日本でも人気爆発、テイト・マクレーの次世代ポップが絶大な支持を集める5つの理由
Rolling Stone Japan / 2024年8月23日 17時30分
カナダの新星、テイト・マクレーが世界中のティーンやZ世代から支持される理由とは? 昨年リリースの2ndアルバム『THINK LATER』が大ヒットを記録。10月末に初来日公演も控える彼女の魅力を、音楽ライター・辰巳JUNKに解説してもらった。
1. ゲームチェンジャー的アンセム「greedy」
この爽快メロディを耳にしたことも多いだろう。Spotifyチャートで世界一に輝いたテイト・マクレー「greedy」は、K-POPグループ、NewJeansのメンバーも歌って踊った大ヒット曲だ。
「私が求めているのは私自身」「ベイビー 欲張っちゃダメよ」(「greedy」より)
リリースから1年半ものあいだ人気を維持している「greedy」は、デート相手に強気な自信を表明するダンスチューン。ミュージックビデオにホッケー場が登場するように、ポップファンのみならず、スポーツファンのアンセムとしても人気になっている。
同曲によってカナダ人女性初のBillboard世界チャートの頂点に輝いたテイト・マクレーが、初来日を10月に控えている。一夜限りの豊洲PIT公演のVIPチケットは即座に完売し、一般チケットものこりわずか。日本でも勢いを見せている次世代ポップスターの魅力を探っていこう。
Photo by Beth Saravo
2. 10代で鮮烈デビュー、ダンスから作詞作曲までこなす多彩ぶり
2003年カナダ生まれのテイト・マクレーは、現在21歳ながら、ベテランの超・実力派パフォーマーでもある。ダンス講師の母のもと育った彼女は、10歳のころから有数のコンテストで受賞を果たしてきたダンサーなのだ。2015年には世界最高峰のベルリン国立バレエ団から奨学金を与えられ、翌年、12歳にしてジャスティン・ビーバーとの共演も果たしている。
@tatemcrae バレエを踊る幼少期のテイト・マクレー
ダンサーとして輝かしい未来を約束されていた天才少女は、ある日、もうひとつの才能を開花させた。作詞作曲に夢中になり、自分の部屋の壁にアイデアを書き連ねていくほどの創作意欲を爆発させていったのだ。そして2017年、YouTubeに自作バラード「One Day」をアップするやいなや人気をあつめたことで、契約オファーが殺到。わずか14歳でつくった一曲によって、10を超える有名レーベルによる争奪戦を巻き起こしたのだ。
テイトの凄味は、ミュージシャンとしても多彩であることだ。明るくエネルギッシュな「greedy」とは裏腹に、キャリア初期には、悲しく内省的な「サッドガール」作家として名を馳せた。たとえば、2019年のデビュー曲「tear myself apart」は、ジャンルの看板であるビリー・アイリッシュによって制作されている。日本のファンにも人気を博した「you broke me first」の場合、テイト自身が作曲した繊細な失恋バラードだ。
3. 「ブリトニーの後継者」ダンスポップの超新星
10代で音楽業界に入ったテイトは、キャリアに悩むなか、多くの音楽ファンと同じように、好みも時とともに変わっていったという。そこで行きついた哲学が、2ndアルバム『THINK LATER』のタイトルにもなった「今を生きて、あとで考える」。本能に身を任せてまずやってみよう、と決断したのだ。
ここで選ばれたコンセプトが、幼いころ憧れていた2000年代ポップ。具体的には「exes」ミュージックビデオでもオマージュを捧げられているセクシーな自信家クリスティーナ・アギレラ、そしてカリスマダンサー、ブリトニー・スピアーズだ。
このコンセプトを象徴する楽曲こそ「greedy」だった。発表するのがもっとも怖かった作品だったからこそ「あとで考える」精神によってリードシングルに抜擢されたこのダンスチューンは、彼女のダンサーとしての実力とセクシーな自信がたっぷり込められた新時代宣言であった。
Spotify10億回再生を達成した「greedy」は、テイト・マクレーを次世代ポップスター以上の存在へと引き上げた。今や彼女は、ポップの伝説、ブリトニー・スピアーズの後継者候補だ。
「テイト・マクレーは素晴らしいパフォーマーです。次から次へと高みへと上昇しつづける」(ブリトニー・スピアーズ、V Magazineに掲載されたテイトとの対談記事より)
この10年、北米ポップシーンに不足していたのが、ブリトニーのようにソロで激しく踊るポップスターだった。そこで舞い降りた存在こそ、最高峰の実力を持つダンサー、テイトというわけだ。TikTokで真似しやすいゆるい振りつけのヒット曲が主流になっているなか、アクロバティックダンスのエネルギーを炸裂させた「greedy」とは、彼女にしかなしえなかったゲームチェンジと言えるだろう。
4. 次世代トップ・アーティストとの交友関係
飛ぶ鳥を落とす勢いのテイト・マクレーは、大スターとのコラボも期待できるかもしれない。テイトの故郷愛は「Calgary」でもつづられているが、同じカナダ出身の先輩こそ、キッズダンサー時代に共演したジャスティン・ビーバーだ。現在も交友がつづいており「greedy」が披露されたNHLオールスターゲームにてステージ上での再会も果たした。
そんなジャスティンとのコラボ「STAY」を日本でも大ヒットさせたラッパー、ザ・キッド・ラロイは、現在テイトと交際中。さまざまな分野でカリスマ性を発揮する変幻自在なスター同士のお似合いカップルで、ジャスティン夫婦とのダブルデートも目撃されている。
テイトとラロイが所属する一種のアートコミュニティが、世代交代が進むポップシーンにおいて未来を背負う若手たちのグループだ。
「greedy」の成功前、テイトが味わっていた音楽業界での苦しみは「want that too」で歌われている。このキャリアの過渡期をサポートした親友こそ、同じマンションに住むグラミー新人賞受賞者、オリヴィア・ロドリゴだ。共感できる歌詞とロックを融合させたオリヴィアのヒット「bad idea right?」のミュージックビデオには、テイトも友情出演している。
The Kid LAROI shares new photo with Olivia Rodrigo and Tate McRae. pic.twitter.com/IOEv1MXhRR — Pop Crave (@PopCrave) January 22, 2024
二人の親友であるコナン・グレイも、強烈な心情を耽美に歌うシンガーソングライター。彼の代表曲「Heather」は、テイトによるカバーがSpotify限定で発表されている。
2024年秋冬は、日本に次世代ポップ勢力が来襲するシーズンだ。テイト、ラロイ、オリヴィア、コナンの来日公演が決定している上、テイトと同じダンス系ポップスター、デュア・リパの2日連続公演も11月に待ち受けている。
Photo by Beth Saravo
5. 新人アーティストと思えぬ圧倒的な実力
テイト・マクレーの明るい未来をなにより担保しているのは、シンガーソングライターとしての実力だろう。大御所プロデューサー、ライアン・テダーは、テイトとのアルバム制作があまりに刺激的だったため、10年ぶりに自身の「土日と深夜に働かない」掟をやぶったと明かしている。ビヨンセからBLACKPINKまで、スターたちに楽曲提供してきた彼いわく、20年のキャリアのうち、テイトほど膨大なアイデアとコンセプト設計能力を持ち合わせる新人は数えるほど。彼女のミックスノートはクインシー・ジョーンズ並の細かさだったという。
今回紹介しきれなかった多様な楽曲群は、日本リスナー用に特別につくられた下記おすすめプレイリストで知ることができる。ダンスと作曲の実力によって突き進むテイト・マクレーの快進撃を、是非体感してみよう。
テイト・マクレー来日公演
2024年10月29日(火)豊洲PIT
開場18:00 開演19:00
詳細:https://www.livenation.co.jp/tatemcrae2024
テイト・マクレー
『THINK LATER』
発売中
再生・購入:https://TateMcRae.lnk.to/ThinkLaterRS
╭━━━━━━━━━━━╮⁰ #テイト・マクレー への
質問大募集⁰╰━━━━━v━━━━━╯
10月に初来日公演開催が決定している
テイトがあなたの質問に答えてくれるかも
以下からぜひ聞きたいことを教えてね
▷https://t.co/Ye9KsaIAEG@tatemcrae #tatemcrae #テイト初来日 pic.twitter.com/ivxF3wOXYM — ソニーミュージック洋楽 (@INTSonyMusicJP) August 22, 2024
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