最高裁裁判官「不信任率」異例の10%超え4人 国民審査、2人は「ジェンダー裁判」関与
産経ニュース / 2024年10月30日 11時36分
27日投開票の衆院選と同時に行われた最高裁裁判官の国民審査の投票結果で、対象の6人全員が信任された一方、有権者が罷免を求める「不信任率」が10%を超えた裁判官が4人いた。10%を超える裁判官が出たのは平成12(2000)年以来、約四半世紀ぶりで異例。4人のうち2人は、性同一性障害をめぐる訴訟での重要な判断にかかわっていた。
中央選挙管理会の28日の発表によると、不信任率が10%を超えたのは今崎幸彦長官11・46%、尾島明氏11・00%、宮川美津子氏10・51%、石兼公博氏10・00%。近年はひと桁台で推移しており、10%超えは12年の1人以来、24年ぶりとなった。
このうち、今年8月から長官を務める今崎氏は、最高裁が昨年7月、性同一性障害により女性として暮らす経済産業省職員に対する省内の女性用トイレの使用制限について、使用を制限するのは「違法」とする判断を示した際の裁判長だった。
また今崎、尾島両氏は、最高裁が昨年10月、性同一性障害をめぐり戸籍上の性別を変更する場合、生殖能力をなくす手術を必要とする法律の規定について、裁判官15人が全員一致で「違憲」との初判断を示した際の裁判官だった。
国民審査の不信任率をめぐっては、令和3年の前回衆院選と同時実施された際、対象裁判官11人のうち、夫婦別姓を認めない法の規定を「合憲」とした4人に罷免を求める「×」の票が多く投じられたが、最高でも7・82%だった。
国民審査は有権者が辞めさせたい裁判官の欄に「×」印を書き、有効投票の過半数となった裁判官は罷免される仕組み。今回で26回目で、昭和24(1949)年の第1回以来、前回までに延べ190人が審査を受けたが、罷免された裁判官はいない。
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