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米大統領選、共和党のジョージア州前副知事がバイデン大統領支持を表明(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月9日 10時40分

米国ジョージア州の前副知事で共和党のジェフ・ダンカン氏は5月6日、11月の大統領選挙について「私がバイデンに投票し、他の共和党員もそうすべき理由」と題した論説を地元紙に寄稿し、民主党候補のジョー・バイデン大統領支持を表明した(「アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション」紙電子版5月6日)。

ダンカン氏は2013~2017年にジョージア州下院議員、2019~2023年に同州副知事を務めた。2021年には副知事2期目に立候補しないことを表明し、同氏が「傷ついた」と呼ぶ共和党の再建に力を注ぐと述べた。同氏が副知事だった時には、ドナルド・トランプ前大統領の主張する2020年の大統領選挙での不正(2020年12月16日記事参照)を否定したほか、同州の選挙法に抜本的な変更を加えようとする同州共和党の取り組みを批判し、不在者投票を制限する提案に抗議していた(「ジョージア・レコーダー」2021年5月17日)。2024年大統領選挙では、中道政治団体「ノーレーベルズ」が候補者として同氏擁立を検討していたが、2024年3月、同氏は同党からの立候補を辞退すると述べた(注1、ABCニュース3月18日)。

同氏は寄稿した論説で、共和党候補のトランプ前大統領を激しく非難してきた人々も含め、トランプ氏支持に回る共和党員が増えていることへの懸念を表明し、トランプ氏の時代から脱却しない限り、共和党の再建はあり得ないと主張した。また、バイデン大統領の2期目の立法計画を阻止し、チェック・アンド・バランスを機能させるために、連邦議会で共和党が多数派を形成できるよう取り組むべきだと述べた。

バイデン大統領陣営は同氏の論説を称賛し、不満を持つ共和党員を自身の陣営に迎え入れていると強調した(「ニューヨーク・ポスト」5月6日)。一方で、2020年の大統領選挙の際には、民主党支持を公言する共和党員が多くいたが、今回の選挙でバイデン大統領支持を公言する共和党員は現時点では極めて少数派だという(MSNBC 5月8日)。

11月の大統領選挙は、4月時点でバイデン大統領、トランプ前大統領両氏の支持率がほぼ互角の状況で、過去2回の大統領選挙(2016、2020年)と同様、少数の激戦州(スイングステート)の結果で勝敗が決まる可能性がある(2024年4月15日記事参照)。ダンカン氏の地元ジョージア州はスイングステートの1つで、4月に実施されたエマーソン大学の世論調査(注2)では、トランプ前大統領の支持率(47%)がバイデン大統領(44%)を3ポイント上回った。ダンカン氏のバイデン大統領への支持表明が他の共和党員にも広がるのか、注目を集めている。

ジェトロの特集ページ「2024年米国大統領選挙に向けての動き」では、大統領選挙に関する最新動向を随時紹介している。

(注1)ノーレーベルズは4月4日、2024年大統領選での候補者擁立を断念すると発表した。

(注2)実施時期は4月25~29日、対象者はジョージア州の登録有権者1,000人。

(檀野浩規)

(米国)

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