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関西でも過熱する中学受験、今年も受験率10%超えか 高校授業料無償化策が追い風に

産経ニュース / 2025年1月17日 9時0分

近畿2府4県の私立中入試が18日、一斉に始まる。中学受験大手の日能研関西によると、昨年入試の受験率は10・17%と2年連続で10%の大台を超えたが、今年はそれを上回る勢いがあるという。関西で中学受験への注目が高まっている要因の一つが大阪府で昨春スタートした高校授業料無償化。大阪府民なら私立の中高一貫校で授業料が必要なのは中学校3年間だけとなるためだ。無償化を追い風に受験生の裾野が広がる関西の「十二の春」。競争も過熱しつつある。

過去最高更新か

日能研関西によると、一部の学校が出願受け付け中のため、推計値ではあるものの、近畿の統一入試開始日となる18日午前の出願者数は1万7400人前後になると推測される。

昨年の近畿の受験者数は1月13日午前で1万7312人(同学年の児童全体に占める割合は10・17%)。14年ぶりに受験率が10%を超えた一昨年に続き、2年連続での大台超えだったが、同塾の森永直樹取締役は「今年は過去最高だった19年(10・47%)にも迫る勢いで、大阪や京都が受験率を押し上げている」と話す。

大阪が堅調な要因の1つとして、昨春から段階的に始まった高校授業料の無償化制度による私学志向の高まりがある。所得制限が撤廃され、大阪府民全体が対象となることで、高校授業料が実質無料となるため、これまで私学を選択肢に入れていなかった家庭が目を向けるようになった。

森永氏は「本格的に影響が出るのは2、3年後になるだろうが、特徴のある私立高の教育内容を知り、中高6年を通し、教育環境を選びたいと考える保護者が増えている」という。

中堅校に熱視線

近畿や首都圏で学習塾「開成教育セミナー」などを展開する開成教育グループの入試情報室上席専門研究員、藤山正彦氏も「今後さらに中学受験の勢いは増すだろう」とみる。同社が主催する進学フェアでは、これまで受験生が主に参加していたが、昨年9月のフェアでは4、5年の親子が急増。「秋頃に多くの学校で実施される本番さながらの模擬試験『プレテスト』の受験者数をみても前年より5%ほど増えたようだ」と話す。

藤山氏によると、難関校や関関同立(関西学院大、関西大、同志社大、立命大)の付属・系列校の人気は継続。近年、志望動向に大きな動きがみられるのは中堅校だという。「得意教科1科目から受験できるなど入試方式が多様化している。難関校ほど準備期間を必要としないことも選ばれる一因にもなっている」と説明する。

同社ではコロナ禍前後から入塾する生徒が増え、昨年中学受験をする生徒が過去最多となったという。「コロナ禍のオンラインへの対応をはじめ、多彩な教育内容で学校を選ぶ家庭が増え、進学実績重視から変化しつつある」とし、「将来的には2割近くある首都圏の受験率に近い水準にも届くのではないか」と話していた。(木ノ下めぐみ)

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