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トケマッチ事業停止3カ月、国外逃亡続ける元代表 利用者ら不安と怒り

産経ニュース / 2024年5月6日 18時37分

「トケマッチ」運営会社「ネオリバース」の元代表、小湊敬済こと福原敬済容疑者(運営会社HPから)

高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」の運営会社が1月末に自社のホームページ(HP)で突然、解散を発表してから3カ月。無断で預かった時計を売却したとして、業務上横領容疑で国際指名手配されている元代表と元社員は、旅券が失効しているものの、身柄は拘束されていない。時計を預けたままの利用者らは、先行きに不安や怒りを募らせている。

「寝かせているのももったいないと思い、軽い気持ちで貸し出したが、まさかこんなことになるとは…」。数百万円相当の「ロレックス」1本を預けていた神奈川県内に住む30代の男性オーナーは、こう嘆く。

トケマッチの運営会社「ネオリバース」が展開していたのは、腕時計を所有者から預かり、有料で貸し出すシェアリング事業。レンタル料の半額を預けた人に支払う仕組みだ。男性は昨年12月末に時計を預け、1月に預託料3万4900円を受け取ったが、同社と連絡が取れなくなり、腕時計も戻ってこないという。

同社を巡っては昨年末ごろから、預託金が振り込まれない、時計の返還要請に応えないといった声が相次いでいた。一方で、昨年12月末にかけては「年末年始キャンペーン」と称して腕時計の査定額に合わせてギフト券をプレゼントするなど預け入れを大々的に募集。その後、突然の解散発表があり、被害申告が相次いだ。

2人が預かった時計を勝手に売却していることを把握した警視庁捜査2課は3月、同社元代表の小湊敬済(たかずみ)こと福原敬済容疑者(42)と、元社員の永田大輔容疑者(38)に対する業務上横領容疑の逮捕状を取得。国際指名手配した。

しかし、2人は解散発表の当日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに向けて出国。3月に旅券返納命令が出され、4月には旅券が失効したが、不法滞在状態のまま逃亡を続けている。(外崎晃彦)

急拡大する市場、今後10年で6倍にも

「シェアリングサービス」の市場規模は拡大を続け、一般社団法人「シェアリングエコノミー協会」によると、令和4年度に2兆6158億円だったが、14年度には約6倍の15兆1165億円に拡大すると見込む。

協会は「安全安心に取引するために必要な基準を備えているかどうかを認証する」として、サービスを提供する企業への「認証マーク」制度を開始。トケマッチも取得していた。

被害者団体は、認証がトケマッチの信用性を高め、被害につながったと主張。「認定方法など制度の在り方が適切だったのか検証を求めたい」と訴えており、協会の担当者は「悪用するような会社を見抜けなかったことに道義的責任を感じている」とする。

急速な市場拡大には「副作用」もある。国民生活センターによると、シェアリングサービスを巡る相談件数は統計を取り始めた令和3年度が184件で、4年度196件、5年度232件と年々増加。利用者が多いカーシェアに関する相談が目立ち、傷や事故によって発生する保証額を巡る内容などが多いという。

高額物品の預託はリスクが大きい分野

シェアリングサービスに詳しい落合孝文弁護士の話「サービスはモノを預けるだけではなく相乗りや貸しスペースなど多岐にわたり、リスクも異なる。扱うモノによっては法規制がかかっているが、今回のトケマッチによる高額物品の預託はリスクが大きい分野でもあり、規制も選択肢に含めたリスク抑制策の検討が必要だ。サービスは一つ一つ異なるので利用者は全体を見て理解して利用することが重要だ」

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