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<朝晴れエッセー>4月17日の揺れ

産経ニュース / 2024年5月9日 5時0分

4月17日午後11時14分頃、突然の地震。愛南町で震度6弱、宇和島市で震度5強、私が住んでいる松山市は震度4だった。

友人たちからは、矢継ぎ早にメールが届いた。同級生や、揺れや被害も大きい宇和島市の友人からも。自分たちも大変なはずなのに。皆、私のことと愛南町に住んでいる義父母のことまで心配してくれていたのだ。「旦那さんの実家は大丈夫?」「愛南町は?」等々。

夫とは、死別している。義父母のことも両親のことも、夫と二人三脚でやってきたが、あの日から全てを失った。

目の前にある現実は、介護である。孤独との闘いだ。介護生活が始まる前は、こんな私に連絡をしてくれる人はいなくなると思っていた。期待は、良い意味で裏切られている。

失ったものが大きいからこそ、気が付くことが増えたのかもしれない。本当は、ずっと昔から友人たちには恵まれていて、支えてもらいながら生きてきたのだ。勝手に一人だと思い込んでしまったことを深く反省した。

久しぶりに心が大きく揺さぶられた。心地良い揺れは、地震の恐怖も寂しさも帳消しにしてくれたのだった。

赤樫順子(50) 松山市

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