釘付けだったことが大きかったようだ。情報筋いわく、「(前)大統領がFoxニュースなどでホームレスの映像を目にすると、すぐさまホワイトハウス職員を呼びつけて、この問題への対策を命じることがよくあった」という。その情報筋は2019年、実際にそうした現場に居合わせている。
だが2019年当時、トランプ氏の思惑は実らなかった。あれから年月が経ったが、結局同氏は諦めきれず、さらに厳格な2024年大統領選の公約概略に盛り込んでいる。1期目に果たせなかった「犯罪撲滅」を、なんとしてでもやり遂げるつもりだ。
トランプ陣営の広報担当者にコメントを求めたが、21日時点で返答は得られなかった。
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