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義手のギタリストLisa13、恩師・田中一郎、MAD3らと熱狂のバースデーセッション

Rolling Stone Japan / 2025年1月27日 11時53分

Photo by Nami suke

2021年パラリンピック閉会式に出演して話題となり、音楽だけでなくファッションの発信やモデルとしても活躍する義手のギタリスト・Lisa13(リサ・サーティーン)が、自身のバースデーLIVEを1月26日(日)に渋谷チェルシーホテルにて開催。高校時代の講師であり恩師の田中一郎や斉藤光浩、そしてMAD3、TELL-MOD(*AUTO-MOD)など総勢6バンドとの共演を果たし、大成功のうちに幕を閉じた。オフィシャルレポートを掲載する。
生まれつき先天性四肢障がいにより右手に障害を持つLisa13は両親の影響もあり幼い頃からピアノや楽器に触れていたが、本格的にギタリストとしてプロを目指すようになったのは高校生の時。その時に出会ったのがARB、甲斐バンドなど数多くの名演を残すギタリスト田中一郎、そしてBOWWOWの斉藤光浩だった。そんな彼らを招き、自身のバンドMoth in LilacやGAROCKTOKYOにゆかりあるMAD3、TELL-MOD(*AUTO-MOD)、OXYMORPHONNなど先輩方や仲間たちと共演する盛大なバースデーイベントを開催した。


Moth in Lilac
OPENから会場は満員で、開演を待ちわびるファンの熱気に満ちていた。トップバッターを飾ったのは自身がVo&Gを務める5人組バンドMoth in Lilac(モス・イン・ライラック)だ。2013年の結成以来、数々の海外アーティストとも共演しているとあって実力と迫力あるステージで会場のボルテージは一気に上がった。新ボーカルとしてデスボイス女子”浮遊”と、5弦を操る新ベーシスト、イギリスとトルコのミックスルーツ”echo”が加わったことでさらに一体感が増してトップバッターからいきなりヘドバンもあり、会場はトップギアが入った。


OXYMORPHONN
次に登場したのは各自実績あるバンドから集まったLOUD PUNKバンド”OXYMORPHONN(オキシモルフォン)”。始まるやいなや超絶技巧ラウドサウンドが怒涛のように会場を支配していく。会場の奥まで突き抜けるようなボーカルとデスボイスが交互に絡み合い、会場の空気はガラッと変わり観客それぞれの体から湯気が出ているかのような熱気に包まれた。途中でドラムが交代するという珍しいシーンもあり、そこからさらにパワフルな演奏へと展開して圧巻のステージだった。


TELL-MOD


ジュネ
こちらも日本のパンクシーン、ニューウェーブ、ビジュアルシーンに多大なる影響を与えた”ジュネ”率いるレジェンド級ロックアート集団”AUTO-MOD”の元ドラムTELLとジュネのセッションバンド”TELL-MOD”が登場。バイオリンとギター、ギターシンセサイザーを駆使しながら複雑怪奇なプログレッシブハードロックを超革新的映像と共に奏で、今シーンで話題となっている最終形態AUTO-MODとは違い、TELLの叩き出すニューウェーブビートはまるで原点確認とも言えるポストパンク魂の伝達を行っているようで、名曲『レクイエム』を披露したときの会場の盛り上がりは最高潮に達した。


MAD3


EDDIE


そしてガレージ、パンク、ロカビリー、サーフとあらゆるジャンルのロックンロールを奏でるインストバンド”MAD3”。ステージに上がった時点でそのカリスマ性に会場の空気がまた変わる。海外ツアーも数多く行った世界レベルの唯一無二バンドの音楽は、無言で観客を踊らせる。レジェンドレベルにまで達したバンドの立ち振る舞い、そしてヒョウ柄の美しいギターを弾きまくるボーカルEDDIEの一喜一憂に目が離せなかった。


たに丸一郎with光浩
田中一郎


満を持して登場したのは、田中一郎、斉藤光浩率いる”たに丸一郎with光浩”。世代によってはARB、甲斐バンド、または「イカ天」審査員長だったことが記憶にある人も多いだろうが、奇をてらうことなくステージに立ったレジェンドたちは、70年代、往年のROCKの名曲を勢いよく奏で始めた。その音圧と生き生きとした濃厚なプレイで会場を次第に包み込んでいく。まさに音楽の包容力とはこのことを言う。




後半『I Love Rock 'n' Roll』『War is Over』では、Lisa13とGAROCKTOKYOボーカルMisakiが呼び込まれて共に演奏。MCで「Lisa、誕生日おめでとう。俺との年の差はずっと縮まないけど……」と笑いをとるシーンもあったが、田中と斉藤とLisa13のトリプルギターが絡み合うシーンは、時空を超えて同じステージでROCKを奏でていて感慨深かった。彼らの音楽遺伝子はLisa13のように次世代へと確実に受け継がれていくことを実感した。


GAROCKTOKYO


そして最後大トリで登場したのは、ボーカルMisakiとLisa13が昨年結成した”GAROCKTOKYO(ギャロックトーキョー)”。主役の登場とあって、会場のボルテージは最高潮に達した。Misakiの確かなボーカルとカリスマ性でROCKでありながらメロディーラインが響き渡り、Lisa13のギターも鋭利な歪みサウンドでアンサンブルに彩りを加えている。


Lisa13/Caramel's Guitar Kitchen


この日のために用意されたという新進気鋭のNEWブランドギター”Caramels Guitar Kitchen”もお披露目するなど、サウンドが曲が進むにつれどんどんラウドに聞こえてくる。2人のフロントマンがこの日の締めくくりにふさわしく縦横無尽にステージを動き回り会場を制覇していった。そして熱狂の渦の中、ラスト曲を盛大に終えた。 その直後サプライズでLisa13のバースデーを祝う一幕も。最後はこの日の出演者が全員ステージに上がり、観客への感謝を込めた記念撮影をして幕を閉じた。


「年齢もキャリアも関係なくLisaの感性と才能を対等以上に思って付き合っている」という田中一郎の言葉から2人の築いてきた固い絆がうかがえる。ただのバースデーLIVEではない。決して楽ではなかったであろう今までを支えてくれた先輩や仲間たちとの共演LIVEは、本人にとって特別な夜になったはずだ。またそれを見ている観客もまた特別なエネルギーを感じたに違いない。 Lisa13と似た境遇に立つ人もいるはずだ。Lisa13が活動を続けていることで、人々に何かしらの勇気やエネルギーが伝わっていくのだろう。そんな思いをした特別な一夜だった。これからの活動が楽しみだ。今後のライブも続々と決まっているので、ぜひライブに足を運んでほしい。
文:藤井豆太

Lisa13オフィシャルサイト https://lisa13.com

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