「アルコール検査したことない」焼酎飲み勤務、堺のトラック運転手逮捕 男性はねられ死亡

男性が落合登容疑者の大型トラックにはねられた現場交差点＝堺市西区（木津悠介撮影）

酒気帯び状態で大型トラックを運転した上、自転車の男性をはねて死亡させ、逃走したとして、大阪府警西堺署は17日、道交法違反（ひき逃げ・酒気帯び運転）と自動車運転処罰法違反（過失致死）の容疑で、堺市中区の運送会社「泰興運輸」のトラック運転手、落合登容疑者（60）＝堺市西区＝を逮捕、送検したと発表した。落合容疑者は当時勤務中で「自宅でビールや焼酎の水割り3杯を飲んだ後、出勤して運転した」などと供述。ひき逃げ容疑については「人だと思わなかった」と否認しているという。

捜査関係者によると、事故後、落合容疑者の呼気からは基準値の2倍以上のアルコールが検出された。運転前後のアルコール検知器によるチェックは義務化されているが、「アルコールチェックをしたことがない」などと供述しており、府警はずさんな運転が常態化していた可能性もあるとみている。

逮捕・送検容疑は、昨年12月27日午後8時45分ごろ、堺市西区浜寺石津町西の交差点で、酒気帯び状態で大型トラックを運転し、自転車に乗っていた会社員の前田大翔（ひろと）さん（24）をはねて、約150メートル逃走したとしている。前田さんは搬送先の病院で死亡が確認された。

同署によると、当時前田さんは青信号で横断歩道を渡っており、右折してきた落合容疑者のトラックと衝突したとみられる。事故を巡っては大阪府公安委員会が国土交通省近畿運輸局に通報しており、同局が詳しい勤務実態を調べる。