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神話が結ぶ「建国の地」橿原と古代伊勢の魅力に迫る特別展 土器や埴輪を展示

産経ニュース / 2025年1月14日 11時39分

奈良県橿原市内の土器と同様の特徴をもつ中ノ垣外遺跡(三重県伊勢市)の弥生土器

初代・神武天皇が宮を築いた「建国の地」とされる奈良・橿原と、皇祖神・アマテラスオオミカミをまつる三重・伊勢との古代からのつながりにスポットを当てた特別展が、橿原市川西町の「歴史に憩う橿原市博物館」で開かれている。伊勢神宮が鎮座する伊勢は、日本書紀で「美しい国」とたたえられ、神話が結びつける橿原と伊勢の関係を古代遺跡を通じて紹介している。19日まで。

伊勢神宮の起源について日本書紀は、アマテラスオオミカミが伊勢の風景を前にした際の言葉で綴(つづ)る。「途切れることなく重ねて波が打ち寄せる美しい国である。ここに居りたいと思う」と語り、伊勢の地が選ばれたという。

日本書紀は飛鳥時代に編纂(へんさん)が始まり、当時の首都「飛鳥」(奈良県明日香村、橿原市)の人々が、はるか東方の海に面した伊勢に特別の思いを抱いたことを示す。

特別展では、伊勢を神聖な地としてあがめた飛鳥時代よりもさらにさかのぼって、古代以来の橿原と伊勢の関係について解説。両地域の遺跡から出土した土器や埴輪(はにわ)など約90点を展示している。

伊勢市内の遺跡では、大阪と奈良の府県境にある二上山のサヌカイトを加工した2万年前の旧石器時代の石器が出土。縄文~弥生時代には橿原と伊勢で共通した特徴を持つ土器が多くなり、人々の交流が盛んになったという。

橿原市文化財保存活用課の松井一晃課長補佐は「海のない大和の人々にとって、伊勢湾に面して太陽が海から昇る伊勢は『美しい国』と認識したのだろう。特別展をきっかけに、古代の伊勢を知って現地を訪れることで、飛鳥時代の人々の思いを想像してもらえれば」と話す。

毎週月曜休館(13日は開館、14日休館)。入館料は大人300円、高校・大学生200円、小中学生100円。同館(0744・27・9681)。

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