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傷ついた故郷から離れ抱いた「後ろめたさ」 NHK・高瀬耕造アナが向き合う阪神大震災

産経ニュース / 2025年1月14日 11時57分

記者会見で阪神大震災や災害報道への思いを語るNHK大阪放送局アナウンサーの高瀬耕造さん=昨年12月、大阪市中央区

今月17日で発生から30年となる阪神大震災。それに合わせ、NHK大阪放送局と関西の民放6局が連携し、19日に震災について考える番組がNHKで全国放送される。司会を務めるのはNHK大阪アナウンサーの高瀬耕造さん。震災当時、兵庫県内の実家にいたが3月に進学のために故郷を離れて以降、「後ろめたさ」を抱いていたという。高瀬さんは取材に、「しっかり自分なりに(震災と)向き合いたい」と心境を語った。

高瀬さんは30年前のあの日、同県加古川市の実家で過ごしていた。「大好きな神戸の街が傷ついていることに、かなり衝撃を受けた」と振り返る。東京の大学に進学するため、3月には故郷を離れて上京。それ以来、「阪神・淡路を置いて上京したという後ろめたさみたいなものが、ずっとあった」という。

平成11年にNHKに入り、23年の東日本大震災の取材にも携わったが、これまで阪神大震災と向き合う機会はなかった。令和5年4月、東京から大阪放送局に赴任した際には、「30年を前にしたこのタイミングで戻ってきたということは、いよいよちゃんと向き合えということなんだろうと思った」と明かした。

高瀬さんが司会を務めるNHKで放送の防災情報番組「明日をまもるナビ」(19日午前10時45分)は、「守りたい、だから伝える」がテーマ。震災30年に向けてNHK大阪放送局と毎日放送、朝日放送テレビ、関西テレビ、読売テレビ、テレビ大阪の在阪6局とサンテレビ(神戸市)で進めてきた災害報道プロジェクトの一環で、震災の経験を未来につなぐため何ができるか、NHKと民放のアナウンサーが語り合う。

災害が起きる度、ネット上にあふれる情報は虚実が入り乱れる。こうした社会の中で、専門家とともにメディアの可能性について考える構成でもあるが、取材で悩み、迷う現場での実情も浮かび上がらせる内容にもなるという。

高瀬さんは「視聴者の皆さんに災害報道を少しでも理解していただけるきっかけにもなり、次なる災害に向けた事前防災にもつながるのではないかと思う」と話した。

関西各局で阪神大震災関連の番組放送

阪神大震災の教訓を伝え、防災意識を高めようと、関西のテレビやラジオ各局は発生から30年に向け特別番組や、普段の報道番組内で関連企画の放送を予定している。

NHKは民放各局とのプロジェクトとして19日の「明日をまもるナビ」のほか、災害時の判断や行動について考えるワークショップの様子を中心にした関連番組を17日に放送する。また同日の報道番組「かんさい熱視線」は、被災地域で暮らす人を対象に実施したアンケートをもとにした内容で構成する。

毎日放送は15日、人気アイドルグループ「SUPER EIGHT」の村上信五さんらが司会を務める特別番組を放送し、震災当時の映像や資料を見ながら教訓や課題について考える。朝日放送テレビは17日の「newsおかえり」を約1時間拡大し、震災直後に取材した視聴者に再び会いに行く企画を放送する。

ラジオでもNHKと関西民放6局(朝日放送ラジオ、MBSラジオ、ラジオ大阪、ラジオ関西、KBS京都、和歌山放送)が連携し、防災・減災意識を高める特別番組を制作。各局でそれぞれ放送する。(前原彩希)

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