1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 音楽

ぺろぺろきゃんでーが語る、兄妹の生き様「誰かにとっての居場所を作りたい」

Rolling Stone Japan / 2024年8月21日 18時0分

ぺろぺろきゃんでー:左からSUNNY-PLAY、Janet真夢叶(Photo by Koya Yaeshiro)

兄・SUNNY-PLAYと妹・Janet真夢叶による大阪出身の兄妹ポップラップユニット・ぺろぺろきゃんでーが1st EP『CANDY POWER』を発表した。

【写真を見る】ぺろぺろきゃんでーのJanet真夢叶、SUNNY-PLAY

2021年にTikTokで活動を開始すると、「低音女子」=Janet真夢叶の歌唱・ラップと、「天才兄者」=SUNNY-PLAYの楽曲制作動画が話題を呼び、一躍注目を集める存在に。2023年にリリースした「話題のGAL」はバイラルヒットを記録し、ネガティブをポジティブに変換する「ギャルマインド」は2人の代名詞となっている。

「自分の好きに、わがままに生きる」ことを肯定する初のEP『CANDY POWER』は、ネクストシーズンの始まりを告げる作品だという。そこで音楽専門媒体初となる今回のインタビューでは、改めて「ぺろぺろきゃんでーとは何者か?」を探るべく、それぞれの音楽的・思想的なルーツから、現在のモードまでをじっくりと語ってもらった。「いつか2人が夢を叶える瞬間を一緒に見届けたい」。そんな風に思わずにはいられない、愛すべきキャラクターの兄妹である。

否定された低音ボイスを個性に

―ぺろぺろきゃんでー(以下、ぺろきゃん)はもともとSUNNYくんが真夢叶さんを誘う形でTikTokでの活動を始めたそうですね。

SUNNY-PLAY:もともとバラで活動してまして、僕は僕でラップのグループにいて、そこでビートを作ってラップもしてたんですけど、一旦休憩みたいな時期に実家に戻ったんです。そこから1年間ビートメイクをやってみて、1人で飯が食えるぐらいの額を稼げなかったらもう音楽はやめようと思っていて。それと妹がアイドル的な活動を一旦やめたタイミングが重なって、妹はそのときすでにTikTokのアカウントを持ってたので、「それを使って宣伝になればいいんじゃね?」と思って。コメントをもとに曲を作り始めた中で「色恋沙汰」のサビができて、それを聴いた今のぺろきゃんのプロデューサーの人から「この曲いいから出しちゃいなよ」みたいに言われて、とりあえず出してみたのがスタートです。



―SUNNYくんはもともと裏方の仕事に興味を持っていて、楽曲制作も音響の勉強のために始めたそうですね。裏方に憧れたのはなぜですか?

SUNNY-PLAY:小学生のときにドリカムさんのライブに行って、アンコールが終わってPAさんがブースをばらし始めるのを見て、「あの人らが音を操ってんじゃね?一番かっこええやん」みたいに思って、そこから興味を持ちました。もともと親父がドラマーで、でもいろいろあって、大嫌いなんですよ。だから自分が表に立つ側では絶対に飯食わんぞと思ってたのもあり、裏でサポートするのはめっちゃかっこいいなと思って、そういう学校に行き、勉強してたんですけど……人生ってわかんないもんですね。

―いつの間にか自分も表に立って、歌ったりラップしたりするようになっていたと。真夢叶さんは宮野真守さんのライブを見て歌手を志したそうですね。

Janet真夢叶:「音楽に携わって生きていきたい」っていう夢は、小さい頃からずっとふわっと持ってたんです。その一方で、アニメも大好きになったんですけど、生きていく上でいろいろあったときに、「きっと自分と同じような境遇の子たちっていっぱいいるよな」と思って、そういう子たちにどうにかして「大丈夫だよ」って言ってあげたいと思うようになりました。そういう中で宮野真守さんのライブに初めて行ったときに、まもちゃんのハピネスパワーに心を打たれて、「この方法があるんだ!」と思ったんですよね。想いを歌に乗せて、パフォーマンスをすることで、寄り添うことができると気づいて、そのときに「私はこれで生きていく」って決めました。ただそこからはずっと手探りで、オーディションとかも受けるけど、「君は向いてないよ」とか「もっと高い音で歌わないとダメだよ」とか言われ続けてたんです。それで「この業界は無理なのかも」ってなってたんですけど、お兄ちゃんとTikTokをやってみたら、「声が低いのがいいですね」みたいなコメントをもらうようになって、「この声いいんだ!」って気づいて。

SUNNY-PLAY:ラップの曲って何でもありじゃないですか。クラシックでもロックでもポップでもいい。そういうのが好きだし、声も海外にはいろんな人がおって、低い人も高い人もおる。僕はわりと低いノートでメロディーを作るんですけど、妹が高く出そうとしてるのが当時意味わからなくて。「なんでそんな頑張って高く行こうとすんのやろ」みたいな。僕は低いのでかっこいい曲作れるぞっていうのもあったから、そっちで行ったら面白いのになと思って。

―時代によって多少波はあるけど、やっぱりJ-POPはどちらかというと高音が求められる世界ではありますよね。

Janet真夢叶:いまだに言われるもんな。声低く歌ってたら、「高く歌えないの?」とかって。今はそういうのに対して、「なんで高く歌わんとあかんみたいになってんの?好き勝手するのが音楽ちゃうの?」みたいな、ちょっと尖った部分もあります。

SUNNY-PLAY:ほんまそういうのはひっくり返してやりたいですよね。高いのも出そうと思ったら出ると思うし、低いのってシンプルに難しいんですよ。だから低くても説得力のある声のかっこよさを、ポップスで提示できればなと思ってやってますね。

@janet252539 @BE:FIRST Official さんの #mainstream#低音女子 ♬ オリジナル楽曲 - ぺろぺろきゃんでー(Janet 真夢叶)

―もちろん日本にもいろんなシンガーがいて、それこそR&Bのシンガーとかラッパーだったら低い声が魅力的な人はいるけど、キラキラしたポップな曲調にこの声を合わせるオリジナリティはぺろきゃんの強みだなと思います。

SUNNY-PLAY:そこはあえてやってるというか、僕らがそういうガチガチのR&Bとかヒップホップみたいな曲をやったら、多分僕が聴く側だったらつまらないと思うんですよ。まんますぎて、「でしょうね」みたいな。そういう人たちはもういはるから、逆にポップスのサウンドに近い音のほうが、「え?なに?」みたいになるかなと。困惑する方が面白いからあえてやってますね。


二人が影響を受けたもの

―別のインタビューでSUNNYくんが音楽のルーツを聞かれて、「プリンスと浅倉大介さん」と答えていて、この2人を並べてるのも僕はある意味困惑したんだけど(笑)、でも改めて曲を聴くとよくわかるなとも思って。プリンスに関しては、お母さんがファンクやディスコが好きだったそうで、真夢叶さんもそこは共有してたわけですよね。

Janet真夢叶:そうですね。小さい頃はずっと「ディスコベストヒット」みたいなのしか流れてなかったもんな。

SUNNY-PLAY:R&Bかディスコかファンクか、ずっとそればっかり。だから中学でカラオケとかに行って初めてJ-POPを知る感じでした。CMとかアニメの曲のサビは知ってるけど、そこ以外は全然わからんくて、今のTikTokみたいな感じやった(笑)。

―そんな中で、浅倉大介さんのことはどう知ったんですか?

SUNNY-PLAY:YouTubeが小5とかからもうあったんですけど、中学に入ったぐらいに初めてJ-POPのサウンドにちゃんと触れて、「こんな曲があるんやな」って聴くようになって。中学2年でバンドを組んで、当時すかんちが大好きで、すかんちの曲ばっかり聴いてたんですよ。あの時代の曲を探してたら、関連でaccessが出てきて、すごくキラキラしたサウンドで「なんじゃこりゃ?」って気になって。当時TSUTAYAでレンタル10枚1000円とかあって、毎週のようにバーって色々借りてたんですけど、それでaccessのアルバムも借りて、より好きになりました。

―ぺろきゃんの曲とあのキラキラ感は確かに通じる部分がありますね。

SUNNY-PLAY:同じタイミングでTommy february6も知ったから、二重でキラキラが来て、「すごい!」みたいになりましたね(笑)。

―真夢叶さんは歌手を志すきっかけが宮野真守さんで、「影響を受けた人」に関してはどうですか?

Janet真夢叶:影響は……宮野真守一択ですね(笑)。

―宮野真守さんは何の作品で好きになったんですか?

Janet真夢叶:それがあんまり覚えてなくて……高校になって、友達に声優さん好きな人がおって、「こういう人おんねんで」みたいな話をする中で、なぜか宮野真守さんの曲は知ってたんですよ。そこから声優さんにはまり、いろんな曲を聴いたんですけど、気づいたら私の好きな曲は宮野真守さんの曲が大半を占めてて。歌詞の内容が人生の教訓にできるものが多くて、つらいときは宮野真守さんの曲を聴いて、高校生のときに初めてライブに行って感銘を受けました。未だにそのライブのオープニングを聴いたら、ぶわーって鳥肌が立つぐらい、めっちゃ影響受けてますね。

―どんなライブだったんですか?

Janet真夢叶:「LOVING!」っていうツアーだったんですけど、テーマが遊園地って感じで。お着替えタイムの映像もすごいし、バンドの人もトロッコに乗って動いたり、エンタメを全部詰め込んだようなショーで、「こんな世界があるの?」みたいな。ファンの人もみんな宮野さんを応援してるがゆえに、優しい人が多くて、普通銀テープとか独り占めしようとするのに、もらえへんかった人に配ってる人がおったり、「素敵すぎる!」と思って。なので、ぺろきゃんのファンの人も仲良くいてほしいなとか……いろんなところに宮野真守さん要素があります(笑)。




Photo by Koya Yaeshiro



生きづらさを感じた時期

―ぺろきゃんには「ネガティブをポジティブに変換する」というメッセージの軸があり、それを象徴する言葉としてこれまで「ギャルマインド」を使ってきていますね。

Janet真夢叶:私、21歳ぐらいまではギャルマインドを持ってなかったんです。むしろ周りの目を気にして、「どうやって自分のコンプレックスを隠そう」みたいな、自分の存在を隠す方向でずっと生きてきて。でもめっちゃギャルな友達に出会ってから、人生ってこんなに自分にわがままに生きていいんやっていうことを学んで、そこから変わっていきました。そこまではほんまに、殻に閉じこもっていて、周りに合わせて、みんなが求めるものを提示しようとしてる自分やったのが、「自分はこうやからこうしたい」ってちゃんと言えるようになったんです。

―それまではなかなか周りに馴染めなくて、不登校の時期もあったとか。

Janet真夢叶:小学校も中学校もほぼほぼ行ってませんでした。ブラックとのハーフだから、肌の色のことでめっちゃ不満を抱いてたし、アニメが好きだったけど、その頃はまだ「オタクきしょい」みたいなことを言われ続けて、「私はダメな要素しか持ってないんだ」って、自分で自分を押さえ込んで、「もう家から出たくない」みたいなところまで行ってたけど、何がきっかけだったのか……でもやっぱりライブに行ってからかな。まもちゃんのライブに行って、「私と同じように悩んでる子がめっちゃいるんだろうな」っていうのを感じて、「私はこの気持ちを伝えていきたい、方法は音楽だ」みたいになって。それからアイドルとかをしているうちに、歌も低いのしか歌えないし、また「やっぱり私ってダメなんだ」みたいになってたけど、ぺろきゃんをするようになって、ギャルの友達に出会って、弾け飛んだ感じですね。

―SUNNYくんもこれまである種の生きづらさや居場所のなさを感じてた時期はありましたか?

SUNNY-PLAY:ありましたけど、僕は妹より早い段階でそういう時期を抜けてはいて。小学校から高校までラグビーをやってたんですけど、小4のときにすごい点を取った日があって、それから周りの対応が変わって。それまでは周りからめっちゃ嫌なこと言われて、よくもめてたんですよ。でも「結果を出したら黙るんや」ということがわかってから、あまり気にしなくなりました。ただ、めっちゃ覚えてるのが……中学2年の学校行くときにおばちゃんが急に話しかけてきて、イヤホンを外して「何ですか?」って聞いたら、「肌が黒いの気持ち悪い」って突然言われて。そのときは落ちましたね。でも、それも1週間ぐらいかな。周りと違うのは逆にレアっていうか、目立ってるっていうことだから、別に落ちることないんじゃないかって、そう切り替えてからはあんまり苦に思わなくなりました。ぺろきゃんの歌詞は基本僕が書いてるんですけど、それもそういう経験をしてきたから書けるんです。たとえば「色恋沙汰」は失恋の歌ですけど、「見方を変えれば、経験値として失恋っていいよね」っていう風に持っていってるのは、そのおばちゃんの一件があったから書けるわけで。「マイナス要素も見方を変えたらプラスじゃない?」というマインドは、基本的にぺろきゃんの歌詞のどこかには入れてますね。


Photo by Koya Yaeshiro



「みんなで居場所を探したい、作りたい」

―「話題のGAL」がヒットして、ぺろきゃんの発信するギャルマインドが多くの人に届いたわけですけど、1曲ヒットするとその曲のイメージがつき過ぎてしまうというのもあるあるだったりして、現状をどう感じていますか?

Janet真夢叶:めっちゃそれを感じますね。ライブをしてても、みんなが聴きたい曲はどうしても「話題のGAL」っていうのを肌で感じて、でもうちらが伝えたいのはギャルマインドだけじゃないって、最近はめっちゃ思ってます。



Janet真夢叶:ギャルマインドも伝えたいことの一つやけど、それ以上に「居場所の大切さ」というか、自分が置かれてる場所を居心地悪く感じてるんだったら違う場所に行ってもよくて、きっと自分がキラキラしていれる場所があるんだよ、ということを伝えたい。根本的には「みんなで居場所を作りたい、探したい」っていう想いがあるから、それを伝えていかなければと思ってますね。

―「トットちゃん」はそのメッセージが込められている曲ですよね。

Janet真夢叶:ほんとにそう。私は小さい頃から1人遊びが大得意で、頭の中でキャラクターを生み出しては一緒に登校したり、それこそ宮野真守さんのライブに自分が出ていることを想像したりして。そこはめっちゃ居心地が良くて、誰も自分の好きなものを否定しない場所で、「六次元」みたいな感じで思っていて。「六次元」=「自分の好きを貫ける、心地いい場所」と捉えて、それをお兄ちゃんが上手いこと歌詞に〈ようこそ Six Dimension(六次元)〉っていうのを入れてくれたので、「トットちゃん」は今後どんなライブでも絶対に歌いたいと思うくらい、めっちゃ大事な曲です。自分を押しつぶしちゃうことほどもったいないことはないから、それを伝えたいですね。





―今はリアルな世界だけじゃなくて、SNSの中も含めて、いろんなプレッシャーを感じたり、居場所のなさを感じている人がきっと多いでしょうからね。

SUNNY-PLAY:みんな頑張りすぎてる気がする。マジですごい大変やと思うんですよ。だって学校から帰ってきても、仕事から帰ってきても、SNSで繋がってるし。最近は「あの子が何とか言うからこのストーリーあげられへん」とか、「え?」と思う会話が普通にあったりするから、すっげえだるいやろうなって。そういうのって、彼・彼女たちからすればでかいことやけど、別のところから見たらそんなでもなかったりするじゃないですか。「こういう感じで言ってる人もおるんや」って、そういう気づきのきっかけになればいいですよね。

―10代とかだと「ここが私の世界の全て」ってどうしても思っちゃうけど、それを外から見て、「ここも全然あるし、ここもあるし」っていうのを提案してあげるっていうのはすごく大事ですよね。

Janet真夢叶:「頑張ることが楽しい場所があるはずだから、そこに行ったらいいよ」みたいな感じかな。

―先ほどの話はEP『CANDY POWER』のテーマにも繋がるというか、「自分の『好き』に対してはわがままでいい」ということがメッセージの中核にありますよね。

Janet真夢叶:周りを気にしてた自分がいたからこそ、「わがままになっていいんだよ」っていうことをちゃんと伝えられると思うんです。やっぱり周りの目を気にして、周りに合わせてやってるとしんどいし、生きるのがつらくなっちゃうんですよね。でも「頑張れ」って言われても、「何を頑張ったらいいんだろう?」みたいな、負のループにはまっちゃう。だからこそ、周りを気にするなとは言わないけど、1日でも半日でも自分にわがままに生きてもいいんだよっていうことを伝えたくて。お兄ちゃんがこの楽曲たちを持ってきてくれたときは、「これは心から歌える」と思いました。人に迷惑をかけるわがままじゃなくて、自分に対して甘くわがままになってもいいんだよっていうことを伝えたいですね。

SUNNY-PLAY:そう、わがままの意味は決して履き違えないでほしい。

Janet真夢叶:「自己肯定感」っていう言葉はあんまり好きじゃなくて。「自己ってどうやって肯定したらいいの?」って思うから、別の言い方を探したときに、「自分にわがままに生きることが大事」みたいなところに行き着きました。自分の好きを誰かに共有するのは難しいけど、自分自身だったら絶対に受け入れられるし、楽しめるから、自分自身にわがままであってほしいなって。



―そのメッセージを伝えるために、4曲中2曲のタイトルに「わがまま」という言葉が入ってる(笑)。特に「わがままコーデ」はEPのテーマ曲のような一曲で。

SUNNY-PLAY:今の世間様のことというか、僕が友達としゃべったり見たりして、しんどそうやなって思ってることを書いた感じですね。『ラブandベリー』感を出したのは、ちょうどそのときにそういうのをずっと見ていたので、絶対「コーデ」を使いたくて。

―「わがままマーメイド」も少女漫画がモチーフになってるんですよね。

SUNNY-PLAY:そう、『ぴちぴちピッチ』(笑)。今、あの辺の時代感の曲をずっと作ってて。あの時代の『なかよし』とかって、メッセージがすごいんですよ。恋愛ものかと思いきや、それこそ僕らが言ってるような、「こんな考え方はどう?」みたいなのがあるから、結構ヒントになって、ちょいちょい見てるんですよね。

―「わがままマーメイド」はトラックも面白くて、さまざまなジャンルの要素がごちゃ混ぜになってますよね。途中で「昔毎週のようにTSUTAYAでCDを借りてた」という話を聞いて、たくさんインプットして、それを自分なりにアウトプットするのが上手い人なんだなって、勝手に納得しちゃったんですけど。

SUNNY-PLAY:もともと「わがままマーメイド」は1年半前くらいに作った曲で、最初はジャージークラブだったんですよ。でももうジャージーが人気になりすぎて、今さらこすってもつまらないよねって話になって、じゃあもういろいろ混ぜ込んでしまおうかと。ジャージーのバックボーンにはいろんなジャンルが入ってるし、それを提示してやれと思って、結果的におもちゃ箱みたいで面白いかなって。



―真夢叶さん的には4曲の中で特にどれがお気に入りですか?

Janet真夢叶:「どんまい。」はめっちゃ気持ち入って歌っちゃいます。私が最近女の子に対して思うのが、見た目ヴィランに見えてもプリンセスだっているんだよ、みたいなことで。なので、この曲の〈女は誰でもプリンセス〉っていうところがめっちゃ気に入ってます。女の子は誰にも触れられない、綺麗なものなんだよっていうのがこの1行に詰まってる気がしてて。「わがままコーデ」もそうですけど、「あなたはプリンセスなんだから、自分の物語を描きなさいよ」っていうことが伝わると思うので、超気に入って歌ってます。

―「あなたの尺度じゃなくて、私は私の尺度で生きてるんだから」っていう。

Janet真夢叶:そうそう。彼氏ができちゃうと、「お前の化粧どうのこうの」とか言ってくる人がいて、それを気にしちゃったりもするかもしれないけど、「いや、あなた自身はあなたの物語のプリンセスなんだから、好きにしなさいよ」っていうのを伝えられる一曲になってる気がしてて、「伝われ!」って思う。



―この曲は実話がベースになってるんですよね。

SUNNY-PLAY:そうです。妹とお店でご飯を食べてるときに隣に座ってたカップルの会話から着想を得ました。あのときのカップルがこれを聴いてくれたらいいのに。

Janet真夢叶:きっとこういう経験をしてる子が多いんよね。美の基準が勝手に決められちゃってる世の中で、細くなきゃいけない、メイクもこうしなきゃいけない、眉毛がどうのこうの、人中がどうのこうのとか。でも「そんなの知りません!」みたいな感じ。誰かが勝手に決めた美の基準でその子を測らないでってめっちゃ思って、叫ぶように歌っちゃいます。


Photo by Koya Yaeshiro



SNSでは伝えきれないもの

―EPのタイトルを『CANDY POWER』にしたのは、どんな意図がありますか?

Janet真夢叶:私たちが伝えたいのはギャルマインドだけじゃなくて、わがままに生きることも伝えたいし、居場所を探したらいいよっていうことも伝えたい。そうなったときに、これらを全部を合わせたぺろぺろきゃんでーの考え方が詰まりに詰まってる「CANDY POWER」っていう言葉がめっちゃ自分で腑に落ちて、それでこのタイトルになりました。

―僕がまず連想したのは「ガールパワー」で、昔はジェンダー的な意味合いもあったと思うけど、今は「好きなように、自由に生きる」っていうことを表す言葉になっていて、日本の「ギャルマインド」と結構リンクすると思うんですね。で、それをぺろきゃんらしい言葉にすると「CANDY POWER」になる。だからこれまでの「ギャルマインド」のニュアンスも踏襲しつつ、よりどんな人にも届きやすい言葉になっていて、すごくいいなって。

SUNNY-PLAY:ほんまに人種、性別、年齢も何も関係なく、せっかく生まれたんだから、楽しもうぜっていうのが強いかな。みんな何かしらしんどいでしょうからね。

Janet真夢叶:ぺろぺろきゃんでーパワーを浴びてほしいですね。だからワンマンツアーのタイトルは「CANDY SHOWER」にしたもんな。

―EPのジャケットからしても、画面を飛び出して、直接パワーを届けに行くような勢いが感じられるものになっていて。ライブはぺろきゃんにとってどんな場所ですか?



Janet真夢叶:やっぱりライブに行かないと感じ取れないものがめっちゃあると思ってて。それこそ宮野真守さんのライブに行くまでは、鳥肌なんて立ったこともなかったし、心に響くっていうことを知らなかったんですけど、ライブに行って、その日までに曲を通じて感じ取ったことを直で痛感できるのがライブだっていうことを知って。なので、ライブでしか感じられないうちらのパワーを受け取ってほしいです。

SUNNY-PLAY:こっちがやってる感覚がもろに出るっていうのを最近よく感じてまして。やっぱりね、生ものですから。画面だけじゃわからないことって本当にあるんです。だから、ぜひライブにもお越しいただきたいです。

―TikTokはもちろん楽しいし、これからもいろんな企画をやっていくんだと思うけど、その一方で生の現場のパワーっていうのも間違いなくあるから、両方楽しめるようになったら一番いいですよね。

Janet真夢叶:SNSでは伝わりきらない部分もあるからね。

SUNNY-PLAY:無理無理、絶対無理。

Janet真夢叶:自分たちが伝えたいことは、SNSの動画だけでは伝わらないから。言葉に思いを込めて歌ったり、喋ったり、直接響くライブでみんなに伝えていきたいなと思ってます。


Photo by Koya Yaeshiro

―では最後に、今後叶えたい夢について聞かせてください。

Janet真夢叶:夢は大阪城ホールです。

SUNNY-PLAY:あのあたりが地元で、僕が見たドリカムも大阪城ホールで。小さいときからでかいコンサートがあるっていうと大阪城ホールで、こっちでいう武道館が我々にとっては大阪城ホールですね。

Janet真夢叶:あのあたりはパワーもらえるしな。落ちたときとか、よくあの辺歩いてた。なので、いつかあそこでライブをして、おかあちゃんにも見て欲しい。

SUNNY-PLAY:母が育ててくれたので、何年後かに大阪城ホールでやったら……母が一番調子乗っていいと思うんですよ(笑)。

Janet真夢叶:うちらがやりたいことを何も文句言わずに見届けてくれてるし、最高の親孝行してあげたい。

SUNNY-PLAY:実家から近いしね。なので、ぺろきゃんの今の目標は大阪城ホールでワンマンです。

Edited by Yukako Yajima

<INFORMATION>


EP「CANDY POWER」
ぺろぺろきゃんでー
配信中
配信リンク:
https://linkco.re/yPMzrNn1




『ぺろぺろきゃんでー presents CANDY SHOWER』

【大阪】
11月4日(月・祝)OPEN 15:30 / START 16:00
大阪・心斎橋 ANIMA

【東京】
11月16日(土)OPEN 15:30 / START 16:00
東京・代官山 SPACE ODD

チケット料金:
一般スタンディング ¥4,000
U-30スタンディングチケット ¥3,000
U-18スタンディングチケット ¥2,000
※税込・ドリンク代別・整理番号付
※「U-30チケット」は30歳以下の方対象のチケットになります。
「U-18チケット」は18歳以下の方対象のチケットになります。

購入・詳細:https://eplus.jp/ppc/

X:https://x.com/ppc_staff
Instagram:https://www.instagram.com/peroperocandy_staff/
YouTube:https://www.youtube.com/@perocan_1026
TikTok:https://www.tiktok.com/@janet252539
Subscription:https://www.tunecore.co.jp/artists/PERO-PERO-CANDY
HP:https://lit.link/peroperocandyjp

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください