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加齢の変化、100項目の顔の特徴…似顔絵第一人者が作成した30歳の吉川友梨さん

産経ニュース / 2024年5月20日 21時22分

訂1_G大阪府警の捜査状況と情報提供件数の推移(吉川友梨さん)

大阪府熊取町で平成15年5月、当時小学4年の吉川友梨さんが下校途中に行方不明になってから20日で21年が経過した。何者かに連れ去られたとみて捜査を続ける大阪府警は、今年30歳になった友梨さんの似顔絵を新たに公開した。描いたのは群馬県警科学捜査研究所の緑川順さん(65)。犯罪捜査における似顔絵作成の第一人者だ。

緑川さんにも、友梨さんと同年代の娘が2人いる。「幼かった女の子が今もどこにいるのか分からない。ご両親の心情を思うとやりきれない」。大阪府警から依頼があったのは昨年4月。友梨さんの現在を形にする作業は、1年がかりの大仕事になった。

頭蓋骨に粘土で肉付けして生前の顔を3次元で再現する「復顔法」を、似顔絵に応用する技術を編み出したのが緑川さんだ。今回友梨さんの似顔絵を作成するにあたり、0歳から行方不明になる9歳までの約20枚の写真を参照。年齢ごとに鼻の高さや両目の距離など約100項目に及ぶ顔の特徴を測定した。

さらに加齢によって顔の輪郭や、口と鼻の位置がどう変化しているかを細かく検証。その上で30歳となった現在の頭蓋骨を推定し、両親の写真を参考に遺伝的要素も加味した。全体的に幼い印象なのは「現代の30代女性は比較的若く見え、平均的な女性の顔を考慮した」から。「似顔絵が世に出ることで人々の関心は再度集まり、情報提供につながるかもしれない。その一助になればうれしい」

医学専門書、科学警察研究所で研鑽

昭和52年に群馬県警に入庁。5年ほど交番勤務などを経た後、絵の才能を買われて鑑識課に異動、捜査用の似顔絵作成を担当するように。

目撃情報を参考に逃走犯の似顔絵などを描くうち、頭蓋骨の構造などをもとにした方がより正確になるのでは、と考えるようになった。

そこで着目したのが復顔法。この3次元の技術を2次元の似顔絵に落としこもうとしたところに緑川さんの発想のユニークさがあった。

医学専門書を読みあさり、独学で輪郭や骨格を研究。さらに5年もの間、毎月休日に科学警察研究所に通ったほか、群馬大の夜間部に入学するなどして研鑽(けんさん)を積んだ。

これまで行方不明者や白骨化して身元が分からない遺体など約70件の顔を復元してきた。

緑川さんは「ご両親は今もどこかにいる友梨さんの無事を祈っている。この似顔絵を少しでも多くの人が見て、両親と友梨さんの再会につながれば」と願った。

行方不明から21年

友梨さんは平成15年5月20日午後3時ごろ、下校途中に同級生の男児とすれ違ったのを最後に行方が分からなくなった。現場付近で白色の車に男と女児が乗っていたという目撃情報がある。

事件から長期間がたち情報提供件数も減少傾向にある。府警の捜査員は20日、大阪・難波の百貨前で、友梨さんの両親らとともに情報提供を呼びかけるチラシ配りを行った。府警の向山喜浩本部長も参加し、「昨年のビラ配りの後には全国から約380件の情報提供があった。どんなささいなことでも、寄せていただきたい」と訴えた。

情報提供は府警泉佐野署捜査本部(072・464・1234)、メール(yuri@police.pref.osaka.jp)。

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